ハートキャッチプリキュア! 37〜49話

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第37話 強くなります!試練はプリキュア対プリキュア!!

 おお、そうきたか。
 そんな今回のお話は…
 砂漠の王「デューン」は、とても恐ろしい砂漠の使徒の王様。そのデューンが、ついに地球に近づいてきた!!
 そして、砂漠の種を地球にむけて撃ってきたわ。砂漠の種からは、地球の緑をすべて枯らしてしまう怪物・デザートデビルが生まれてくるの。
 このままじゃ地球が危ない!つぼみたちは、デザートデビルに勝つためにもっと強くなりたいと思うの。
 むかったのは、プリキュアパレス。ここでプリキュアは最後の試練をうける・・・。
 乗り越えることができれば、プリキュアはすごいパワーアップができる!!
 キュアブロッサムの前に、修行の相手があらわれる。その相手は・・・・キュアブロッサム!!
 え〜〜!自分と戦うの!!?マリン、サンシャイン、ムーンライトそれぞれにの前に“影の自分”が。
 そして、とまどうプリキュア達におそいかかってきた!
 以上公式のあらすじ。

 プリキュア対プリキュアなんて言うから、プリキュア同士でガチンコバトルして、最終的に仲間を信じて云々となりパワーアップとなるオチかと思っていたら、随分と趣の違うお話であった。
 デザートデビルがいきなり落っこちてきて、パワーアップしなくてはならないとなるまでのAパートは随分と唐突な展開でビックリしてしまったが、今回一番言いたかったであろうプリキュアパレスでの試練は興味深く、サブタイにあるようなプリキュア対プリキュアではないんだけど(笑)、自分との対峙という所はおもしろかった。
 この枠のアニメの事だから、「影の自分」とやらが出てきた時点で、過去の自分と戦って勝ち、自分を乗り越えたぜ!イエー!ってな感じだろうと思っていたのだが、戦って勝利を得る事の方ではなく、その自分もひとつの自分であるとして受け入れるというのは意外な展開であった。
 思えば初代「ふたりはプリキュア」は悪いヤツらに変身した女の子が徒手空拳で戦う勧善懲悪モノであったが、このシリーズも7作目ともなると勧善懲悪の中でも随分と向きが変わっていて、長くても同じタイトルが2年しか続かないこのシリーズは、シリーズとしてのワンパターンを回避しようとする努力が窺える。
 今回のお話はS☆Sまであたりなら、戦って勝利を得て乗り越えたとして終わりそうだが、もうこのシリーズは悪いヤツをやっつけるはメインターゲット相手としてもメインとしておらず、メインターゲットが主役たちを見て、「こんな人になりたいなぁ」と思わせるようにしている。ような気がする(笑)。
 まぁメインターゲットの皆さんや制作スタッフがそんな事を考えているかどうかは私が知りようもないが、成長していく主役たちを上手く見せていて、他人を妬む自分、頑だった自分、悲しみに捕われた自分を、今はそうではないけれど、その過去があって今の自分があり、その影も自分を心を形成するひとつでだと受け入れ、ただ目の前の戦いに勝利する事が全てでないことをメッセージとして発進している。
 その中でもやはり歴代唯一の高校生プリキュア、ムーンライトは良いこと言ってくれていて、あなたの決意を鈍らす悲しみという自分は必要ないと言う影の自分に、私は悲しみを背負って生きていく、そしていつかその悲しみを愛で包んで見せるという彼女はとても印象に残った。
 しかし今回でてっきり全員で試練を乗り越え「スーパーシルエット」とやらになるかと思っていたら、ブロッサムが自分を受け入れる話は次回へ引っぱってスーパーシルエットも次回でお披露目のようなのですが、次回の放送日は10/31日。映画の公開日10/30日の後になるんですけどいーんですかね?
 CMで一ヶ月も前にネタバレしていたというのにここまで引っぱってたという事は、映画ではスーパーシルエットにならないのかしら?
 まぁ映画は見にきてくれるメインターゲットの皆さんがライトをつけて、「奇跡」が起こるから別になくてもいいっちゃぁいーんですけどね。
 ともかく今回は、Aパートの唐突具合に難あれど、一番言いたかったであろう「過去の自分を受け入れる」はしっかり印象に残るように作ってある。まぁその分それ以外は割と無いも同然のようであったが(笑)、きっと次回はスーパーシルエットと共に盛り上がりを作ってくれる事だろう。

 さて、毎回恒例の我が愛しのえりかの事ですが、緑を砂漠化してしまうデザートデビルに対し突っ込んで行くブロッサムがぶっ飛ばされると、私の嫁、じゃなかった、「私の親友になにすんのよー!」と同じく突っ込んで行く様が相変わらずでいい(笑)。このふたりはどちらかがやられると気にして即座に無防備になるよね(笑)。それも愛の力さ。
 しかし、いつきが仲間になってからはつぼみがいつきの方に向いているようなシーンがあって、以前のようにえりかとイチャイチャしなくなってしまってさびしい、ってゆーかえりかピンチじゃね?くっそー、つぼみの気持ちをえりかに向けさせるには一体どうしたらいいというのだ。
 脚本の皆さん、なにかふたりにイベントを!核爆級のイベントを用意してやってください!!つーか、えりか回まだぁ?最近えりかがちょい役過ぎてさびしいです。

今週の花言葉とウンコの数
 今回はお悩みカウンセラーしていないので当然どちらもないです。
 しかし、最近はそのお悩みカウンセラーも第1クールと比べるとおざなりな感じがするよなー。
 もっと突っ込んでくれても良いような気がするけど、時期的にプリキュア本編の話を進めないといけないしで難しいところではあるんだけど、大きなお友達としてはむしろ結果の分かりきっている本編よりも日常パートで何やらかしてくれるかの方が気になっているので、上記したえりかとつぼみの核爆級イベントと共にそっちを期待したいのだが、大きなお友達の意見は参考にされないからなー。

第38話 プリキュア、スーパーシルエットに変身ですっ!!

あのでっかい人は誰なの?

 そんな今回のお話は…
 砂漠の種は、すごいスピードで地球にむかっている。ブロッサムを信じて待つマリンたち。
 砂漠の種がドーンと落ちてきた!そして、種から生まれたのは巨大なデザートデビル!デザートデビルは、ハートキャッチミラージュを狙っているわ。
 プリキュアフォルテウェーブ!プリキュア・フローラルパワー・フォルテッシモ!!マリンたちは、3人同時に攻撃!!でも、全ての技がはねのけられてしまう。
 4人そろわないと、デザートデビルに歯がたたない!ブロッサムは、戻ってくるの・・・?
 自分の影と戦いならが、マリンたちの苦戦を見ているブロッサム。早くみんなのところへ戻りたい!ブロッサムは戦いながら、ふと大事なことに気がつくの。そして…。
 プリキュア4人がミラージュの前に並んだとき、新たな奇跡が起こる!!
 以上公式のあらすじ。

 お話はサブタイ通り「スーパーシルエット」のお披露目である。と言っても映画の方が一日先行していたりするのだが。
 前回ただ一人試練から抜け出さなかったブロッサムを待つ間にデザートデビルがやってきて、三人で戦っている間にブロッサムは……な内容。無論良い所で彼女がやってきて、最後はみんなの力を合わせ、スーパーシルエットになり、大技「ハートキャッチオーケストラ」をぶちかます。
 そんな展開は熱いのだが、どうも今ひとつ熱さが足りない気がするのはオレだけだろうか。
 ブロッサムが試練を続ける中、やってきたデザートデビルに三人で立ち向かい、劣勢に立たされるマリンたちから遅れてやって来るブロッサムが合流して、「HEART GOES ON」がバックでかかる中、四人が技を連発していく様は確かに熱いのだが、私が思うにどうもピンチ感が足りない。
 そもそも、試練というのも前回に「過去の自分と戦うのではなく受け入れる」を見せているので、長居を尺を取って見せていたブロッサムの試練「引っ込み思案でシャイな自分は、もういらないの?」は最初っから答えが出ているのも同然で、それをブロッサムがどう乗り切るかという所で盛り上がれない。
 その試練の中で、デザートデビルと対するマリンたちをカットインしていくのだけど、一人足りない中で強大な敵との戦闘は、全員揃って初めて本当の力云々というある意味伝統の展開なんだから、ブロッサムがいない状態でプリキュアパレスを守りながらという難しい戦闘をこなすマリンたちは、もっとジリ貧に追い込まれていく様子や、激しくやられながらもブロッサムが来ることを信じて劣勢の戦況を諦めずに向っていく姿を見せるなど、見ている側が「ブロッサム早く来い!」と思わせるピンチ感を演出して欲しかった。
 そういうのがあれば、遅れてやってきたブロッサムが、いきなりピンクフォルテウェイヴをぶっ放して登場する所や、そこからのフォルテウェイヴ連発からのフォルテッシモ、さらにはスーパーシルエットからのオーケストラでの大逆転でもっと熱く盛り上がったのではないかと思うと残念ではある。
 だが、最初はブロッサムの試練をメインで見せてカットインしていくマリンたちから、それがだんだん逆になって、最後はブロッサムが同試練を乗り切ったかを一番最後に持ってくる辺りの入れ替えの演出はなかなか良くて、試練とデザートデビルというふたつの流れを大きなひとつの流れとして、その入れ替えがアクセントを生んでいて見ていて気持ちが高まる。それだけにもっと熱さが欲しかった所だ。

 さて、一ヶ月前からCMで振りに振ったスーパーシルエットとハートキャッチオーケストラだが、さすが販促玩具、このシーンは結構な唐突感であった(笑)。
 まぁそこは仕方ないと言えば仕方なく、スポンサーあってのTVシリーズ、おもちゃが売れてなんぼであるのでいいのだけど、冒頭に書いたが、ハートキャッチオーケストラでのあのでっかい人は誰なんですかね?
 なんかパッと見、ピンク髪のムーンライトに見えて「なんでムーンライト?」などと最初に思ってしまったため、どうせなら四人とは全く違う造形にすれば良いと思うのだがな。
 そんなことを思いつつこの回を見た後に映画を観に行ったのだが、どうもこのでっかい人、ハートキャッチ宇宙の初代プリキュア「キュアアンジェ」っぽい。でも劇中のキュアアンジェ金髪だったじゃん!もう誰なんだよ!気になっちゃうよ!まぁ歴代プリキュアのイメージなのかもしれんが。
 まぁそれはともかく、オーケストラはそのデザートデビルよりでっかい人が拳で思いっきり叩き潰すという豪快な技で、それで浄化もなにもないだろなどと思うのだが、何故か映画ではちょっと違っていて、映画の方はその大きな手で包み込んで浄化していた。どうせならこっちの方を使っていった方がそれらしいのではないだろうか。
 
 では毎回恒例、我が愛しのえりかのことですが、マリンインパクト放って油断していたらおでこにレーザー当てられておでこがこげておった(笑)。さすがの三枚目特権、おいしい所を持っていきますな。
 さらにはムーンライトとフォルテッシモするサンシャインを見て「いいなー。ムーンライトとフォルテッシモ」と羨ましがっていたり、その後、ブロッサムに「私たちも!」と促され、目を輝かせて「フォルテッシモ、する?!」嬉しそうに言うのが良い。
 マリンはそんな子供っぽい所が他の三人の優等生と違って可愛らしいのだが、えりかはその子供っぽさ故、たまにシリアスなシーンをぶち壊す台詞を吐くんだよな(笑)。
 今回で言えば、ムーンライトがブロッサムが試練を乗り越えられなかったらどうなるかとおばあちゃんに聞いた後、せっかくおばあちゃんの良い長台詞に、ピンチのブロッサムがカットインされるシリアスなシーンだったのに、見事にそれを子供っぽい台詞と共にぶち壊してくれる(笑)。
 ここまででだいぶ成長して空気が読めるようになってきたえりかだが、こんな所でその本来のウザ可愛いキャラを出さなくてもいいだろうよ(笑)。まぁ前回そんな自分も受け入れたんだからこれで良いのかもしれんが。

今週の花言葉とウンコの数
 今回ももちろん無いわけで、その代わりではないが、次回は待望の「えりか回」ですよ!もう予告からしてちょ〜楽しそうなんですが!ががが!「アイツに狙われたらもうお終いだぁー!」とかもう最高(笑)。
 しかもどうやらマリンタクト無くすみたいだし、最強の敵(笑)ボスナッキーがマリンタクト振ってるしで、もうワクワクが止まらないよ!!って次週はお休み!?な、なんだってー!!
 2週間もこのワクワクをどう抑えろっていうんだーっ!!!


 あ、言い忘れ。「またみてね」が変わって「ハートキャッチミラージュに映るスーパーシルエットの4人」になりました。


第39話 えりかピンチ!マリンタクトが奪われました!!

えりか回と思ったらコフレ回であった。がしかし、おもしろくはあった。
でも前回の予告は煽りすぎだよなー。

 そんな今回のお話は…
 マリンタクトは、キュアマリンが砂漠の使徒とたちむかうために使うとっても大事なアイテム。
 それなのに、えりかは、お部屋のおそうじに使おうとしたり、顔のマッサージをしたり。さいごは、タクトをほうりっぱなしにして寝ちゃうの!
 そんなえりかにおこったコフレは、タクトを持って家をとびだしちゃったわ!
 とびだしたコフレは、公園で出会った保育園児のるみたちに、マリンタクトを貸してあげたの。そうしたら、プリキュアごっこがはじまっちゃった!
 ところが砂漠の使徒スナッキーたちが、急に現れてマリンタクトをとられちゃった!!なんとか取り返そうと、コフレは必死でタクトにぶらさがるけど…。
 そんなとき、えりかが助けに来てくれた!マリンに変身して、スナッキーたちを次々倒していくけど、スナッキーたちはすごくたくさんいて、どんどん向かってくるの!
 タクトがないと、技が使えない!マリンのパートナー、コフレとも、息が合わない!!マリン、大ピンチ!!!
 以上公式のあらすじ。

 あらすじは何となく今回のお話と感じが違って、マリンが特に大ピンチに陥るわけではない。
 お話としては、優等生の三人とは違ってそうではないズボラなえりかに怒ってしまったコフレを中心に、なんだかんだでえりかはコフレを大切に思っていることをコミカルに描いていて見ていてなかなかどうして楽しかった。さすが成田良美。
 まぁそもそも、プリキュア4人の内、3人も超が付くような優等生の中、ずぼらなえりかが起こす騒動はいいアクセントになっていて良い。他の奴らはいい子ちゃん過ぎて見ていて「なんじゃい」と同じくずぼらな自分としては思うし、やはりそんなえりかは見ていて楽しい。
 残念なのは、そんなえりか中心の話ではなく、パートナーであるコフレが話を動かしていた事で、個人的にはもっとえりかが見たかった所ではあるが、話の流れとしては、途中えりかが出てこない所に意味がある。
 基本的にコフレの主観をずっと見せておいて、結局の所の家出したコフレをえりかが必死に探していたんだよ、という我々大きなお友達としては予定調和過ぎるオチではあるが、子供向けとしては良いだろう。そんな感じで終わると見せかけて、「らしい」二段オチがあるのは、「なんだ。結局こんな子供っぽい話か」と思わせておいた後の外しとして気が利いているのもいい。
 残念と言えば、前回予告で「最強の敵」だとか「アイツに狙われたらお終いだー!」とか言っていたボスナッキーは、その単語すら出てこず、一人一回り大きいボスナッキーらしきスナッキーが中心となってはいたものの、予告で期待されたほどの活躍が無かった事だ。
 とはいえ、今回は大幹部であるサソリーナたちが出撃せず、スナッキーたちだけで行われた戦闘はいつも以上にコミカルで、下っ端戦闘員である彼らが故のダメっぽさがおもしろく、ゲストキャラでメインターゲットと同年代である「るみ」と「はるか」を人質に取るなど、子供向けの着ぐるみショーみたいでコミカルで見ていて楽しい。正直、戦闘していたというイメージが無いくらいだ(笑)。

 個人的な所としては、「るみ」と「はるか」だろうか。
 劇中プリキュア関係者以外で妖精の存在を知っている彼女たちであるが、そんな彼女らがコフレと一緒に遊んで、貸してもらったマリンタクトでプリキュアごっこして遊んでいる様を見ると、劇中世界でプリキュアは希望ヶ花市のご当地スーパーヒロインという感じがして、なんか一気にほのぼのするな(笑)。
 このハートキャッチプリキュア!は毎回のゲストキャラが使い捨てになっていないイメージがあってなかなか好印象であると共に、これならばプリキュアという存在が劇中で知られているのであらば、これまで活かされてこなかった「一般人に知られているプリキュア」を最後に上手く使ってくれるのではないかと期待してしまう。というか、そうなって欲しい。
 じゃないと、あんまり知られている意味がないんじゃないかと思うんですよ。どうかウマいこと使っていただきたい。

 さて、毎回恒例の我が愛しのえりかの事ですが、上記したように他の優等生三人と比べ、そうでない所が実に可愛らしい。えりかがいなかったらこのハートキャッチプリキュア!も随分と真面目過ぎて面白味の無い話になっていたんじゃないかと思うよ。
 いつきとゆりが加わって、三枚目っぷりも板についてきた彼女だが、それ故に真面目な台詞を言う時の温度差が気になってしまうな。
 まぁ、この番組枠的にそういう台詞を吐かなくてはいけないのであろうが、どうせならもちっとらしくても良いような気がします。
 しかし、もう残り話数的に「えりか回」は無いのかなぁ。まぁ今回もえりか回と言えなくはないけれど、もっと彼女の魅力がふんだんに発揮されるお話を楽しみたいなぁ。

今週の花言葉とウンコの数
 今回もお悩みカウンセラーしていないので当然無い。しかし次回は「さよならサソリーナ…砂漠にも咲くこころの花です!!」と銘打ってあり、サソリーナがお亡くなりになるかも?
 おお、そうなったとしたらなんかものすごく寂しいんですけど、砂漠
の使徒の紅一点、そう簡単に消されるわけが……と思ったらキュアバーローことダークプリキュアさんがいるではないか!
 これはマジでお亡くなりになってしまうというのだろうか。期待せざるを得ないのだが、ここんところザブタイに偽りありな話が多いからなー。


第40話 さよならサソリーナ…砂漠にも咲くこころの花です!!

ああ、おしいなぁ。

 そんな今回のお話は…
 プリキュアにいつもやっつけられちゃっているサソリーナ。
 プリキュアの聖なる光をあびすぎて、邪悪な力が弱くなってしまっている! クモジャキーとコブラージャに心配されたサソリーナは、 プライドをかけて最後の戦いに挑もうとしていた!
 サソリーナがねらったのは、しょんぼりしている生徒会副会長の佐藤くん。 佐藤くんのこころの花と学校で巨大な校舎デザトリアンが生まれちゃった!
 こんな大きなデザトリアンみたことない! 学園で大暴れする校舎デザトリアンをつぼみたちはプリキュアに変身して止めようとするの。
 けど、今日のサソリーナはいつもと違う…。サソリーナは、邪悪な力がやどるダークブレスレットを取り出したわ。…なんと3つも!!
 デザトリアンと合体したサソリーナは3つのダークブレスレットの力でプリキュアたちにおそいかかる…!プリキュア大ピンチ!!
 以上公式のあらすじ。

 お話はサブタイ通りサソリーナ退場の話で、あらすじにある佐藤君云々はかなりどーでもいーし、プリキュアたちも指してどうこうない。
 だがサソリーナという所ではなかなか良く出来ており、彼女が退場する過程を良く描いていると思う。
 あらすじにあるようにプリキュアの聖なる光を浴び過ぎて云々は、今回序盤で大きく美しい月を眺めて物思いに耽ったり、自分の胸に何か熱いものを感じたりする様子で分かるが、私がおもしろいと思うのは、クモジャキーとコブラージャが彼女の胸を見るカットがある事だ。
 描写はなかったが、おそらくそれはサソリーナのこことの花を見たのであろう。もうこの時点で彼女の心の花はきっと咲く寸前だったのではなかろうか。
 それを知って彼らはサバーク博士にサソリ名を大幹部から下ろすように提案するし、それに気付いた彼女が出撃する際には自分達のダークブレスレットを渡すし、サソリーナの最後を見届ける。これがお話の最後にかかってくるのが良い。
 プリキュアに敗れ消えるサソリーナはその身を心の花に変え飛び去ってしまう。今回のラストでつぼみが言うように、大幹部たち砂漠の使徒にも心があるのだ。
 サソリーナはプリキュアに浄化され、心の花を咲かし本人の元へと返って行った。山の中の診療所で眠っていた本人は浄化された心の花が戻り目を覚まし、傍らに近寄ってきた小鳥に微笑みかける。
 このサソリーナ本人の素性は一切語られる事はなく、見て分かる事は山の中の診療所で病気養生中であったろうということだけだが、彼女の心の花「カタクリの花」の花言葉「嫉妬・寂しさに耐える」から、サソリーナになったであろう経緯が読み取れる。
 病気でベットから動けない自分と違い、健康な人が外で自由にしている事に嫉妬した事だろうし、山の中にある診療所では来訪者も多くはなかっただろう。そんな寂しかった彼女は心の花は枯れその寸隙を突かれたのだ。
 しかし、心の花が元気になって返ってきた事で、彼女はその心の隙間を埋めて病気と戦い、やがては健康を取り戻して明るい人生を歩んで行くであろう事を想像させてくれる。
 残念なのは、それはわたしが「そうなのであろう」と深読みしただけの事で、どうせ砂漠の使徒の大幹部たちメインのお話であるならば、彼女の事はもうちょっと触れても良かったんじゃないだろうかと思う。
 だが、これまで幹部の退場は、プリキュアが新しく得た力で消し去ってしまうのが常で、私にはそれが相手の都合も考えずに自分達の設定した正義を振りかざし、問答無用で消し去ってしまうように見えてあまり好きではなかったのだけれど、このハートキャッチプリキュア!では上記したように、その果てに幹部が救われた事が何より嬉しかった。
 プリキュアの使命は悪いヤツを滅ぼす事ではなく、大切な何かを守り助ける事なのだ。今回は佐藤君のどーでもいー話も同時進行したり、戦闘もモッサリであったが、サソリーナが最終的に救われた事はとても良かったんじゃないかと思います。

 そんなサソリーナ関連はとても良かったのだけど、その他があまりよろしくない。
 まず最初にラストの事であるが、せっかく「砂漠の使徒にも心がある」というところでブロッサムに驚いた顔をさせておいて、事後につぼみに同台詞を言わせておき、「でもクモジャキーとコブラージャ、きっともっと手強いよね」「でも私たちは負けません!」はないだろう。それでは「クモジャキーとコブラージャはぶっ飛ばすぜ!」と言っているようではないか。
 砂漠の使徒にも心がある、その砂漠の使徒の心を救ったという話なんだから、「彼らの心もきっと浄化できるはず」みたいな台詞を吐いてくれてもいいのではないだろうか。
 それから上記しましたが、佐藤君の話はかなりどーでもいーし、それならサソリーナの方にもっと尺を使って欲しかった所ではある。さらに言えば、サソリーナ自体がなんだったのかがよく分からない。
 心の花が最後に出たのだから、サソリーナという存在はデザトリアンだったということなんだろうか。それであるならば、心の種は佐藤君とサソリーナのふたつ分出ないとおかしいがひとつしか出ていないのも気になってしまう。
 その辺がもうちょっとしっかりしていればもっと良い話だったろうなぁと思うので冒頭の言葉が出てきたのでした。

 さて、今週の我が愛しのえりかの事ですが、サソリーナ回なので全くコレといった所がなかったな。
 まぁ前回がえりか回とも言えなくない話だったので、またしばらく我慢の日々が続きそうだ。

今週の花言葉とウンコの数
 今回のお花は「カタクリの花」花言葉は「嫉妬・寂しさに耐える」でした。
 ウンコの数はアバンで一体やっつけているのでふたつ増えて合計33個です。が、上記したように本来ならば最後はふたつ出て然るべきなんですが、その辺どーなっているんですかねぇ。
 そもそも、心の種の色はサソリーナのイメージカラーの黄色だった事を考えると、あの心の種はサソリーナの物だったのかもしれないなぁ。ってあれ?すると佐藤君のは出てないって事に?
 次回は「妖精が変身!?プリキュア劇団はじめました!!」ということで幼稚園が舞台で志久るみちゃんとはるかちゃんも出演するようだしなんだか楽しそう。
 このハートキャッチプリキュア!も残りあと9回……。最後まで楽しみたい。


第41話 妖精が変身!?プリキュア劇団はじめました!!

久々のお悩みカウンセラー。

 そんな今回のお話は…
 つぼみたちが、シプレ・コフレ・ポプリと一緒に、保育園でプリキュアの人形げきをすることになったの!
 人形のフリをしたシプレたちはプリキュアになりきって大かつやく!園児たちはとっても大喜びで、人形げきは大成功!
 人形げきの時にはおとなしかった園児たち。 実は、保育園のノリコ先生の前では、やんちゃで甘えてばかりなの。
 ノリコ先生も園児たちにいつも振り回されてばかりで困っていたわ。そんなノリコ先生がクモジャキーに狙われた!
 ノリコ先生のこころの花と怪じゅう人形でデザトリアンが生まれ、保育園で大暴れ! 「ノリコ先生どこ〜!!」と泣きさけびながら、デザトリアンにおびえる園児たち。
 つぼみたちはプリキュアに変身!プリキュアたちがデザトリアンにたちむかっていると、泣いていた園児たちが飛び出してきて、デザトリアンに向かって大声でさけびだしたの!
 「せんせいをかえして〜!!」
 するとみんなの声がノリコ先生のこころに届いたのか、大暴れしていたデザトリアンの動きが一瞬、止まったの…。
 このままデザトリアンはノリコ先生にもどるのか…?
 以上公式のあらすじ。

 サブタイに偽りありで、妖精が変身する事もプリキュアが劇団を作る事もありませんで、お話は冒頭書いたように久々のお悩みカウンセリングな話。個人的にはこの初期の頃の流れのような話は好きだなぁ。
 内容としては、子供が大好きなためにキツくしかったり躾けたりできないノリコ先生が、子供達を(脅して)言う事を聞かせるゆりを見て、自分ももっと先生らしくならなければと、本来子供達に慕われている自分を見失って……という話。
 おっとりしているノリコ先生が、先に他の先生に「もっと先生らしく」と注意された事もあり、大人の狡猾さで子供に言う事を聞かせるゆりを見て、もっと先生らしくあらねば」と無理をしてしまうAパートを見せておいて、戦闘でデザトリアン化した先生に説教かますプリキュアらしい話であり、Aパートの問題提起にBパートのお悩み解決とハートキャッチのプリキュアが通常時にやるべき事をやっていて気持ちよく見れた。
 全体的に見ると、つぼみたちはプリキュアとなって戦闘する以外の所で特に良い所はなく、いつもの「お悩みカウンセラー」ではあるものの、今回のターゲットであるノリコ先生の心情と悩みを中心に、ひとつの話として上手くまとめてあり感心した。
 上記したようにメインとしてはつぼみたちプリキュアではなく、むしろノリコ先生と子供達であるが、ノリコ先生の心情や子供達の気持ちがよく分かるようになっていて、最後の大団円は分かってはいるものの見ていて気持ちがよいのであった。
 ノリコ先生の心情という所では、お昼ごはんのシーンでノリコ先生が子供達の世話で、バケツに水を入れっぱなしにするシーンが印象的で、彼女の子供達が好きという気持ちと、先生らしく言う事を聞かせないとという気持ちの板挟みに、溜まっていくフラストレーションと同じくバケツの水があふれこぼれてしまう様子が、彼女の心の内を表していて良い。
 印象的と言えば、戦闘でデザトリアンに子供達が「せんせいをかえして〜!!」と詰め寄りポカポカするシーンで、Aパートで無理にしかって子供達に総スカンをくったノリコ先生が、子供達の本当の気持ちに触れ、デザトリアンがぐったりしてしまうのだがこれがいい。デザトリアンは枯れた心の花の具現化した物であって、これまでのシリーズのようにただ破壊を繰り返す化物ではないのだ。
 プリキュアの説法やキーとなる者達によって、デザトリアン化した者の心を浄化へ導く一助になっていて、悩みを周りの者たちと一緒になって解決し、心を成長させてやがて花を咲かせようじゃないか、というテーマに上手く沿っているんじゃないでしょうか。
 最後はノリコ先生が「子供達が大好きなそのままの自分でいいんだ」と、すでに培われていた子供達との信頼を認識し、悩みの解決と共にノリコ先生がさらに大きな愛をもって子供達を迎え入れ、全て丸く収まって綺麗に終わっているのがなんとも気持ちがいい。
 まぁ「プリキュア」として、話に彼女らが大きく関わることがないのだが、でも彼女らがいないと成り立たないことでもあり、プリキュアがその強大な力で「よいしょ」と折り畳まずに、プリキュアたちがすることは、あくまで一助であるさりげなさが良く出来ている。
 お話として派手さなかったし割とベタな展開ではあったが、結構いい話だったと思います。

 プリキュアと言えば戦闘。というのは一昔前の話になってしまいましたが、今回はハートキャッチプリキュア!としては結構良い戦闘で、保育園から離れてからはなかなか良い動きをしていた。
 個人的にはプリキュアよりもデザトリアンの方が見ていておもしろく、ゆらりと動いてその身体の大きさを表していたり、もうスピートで突っ込んできた時のスピード感や構図であったり、マリンダイブでの見事なやられポーズや口から風を出す際のパースの聞いた構図など、おもしろい絵をしておりました。
 またプリキュアの方も、素早いながらもどう動いているかが分かる一連の動きがカッコよく、やっぱアニメーションは動いてなんぼだと思っては居ますが、早く動いていても、どう動いたのかが分からないアニメもあるからなぁ。
 「こういうふうに素早く動きました」がちゃんと分かるってのは素晴らしい事です。

 さて、毎回恒例の我が愛しのえりかの事ですが、人形劇でのノリノリっぷりはらしくて良いですな。しかし自分としましては、気になったのはむしろお昼寝のシーンです。
 壁にもたれて座り寄り添って寝るつぼみといつき、のそばで大の字(?)寝てる場合じゃねーだろ!つぼみはいつきの肩に頭を乗せて気持ち良さそうな顔で寝てるんだぞ!
 えりかとしてはそこはなんとしても阻止、もしくは自分がつぼみと寄り添って寝ないとダメだろ!百合的に!!
 こんなんだから「えりか×ゆりでいんじゃね?」とか言われちゃうんだよ!第1話でつぼみに一目惚れしたお前はどこへ行ったと言うんだ、えりかよ……。
 お前はこんな所で終わらないって、私、信じてる!(ブッキーふうに)

今週の花言葉とウンコの数
 今回のお花は「紅花」、花言葉は「包容力」。ウンコの数は合計34個です。
 書き忘れてましたけど、ここん所出番のなかったダークプリキュアさんは、なんかカプセルみたいのに入って調整中でしたね。
 どうもパワーアップをしているようで、今度出てきた時の戦闘が楽しみですなぁ。ってその時はもうクライマックスだったりするんですかねぇ。


第42話 とまどいのゆりさん!ラブレター見ちゃいました…

なんだろう、このゆり賛美的な話は。

 そんな今回のお話は…
 つぼみたちは、植物園の前でハートのシールがはられた手紙を拾ったの。これって、もしかしてラブレター!?
 でも、封筒には何も書かれていなくて、ダレがダレに送った手紙かわからない!
 中身がとっても気になるけど、誰のものか分からない手紙を勝手に読んじゃダメ…それなのに、ポプリが手紙をあけちゃったの!
 手紙には、「昔から、ずっとあなたのことが好きでした…」と。
 やっぱりラブレターだったことが分かったつぼみたちは、「私へのラブレターかも…」とドキドキ!
 すると、つぼみたちは、草むらで何かをさがしている男の子を見つけたの。その男の子がラブレターを書いた人、ゆりの年下の幼なじみ、ハヤト君。
 「ゆり姉ちゃんの笑顔をまもりたい」 ハヤト君がラブレターをおくりたい相手は、ゆりだったの。
 つぼみたちは、ゆりにラブレターを渡せるようにハヤト君をお手伝いすることに!
 つぼみたちの作戦で、ゆりとハヤト君は公園で2人っきりに。
 でも、ハヤト君の気持ちを知らないゆりは、むかし遊んだころの話をしながら、 ハヤト君が自分の弟のようだったと言ってしまうの。
 ハヤト君はその言葉に深く傷ついてしまったわ…。そんなハヤト君がコブラージャにねらわれた!。
 ハヤト君のこころの花と手紙がラブレターデザトリアンになり、大暴れ!プリキュアたちがすぐにかけつけ、デザトリアンに立ち向かう!
 でも、デザトリアンの「弟なんかいやだー!」というさけびに、 ムーンライトはとまどってしまう…。
 ハヤト君の気持ちにムーンライトはどうする…?!
 以上公式のあらすじ。

 う〜ん。お話として特に面白味もなく、戦闘もモッサリでいい所無しなお話であった。もうそんなにゆりを押さなくても良いと思うがどうか。
 ラブレターの件も、うまくいってはいかんだろう条例的に、というハヤトの年齢であるし、そもそもプリキュアが特定の男とあからさまにくっつくわけがないので、話の展開としても思う所がないな。
 どうせなら恋話でゆり以外の三人がハヤトの恋の成就のためにすったもんだするのなら、ドタバタ劇でも良かったような気がします。その方がハートキャッチプリキュア!らしいと思う。
 そんなかなりどーでもいー話ではあったが、唯一興味を引いたのは、コブラージャに何故戦うかを問うて、美しさを追求する彼が、人の心はすぐに嫉妬や憎しみに染まり美しさの欠片もなく、そんな心が無くなった砂漠の使徒が支配した世界こそが美しいのだ、との言葉に「美しい物を美しいと感じるのは、あなたがいらないと言った心です!」と返した事だろう。
 随分前の話になるが、彼が花束をもって歩き、この美しい花束が似合う自分を見せびらかすというのがあったのだけど、その時に花束を美しいと思うのは心じゃないのか?などと思たのだけど、まぁそれはそれとしても、サソリーナが浄化し砂漠の使徒にも心があると分かって、大幹部たちを浄化しにかかってきているわけですよ。
 そこで、ハートキャッチオーケストラぶっ放して強引に浄化ではなく、上記したような矛盾をついて、サソリーナのように少しずつ聖なる光を浴びせ、ゆくゆくは浄化される事だろう。クモジャキーもきっと、彼の「心があるから弱くなる」みたいな論法を、「強くあろうと思う気持ちも心だ」とか言うのではないだろうか。
 そこから考えてサバークやデューンもそのように説得から浄化へ持っていくのではなかろうか。大概このシリーズは巨悪を正義の論法で問答無用でぶっ飛ばすのが常だが、そうでなかったプリキュア5のように、ただプリキュアがその強大な力で相手を叩き潰して終わるような事がないように願いたい。

 個人的に気になった点としてはキュアバーローことダークプリキュアである。
 何故オッドアイを消した!?良い特徴だったのになぁ。まぁハートキャッチオーケストラで簡単にやってしまえるようではいかんのでパワーアップさせたのだと思うが、ダークプリキュアのビジュアル的なポイントは片目を閉じていて、開けばオッドアイ、そして強大な力の解放というのがおもしろいのになぁ。
 今度からはいつも両目を閉じているつもりなんだろうかねぇ。

 さて、毎週恒例の我が愛しのえりかの事ですが、お話と同じでもうちょっとはじけてしまっても良かったように思いますな。
 しかしラブレターの件で誰宛なのかという所で、つぼみでもいつきでもないとし、「これ、とうとう来ちゃったかな。アタシの時代が」と真面目な顔で言うという、大方の予想通りの事をし、見事にスルーされる三枚目っぷりはステキだし、差出人のハヤトに「もしかして君の好きな人ってアタシ?」などと言ってしまう自意識過剰気味なのもステキだな(笑)。
 まぁそういうことを臆面もなく言ってしまう所を見ると、えりかは結構自分に自信を持っているんだなぁ。そういう謙遜の欠片もない(笑)ところが子供っぽくて可愛い。

今週の花言葉とウンコの数
 今回のお花は「さくらんぼ」花言葉は「小さな恋人」ウンコの数は合計で35個です。
 次回はつぼみのお母さんがご懐妊のご様子。日常パートとしては異例の展開だな。さて、どーなりますかね。


第43話 あたらしい家族!私、お姉さんになります!!

むしろお父さんが素晴らしい。

 そんな今回のお話は…
 花咲家にビッグニュース!! つぼみのお母さんに、赤ちゃんができたの!!
 お姉ちゃんになるつぼみは、病院にいるお母さんのかわりに、お花屋さんのお手伝いをすると、大張り切り!
 その話をきいた、えりか、いつき、ゆりもお花屋さんのお手伝いをしにきてくれたの!みんなエプロン姿で、気合じゅうぶん!
 そこへ、6歳の女の子・カスミちゃんと、そのおばあちゃんが、ブーケをつくりにきたわ。カスミちゃん、そのブーケをパパとママに、プレゼントするみたい。
 でも、カスミちゃん、なんだかさみしそう…。どうしてかしら…?
 次の日、つぼみとつぼみのお父さんは、カスミちゃんに、なぜさみしそうにしていたのか聞いたの。
 するとカスミちゃんは、「パパもママも仕事ばかりで、遊んでくれないし…。」「妹ばかりかわいがって、わたしのことなんてわすれちゃってるんだ…。」 と話してくれたわ。
 そんなカスミちゃんのこころの花が、クモジャキーによってデザトリアンに!
 つぼみは、プリキュアに変身! ブロッサムは、デザトリアンになったカスミちゃんにといかけるの。
 「カスミちゃんだって妹が生まれるのを楽しみに待っていたはずです!」「カスミちゃんも本当は妹さんが大好きなんですよね」
 デザトリアンになったカスミちゃんの心がゆれうごく…そこに、マリン、サンシャイン、ムーンライトも現れ…プリキュアたちは、カスミちゃんを救うことができるの!?
 以上公式のあらすじ。

 お話としてはつぼみの母・瑞希さんご懐妊がみめいんなのか、カスミへのお悩みカウンセラーがメインなのかよく分からんどっちつかずの印象。個人的にはつぼみがお姉ちゃんになるという話で終始して欲しかった。
 カスミの悩みも戦闘を経ないと解決できない事でもなかったし、事後もカスミが突然変わったように見えるのも残念。どう心境が変化したかを見せるのが大事だろう。
 と、いうわけで、お悩みカウンセラー部分はかなりどうでも良かったが、Aパートでのことはなかなか興味深く見た。
 何が良いって、つぼみが家族に愛されていることがよく分かる事だろう。
 実家に帰った母に替わり、朝食を作るも失敗してショボーンとなっているつぼみに対しての父・陽一素晴らしく、こげてしまった目玉焼きを「ちょいこげの方が好きなんだ」といい、水が多くて柔らかくなってしまったご飯を「今日は柔らかいのが食べたかった」と言って喰らい、煮立ててしまった味噌汁も飲み干して「美味い!」と言う。  そんな父の思いやりにつぼみがどう思ったかは、劇中の彼女の表情を見れば分かるだろう。まさにこの親あってこの子あり。つぼみ元来の他人を思いやる気持ちはここからきているんだなぁと思わせてくれる。
 もうちょっと突っ込んでみると、第9話で語られた花咲家引っ越しの経緯を考えると、それまでつぼみに寂しい思いをさせてしまった父が、もうそんな思いを絶対にさせまいと、いつもそのようにつぼみに接しているのだろう事が窺えるし、ブーケの件で母に電話するシーンでも、電話を切った後の「つぼみがんばれ!」を見ると、母はつぼみが自分のかわりと生き生きとやろうとしている事がこの上なく嬉しいのだろう。
 そもそもこの夫婦は、つぼみのために研究者の道と大手企業をあっさり辞めてしまえる人達である。それだけ彼らはつぼみを想い愛しているし、つぼみは彼らの愛を一身に受けてプリキュアになれるくらいの心を持つ人間に育った事を考えると、こんな人非人な私でも「家族、素晴らしいな」などと思うのでありました。
 もひとつ印象的なシーンがあるのですが、それは以下のコーナーに託す。

 というわけで毎回恒例の我が愛しのえりかの事ですが、つぼみ以外は指していい所のなかった今回ですが、えりか好きとしてとてもいいシーンがあった。
 「お花屋さんの仕事ってけっこう重労働だね」とのえりかに、つぼみが「みんながお花で喜んだり、笑顔になるのが嬉しいんです」と答え作業している彼女を、えりかが優しい微笑みでじっと見つめるんですよ!
 くぅ〜!好きなんだね!好きなんだね!!えりかはそんなつぼみが大好きなんだね!!!上記台詞を宣って、せっせとお花の世話をするつぼみにえりかは胸がきゅんきゅんきているんだよね!!!!
 そのえりかがつぼみを見つめている無言の数秒間がたまらない。きっとその間、えりかはなにも考えていない。草花を愛しそれを愛する人を愛す、そんなつぼみをただ見つめている。ただそれだけでえりかの小さな胸は幸福感でいっぱいだった事だろう。そして見つめるえりかに気付いたつぼみはえりかを見つめ返し、ふたりで「うふふっ」と笑うのである。
 あぁもう!お前ら結婚しちゃえよ!幸せになっちゃいなよ!と思わずにいられない。今回はこれだけでもうお腹いっぱいだ。ありがとう成田良美!

今週の花言葉とウンコの数
 今回のお花は「鈴蘭」花言葉は「幸福の訪れ」。ウンコの数は合計36個目です。
 次回はクリスマス間近ということで、クリスマス話らしいのだが……な、なんだってーっ!!キュアババアもとい、キュアフラワーが満を持して降臨するだと!?
 こ、これは絶対見逃せないじゃないか!!


第44話 クリスマスの奇跡!キュアフラワーに会えました!!

なにかい?今回デザトリアンになったのは、オレたちだって言いたいのかい?
ああそうでしょうよ!リア充爆発しろ!

 そんな今回のお話は…
 もうすぐクリスマス!植物園のモミの木もキラキラのクリスマスツリーに大変身!

 そんなある日、つぼみは、7歳のまゆかちゃんが同じクラスの子たちに「クリスマスイブの日に、プリキュアに会わせてあげる」と言っているところを見てしまうの。  でもそれは、みんなと仲良くなりたくて、まゆかちゃんが言ってしまったウソ。はずかしがりやで友達がうまく作れないまゆかは、小さいころのつぼみと似てる。つぼみには、まゆかの気持ちがよくわかるの。
 「ウソつきさんにはプリキュアは会いにこないと思います」と、 やさしくまゆかちゃんに話しかけたつぼみ。
 「ウソをつかないって約束すれば、イブの日にプリキュアが会いにきてくれるかな?」 というまゆかちゃんに、つぼみは大きくうなずく。「プリキュアにつたえておきます!」  クリスマスイブの夜。 まゆかとの約束をまもるため、ツリーの近くでスタンバイするつぼみたち。
 そこに、デザトリアンが暴れてるという知らせが…!つぼみは迷いながらも、デザトリアンのもとへ向かうの。早くもどらなくちゃ…!
 ツリーでは、まゆかちゃんと友達がプリキュアを待っていた。でも、プリキュアは、まだ来ていない…。
 そんなとき、デザトリアンが、植物園のクリスマスツリーをたおしにあらわれた!まゆかたちがあぶない!
 その時、聖なる光とともに、プリキュアがあらわれた!!まさか……伝説のプリキュア・キュアフラワー?!!
 以上公式のあらすじ。

 キュアフラワー云々よりも、むしろ人見知りのまゆかの方がおもしろかった。
 子供が誰かの気を引きたくて嘘をつくのは良くあることなのは、子供を持つ親御さんならよく分かるはず。なにより誰しも多少なりとも似たような経験を持つことであろう。
 とまぁ劇中のまゆかを見て、随分と昔に似たような光景を見たり出くわしたりしたことがあったなぁと、懐かしく思ったのと同時に、子供が子供なりにその小さな世界で思い悩んでいることを語っていたと思います。
 同じように人と接することが苦手であったつぼみが、まゆかに幼い自分を重ねて「きっと、みんなの気を引きたくて嘘を言ってしまうんだと思います」と、あっさりとまゆかの思いに結論を出し、「なんでまゆかは嘘をつくのか」が話の中心でなく、そんなまゆかを助けるプリキュアの行動をメインとしていて、クリスマスだからってなんか都合の良いどーでもいーような話ではなく、悩めるハートをキャッチしてプリティにキュアするという、このアニメのメインストリームを貫いているのが好印象であった。
 最後もまゆかが本当はプリキュアとは友達ではなく、会いに来てくれたのではなく、お願いを聞いてくれただけだと告白して嘘をついたことを友達に謝り、友達が自分を友達だと思ってくれていたことに気付かされるという「善いかな善いかな」で終わったのも良かった。まぁ、そう上手くはいかんだろうと思いもしたが、それはオレがよごれた大人になったという事だろう。あぁ、よごれちまったかなしみに。
 個人的なことを申せば、まゆかのためにプリキュアとなって会ってあげるのは良いのか悪いのか。と思う所があって、これはホントに良いのか悪いのか、今ひとつ判断がつかん。
 まぁクリスマスだし、そのくらいのことをしてあげても良いとは思うが、子供の情操教育として、ここで総都合良くしてあげると今後もそんなふうに考えてしまうのではないかとも思ってしまう。
 最後のまゆかはつぼみと「もう嘘はつかない」と約束したこともあって自分の嘘を告白したし、なによりつぼみがプリキュアでありたまたま悩みを聞いてくれた知り得ることのないその幸運を、もう二度とは続かないのだと認識していたからこそであるので、まゆかがそこまで思いが至らなかった場合を考えると、安易にそんな子供の願いを聞いてやるのは、ちょっと思案に欠けるのではないかと思ってしまう。
 しかし、プリキュアに会えずに嘘を告白した所で今回のように丸く収まるとも思えないので、こちらも思案のし所である。話を作るって難しいんだなぁ。常に最大公約数を求めなければいけないんだから。

 さて、今回の見所としてはやはりキュアババァもといキュアフラワーであるのですが、ほんのひと時の変身かと思っていたら、ずっと変身しておりましたな。
 「今はこれが精一杯」としたその力は、悪役幹部二人を手玉に取るほどで、全盛時には一体どれだけの力があったのかと思いますな。
 またそんな全盛時のキュアフラワーが何とか引き分けに持ち込んだという、砂漠の王ことデューンも登場し、次回からクライマックスに突入するようです。
 これまでのシリーズは大概1月に入ってからがクライマックスであったが、そう考えるとちょっと早いですな。
 まぁサバークやダークプリキュアの事もあるし、変に詰め込みすぎになるくらいなら、しっかり尺取ってやってもらった方がこちらとしても望む所である。

 それでは毎回恒例、我が愛しのえりかのことですが、アバンのツリー点灯で異様に一人盛り上がっているのがらしくて可愛らしいですな。
 まゆかの短冊を見つけてつぼみを肩車させちゃう唯我独尊な所もらしくて良いです。
 あとは戦闘でブロッサムとクリスマス限定技、クリスマスインパクトを放ったのも好印象。やっぱプリキュアはお互い手を繋いで力を発揮せにゃいかんよ!やっぱ「ふたり」はプリキュアがいいなぁ、オレは。
 とまぁそれくらいでありましたが、次回からクライマックス突入ということで、日常パートでのえりか回はもう期待できなくなりましたが、1月末まで尺はあるので、戦闘と言う所でのマリン回があることを期待していきたい。

今週の花言葉とウンコの数
 なんかプリキュア好きな独男がデザトリアン化されていた所為なのか、何の花か紹介されなかったし花言葉もなく、ウンコが出る描写もありませんでしたよ。
 プリキュアヲタからは心の種が出ないってことですか?ひどい!ヲタクにだって心はあるんだっ!
 まぁ事後にウンコは出たと考えて、ウンコ合計37個ってことにしておきましょうかね。
 さて、どうやら次回からクライマックスのようで、サバークやダークプリキュアのこと、そしてこの物語をどう締めてくれるのか楽しみです。


第45話 もうダメです…世界が砂漠になりました…

来週休みかよ。

 そんな今回のお話は…
 砂漠の王・デューンがついにあらわれた…!
 むかし、キュアフラワーがハートキャッチミラージュにとじ込めた邪悪な力を取り返しに来たの!
 キュアフラワーを守ろうとするブロッサムたち。だけど、デューンの強さにかなわない…!
 ダークパワーにはじき飛ばされたブロッサムたちは、プリキュアの変身が消えて、もとの姿に戻ってしまうの。その間にデューンは、薫子をつれていなくなってしまったわ。
 デューンは、こころの大樹に薫子をつれてきたの。薫子のペンダントには、なんとデューンの力が閉じ込められていたの!!
 それを知っているデューンは、ペンダントをくだいて、力をよみがえらせた!そして、こころの大樹にデューンの手がふれると…!!
 そのころ、薫子の植物園で目をさましたつぼみたち。でも、シプレたちの言葉を聞いて、おどろいてしまうの。
 「こころの大樹が枯れちゃったでしゅ!」
 外に出ると、町が砂だらけに!!つぼみのお店も、えりかのお店もみんな砂にうまってる…。デューンが、世界中を砂漠にしてしまったんだわ…!!
 いったいこれからどうしたらいいの…?
 以上公式のあらすじ。

 お話はサブタイ・あらすじ通りで、デューンの完全復活、地球の砂漠化、捕われたおばあちゃんの奪還と地球を戻す為に砂漠の使徒の本拠地「惑星城」へ乗り込むといった内容で、基本的に敵のアジトへ乗り込み決着をつける為の前フリみたいなもんである。
 そういった流れの中で目を引いたのは、砂漠化した世界の中で、人々はクリスタル化してしまったのだが、これまでプリキュアが助けた人達はちゃんと胸に希望を持って結晶化せず助かっていたことだ。
 心の大樹が枯れ、本来ならば妖精たちも消え、プリキュアにもなれないはずであるが、プリキュアたちが助けて来た人達が荒廃した世界の中でも希望を捨てないでいたことは、物語的にプリキュアがこれまでしてきたことが、ただのお悩みカウンセラーでなかったとして意味を持つし、物語の構成としても、ピンチからの逆転フラグ、そして次回からの最終決着への布石として、毎回やってきたことを繋げていて良く考えられていると思うし、なにより、つぼみたち以外誰もいなくなってしまったと思われた世界で、これまでキュアしてきた人達が生き残っていたことは、「あぁ、プリキュアがしてきたことが実を結んだなぁ」と思わせ感動的である。
 話の見所としてはそこだけであったので、生き残ったみんなの希望を胸に惑星城へ乗り込むぜ!で終わった今回は次回をとても気にさせる。んだけど、次週は1/2日なのでお休みだそうです。

 さて、上記以外の所で言うとやはり戦闘であろうか、プリキュア5以降、年々アクションが減っていくプリキュアですが、今回はそれでもそれなりの戦闘でありはしましたが、やっぱり初代の戦闘を見てきた身としては、もうちょっとがんばっていただきたい所ではあるのだけど、ハートキャッチプリキュア!としてはそれなりの戦闘をこなしていました。
 個人的には「避けるから反撃する」にもうひと味あればもっとカッコいいのにと思う。
 敵がどう向ってきて、どう避けて、どう反撃するか。アクションの見せ所はそこだろう。その一連の動きの見せ方はやっぱセンスがいるんだろうなぁ。人と尺と動画枚数の都合もあるしな。
 と、今回としましてはそんなもんであるので、以下いつものコーナーへ。

 毎回恒例、我が愛しのえりかのことですが、生き残っていたももか姉に抱きつかれ、「ぐむっ」と涙ぐむのも良かったのですが、個人的には戦闘で、デザートデビルの触手(?)を慌てて避けつつ偶然同士討ちさせてしまって「お?」となる所が、他のプリキュアがカッコよく決めている中で、らしさと異彩を放っていて良い。
 それと気になったのは、惑星城へ行く際に、コッペ様が何故かマリンを掴んで背中に乗せるのである。
 まぁ四人の中で誰がとなるとマリン以外いないのだが、思うにコッペ様的に四人の中で一番心配なのがマリンだったのであろう。つまりは子供の世話をするみたいな感じである(笑)。
 えりかはいつきの兄さつきにも過去3回ほど頭をなでられており、おそらくは彼もえりかを他と比べて子供っぽさを感じているんだろうし、私としても優等生に囲まれた中でのえりかの落ち着きのなさ(笑)を見ると、どうしても子供っぽさを感じるが、だがしかし、そこがえりかのいい所であり他の似たり寄ったりの優等生三人との違いがとアクセントになっておもしろい。
 まぁそう考えると、優等生三人と元気っ娘という個性のバランスは悪いな。当然細かく見ればつぼみ・いつき・ゆりの三人にも個性はあるのだけど、大まかに括ると「優等生」という区分で三人括られてしまう。どうせ四人であるならば、もっと明確に四つの個性に分ける必要があったのではなかろうか。
 右肩下がりになる視聴率への起爆剤として、「新たなプリキュア参戦」がここ数年通例となっているが、このハートキャッチプリキュア!はつぼみとえりかの二人でまわせたんじゃないかと思っていて、サンシャインがでてくる辺りから話の方向性が少し変わったように見受けられる。
 個人的にはサンシャインがでてくるまでの流れの方が好きだったしおもしろかったので、それで一年続けて欲しかったなぁ。まぁ綺麗に百合色に染まった脳を持つ身としては、つぼみとえりかの百合的にもそうであった方が好ましかったというのもありますが(笑)。

今週の花言葉とウンコの数
 当然今回はないので花言葉もなく、ウンコの数も変わりません。
 次回はクモジャキー・コブラージャとの決着のお話のようで、クモジャキー担当は我が愛しのえりかみたいなので、良いアクションとえりかの愛らしさを期待していきたい。
 しかし前述しましたが、次週お休みはつらいなぁ。


第46話 クモジャキー!コブラージャ!あなたたちを忘れません!!

もうちょっとクライマックス感が欲しいな。

 そんな今回のお話は…
 薫子を助けるため、デューンのいる惑星城へやってきたプリキュアたち。
 お城の外では、クモジャキーとコブラージャが待ちかまえていたわ。「ここから先は一歩もすすませんぜよ!」
 早くしないと薫子が危ない…!そんなとき、マリンが前へ進み出る「あたしがサンシャインとここに残る!」
 マリンVSクモジャキー、サンシャインVSコブラージャ2つの戦いが始まった!!
 マリンは強いキックとパンチをくりだすけど、クモジャキーはぜんぜんへっちゃら。「きかんぜよ!」
 クモジャキーはダークブレスレットの巨大なダークパワーで、 マリンを吹き飛ばしてしまうの…。
 マリン大ピンチ!そのとき、コフレが勇気を出してクモジャキーに飛びついた…!
 一方で、サンシャインはコブラージャの攻撃を防ぐので精いっぱい。コブラージャが叫ぶ。「美しく散るがいい!」
 もうダメ…!そう思ったとき、ポプリがコブラージャの前に立ちはだかった…!
 先へ進むブロッサムとムーンライトの前には、ダークプリキュアが!
 「行きなさい!私は決着をつけないといけないの!」 そう言って、ムーンライトはダークとの戦いを引き受けるの。
 みんなを信じて、1人、薫子のもとへ向かうブロッサムとシプレ。
 マリンとコフレは大丈夫なの?!サンシャインとポプリは?!ブロッサムは、薫子を助けだせるの…?!
 以上公式のあらすじ。

 お話はサブタイ通り、マリンとサンシャインが「ここは私たちに任せて先に行け」展開からの幹部ふたりの退場。そしてサバーク博士の正体バレフラグ立てといった感じ。
 冒頭にも書きましたが、幹部ふたりの退場という割には今ひとつ盛り上がりに欠けたように思う。もっとはっとするような台詞や熱くなる展開が欲しかった。
 上記の通り今回のメインはクモジャキーとコブラージャとの戦闘を経て退場させることで、戦闘しながら口上を述べ、幹部ふたりがこだわっている「強さ」と「美しさ」の本当の意味を伝える。
 ここは良くも悪くもあり、プリキュア達が言う言葉に今ひとつ幹部たちの言う主張をひっくり返した感が無く、はっと息をのむような事を言って熱く燃え上がるような展開にして欲しかった。
 ピンチからの逆転という所でも、妖精たちが間に入ってからのプリキュア達の心の風景が出るのも理由がよく分からないし、なによりそこから一撃でダークブレスレットを破壊し、固有技で終わらせてしまうのはもったいない。
 せっかくプリキュアが自分の想いの丈を語り、幹部の主張をやり込めたのだから、ここでもうちょっと格闘しても良かろう。プリキュア達がたくさんの人たちの心を繋がる事でより大きな力を発揮するのだから、そこで思いっきりぶっ飛ばした後に決め技を使って欲しかった。
 もっと欲を言えば、ここでフォルテッシモを使い、スーパーサイヤ人状態で格闘するなりして、総力戦を演出して欲しかったように思う。
 まぁフォルテッシモに関して、は皆さんご承知の通り音楽記号「ff(ごく強く)」から来てるので、ふたりいないと出来ないのかもしれませんが。ちなみにキュアバーローことダークプリキュアはひとりで「f」をふたつ出しますけどね。
 良かった点としては、その最後の一撃前には幹部ふたりがプリキュアの言う事を納得していた点だ。
 それでもそれを認めてしまっては、それまでの自分を否定する事となるので、今更後戻りできないとし向っていって散っていくふたりの悲壮感は良かった。プリキュア達が勝ったというのに、その争いのむなしさに悲しい顔をしているのが印象的であった。
 戦闘という部分では、このハートキャッチプリキュア!としては動いていた方であるのだが、事ここに至りクライマックスとしてはもっとごりごり動いてくれてもいいだろう。  次回以降の展開として、マリンとサンシャインが単独で戦闘という事はないであろうから、ここでふたりの見せ場を作って欲しかったな。

 上記以外ではサバーク博士の正体フラグであるが、もうこれは以前から予想していた通り、彼は行方不明のゆりの父親でまず間違いないだろう。
 問題はなんで砂漠の使徒のサバークになっていたかという事で、まぁそれは次回が詳しいのでここでどうこう言う事ではないが、そこはムーンライト、サバーク、ダークプリキュアの三者に関係する事なのはもちろん、つぼみ達がプリキュアになるきっかけでもあるので、「えぇ〜!?」と思うような下手は打てないはずでかなりの重要ポイントだ。
 そういう事を考えても、この点は最初から決めてあったであろうので、どう収めてくれるのか、またそこからダークプリキュアをどう持っていくかを期待したい。

 さて、毎回恒例我が愛しのえりかの事ですが、サンシャインと違って強さを求めるクモジャキーが相手という事もあって、なかなかいい格闘を見せてくれた。
 そんな戦闘シーンも良かったのだけれど、個人的にはマリンが激しい戦闘を経て髪の毛が乱れていたのが印象的であった。
 いつもはしっかり両脇に垂れている髪の毛からちょろんと出ているのがビジュアル的に新鮮だったのだ。これはこれでおもしろい造形だなぁと思ったのだが、よく考えてみると髪の毛は変身時に伸びているという設定なので、あそこだけちょろんと出ているのは造形的に理屈に合わないな(笑)。
 あぁそれと、割と子供っぽい台詞が多いマリンとしては、いつも雰囲気を壊しちゃうような台詞がちょいちょいあったのだけど、今回はそういうこともなくクモジャキーと論戦してくれたのは良かったが、さすがに「一億万倍」という言葉はこのクライマックスでちょっとないかなと思ってしまいましたよ(笑)。

今週の花言葉とウンコの数  今回のお花は「浜茄子」「のこぎり草」、花言葉は「美しい悲しみ」「闘い」、サソリーナと同じくウンコは出ませんでしたので、ウンコ合計37個のままです。
 次回はサバーク博士の正体がバレるお話のよう。まぁ普通に考えて幹部たちと同じく心の花を取られデザトリアン化しているんだろうなぁ。
 個人的にはそれよりも、ダークプリキュアの去就が気になります。サバークは百合の父親だからいい具合になるんだと思いますが、ダークはなんか悲しい運命になるような気がしてならないなぁ。
 まぁその方が盛り上がるってのがありますが。はてさて。


第47話 嘘だと言ってください!サバーク博士の正体!!

ダークプリキュアは救わないといけないんじゃないのか?

 そんな今回のお話は…
 キュアムーンライトとダークプリキュアの激しい戦いが続いている…。
 薫子を無事に助けだしたブロッサムは、ムーンライトの元へいそぐの。
 一方で、キュアマリンとキュアサンシャインは、どんなにやっつけても、次々あらわれてくるスナッキー軍団にこまっていたわ。
 これじゃ、きりがない! 「イチかバチか、スナッキーに変そうしてみようよ」 マリンのアイデアにみんなビックリ!
 でも、マリン、サンシャイン、コフレ、ポプリもみんなスナッキーになりすますと…大成功!!なんとかこの場所を抜け出すの。
 その頃、ブロッサムはムーンライトとダークの戦いを見まもっていたの。
 「私ひとりでたおさないかぎり、本当の自分を取りもどせない…」それが、ムーンライトの思いだから。
 そこへサバーク博士があらわれた。そのとき、ブロッサムは薫子のことばを思い出すの。
 「ムーンライトとサバーク博士を戦わせないで」 サバーク博士の攻撃を防ごうとするブロッサム。
 でも、サバーク博士の強烈なエネルギー波に吹きとばされてしまうの。
 サバーク博士とダークのダブル攻撃でボロボロになるブロッサムとムーンライト。
 それでもブロッサムたちはあきらめていなかった…!力をふりしぼってもう一度サバーク博士とダークに立ち向かう!
 すると、プリキュアたちの一撃で、サバーク博士の仮面が割れてしまった…!仮面の下のサバーク博士の正体とは…!?
 以上公式のあらすじ。

 お話としてはムーンライトVSダークを中心に、サバーク博士の正体というイベントを挟みつつ、マリンたちをカットインしていき、ブロッサムが主役らしく説教する内容。  展開としてはクライマックスのひとつとして盛り上がりどころを作ってはいるのだが、なにせサバーク博士の正体がゆりの父親だというのがバレバレだし、敵が肉親なんて言うのはお約束なので、大きなお友達としては今ひとつ盛り上がりに欠けてしまったような気がします。
 やっぱりそこで「な、なんだってーっ!?」という驚きがあってこそなので、今更分かっているゆりの父親云々で彼女の心が折れそうになってしまうというドラマが、ちょっと白々しく感じてしまったよ。だが、メインターゲットとしてはこれくらいがちょうど良いのかもしれないなぁ。
 個人的に、そこはゆりよりもダークプリキュアの方がおもしろくって、ダークプリキュアがムーンライトに執着する理由はなんなんだろうとこれまで思っていたわけですが、そこは単純に、自分を生み出した存在であるのだから彼は自分の父であり、また自分は博士の娘であるという事にこだわっていたのが、コロンブスの玉子的でいわれてみれば納得という感じである。
 また、ダークが戦闘で「消えろ!消えろ!!」と、薫子さん曰くムーンライトに似せて作られた存在である自分が、ムーンライトを消して自分が本当の娘になろうと必死に攻撃していたのが印象的であった。
 そういうダークを見ると、私としてもこの枠の物語としても、彼女に勝利するのは良いとしてもやはり存在を消してはいけない展開だろう。まぁ、おそらくは次回そういう事になろうかと思うが、心を否定する砂漠の使徒として、「サバーク博士」がムーンライトに似せてダークプリキュアを作った事や、「打倒ムーンライト」という目的で生み出されたため、それに邁進し本来偽りである自分が本物になろうとするのはやはり心であり、苦しむハートをキャッチしてプリティにキュアする事が本懐のこの物語としては、サバーク=ゆりの父はもちろん、ムーンライトを倒す為だけに生み出され、それしか知らないダークの心を救ってあげないといけないだろう。
 しかし、ダークが生き残ると事後に彼女をどうするかという問題が出てしまうので、案外デューンとのラストバトルで人の心を少し理解したダークが、ムーンライトの盾になって消えてしまうという、闇から生まれたプリキュアの悲しい運命を演出するかもしれませんね。

 印象に残ったと言えば今回とても主役らしかったブロッサムだ。
 振り返れば史上最弱と謳われた彼女だが、劇中の彼女の台詞でもあったように新たな土地でたくさんの人と出会い、プリキュアとなって人の心の光を知り、少しずつ変化していった彼女が、今ここに至ってダークプリキュアの渾身の一撃をはじき返し、自分の想いを高らかと謳い上げ、折れそうになったゆりの心に再び戦う勇気を与えるのだから、その彼女の成長を47週見守ってきた身としては感動もひとしおだ。
 特に印象的だったのは、ダークの一撃をはじき返し、その閃光の中でゆりがブロッサムの背中を見る短いシーン。
 おそらくは、ゆりが初めてブロッサムに出会った時に見たであろう背中と違って、随分と大きく見えたのではないだろうか。ゆりも上記したような、あの時まだ頼りなかったブロッサムが、今自分を守るほど大きなったことを感じたのだ。だから一度手に取ろうとして躊躇した心の種を、その背中を見て今度は迷い無く手に取ったのだ。
 花咲つぼみという人物が、ここに至るまでの色々な事を経て、大きく花を開かせたと思わせる見事な主役っぷりでありました。この「心の成長」がプリキュアの醍醐味ですなぁ。

 さて、我が愛しのえりかの方はと言いますと、さすがの三枚目特権、コメディ部分は彼女にお任せだ。
 倒しても倒しても湧いて出るスナッキーに「ターンマ!」をかけちゃう辺りは実に愛らしいのもさることながら、それで待っちゃうスナッキーのアホっぷりも可笑しい(笑)。
 またあらすじにあるようにスナッキーに変装しようというアイデアも、えりかの子供っぽさが表れていて良いが、どー見てもバレバレで案の定バレてしまう辺りはさすがの役得である(笑)。
 個人的にはポプリの機転で難を退けた後の「今のうちに逃げるッキー」のえりかの仕草が可愛らしくて良いです。
 どーでもいーけど、その変装。薫子おばあちゃんは見事に騙せていましたね(笑)。

今週の花言葉とウンコの数
 当然無いわけですが、コッペ様がもっていた心の種でえりかたちが癒されていましたけど、なんか多くね?37個しかないはずなんですけどねー。
 さて、残す所後2回。あとはサバークとダークをどう落ち着かせるかとデューンとのラストバトルを残すのみとなりました。
 ああ、ハートキャッチプリキュア! 楽しく見たなぁ。2月からは動くえりかが見られないかと思うと寂しい……。


第48話 地球のため!夢のため!プリキュア最後の変身です!

憎しみより友愛を!そしてプリキュアの心を!

 そんな今回のお話は…
 まさか、サバーク博士が…!!ブロッサムとムーンライトは、サバーク博士の正体を知ってショックをうけてしまうの。
 彼は、どうしてサバーク博士になってしまったのか…。むかし、こころの大樹を見つけたとき、デューンとも出会った博士。
 しかしデューンに邪悪な仮面を付けられ、博士はデューンのしもべになってしまったの。さらに、ダークプリキュアがなぜ生まれたのかも博士が話してくれたわ。
 そこへ突然、サバーク博士をあざ笑うデューンが現れた。
 「君の研究のせいかは、こころの大樹の守りをやぶるのにたいへん役にたったよ。」
 デューンは、地球を砂漠にするためにサバーク博士を利用していたの。そんなの、許せない!!
 ゆりが、その怒りをデューンにぶつけようしたとき、つぼみに止められるの。
 「怒りや憎しみを晴らすために戦うなんて、やめてください!」
 つぼみのことばに、ゆりは気づかされるの。憎しみではなく、愛で戦うのがプリキュア…!!
 えりか、いつきもかけつけ、今、最後の戦いが始まる…!!
 以上公式のあらすじ。

 お話はAパートでダークプリキュアの事にケリをつけ、Bパートで月影博士との分かれとデューンとの戦闘を描いており、ラス前にふさわしい素晴らしい回でありました。
 Aパートの方は前回ムーンライトに敗れたダークを上手く落とし込んでいて、ゆりのDNAから作られムーンライトを倒す為だけに作られた心のないダークプリキュアが唯一執着するのは生み出してくれたサバーク博士への想い。
 自責の念に駆られながらも、自ら生み出した彼女を月影博士は「お前も私の娘だ」と言って抱きしめ、ダークプリキュアは「とうさん……」の一言を残して光の粒となって消えてしまった。当然これは浄化されたのであり、彼女は満たされたのである。
 思えば、ダークは常にムーンライトを消し自分が取って替わろうと躍起になっていたが、今ここに至りムーンライトを消さなくても月影博士の一言でムーンライト同様に娘となったのだ。
 彼女が消え行く間際にムーンライトを見つめていたが、そこにかつての憎しみのまなざしは無く、もはやダークにとって月影ゆりことキュアムーンライトは憎み消す存在ではなくなったのだ。そして満たされた表情のダークプリキュアは光の粒となって消える。
 個人的にはそこでムーンライトが変に「あなたは私の妹よ」などと白々しいことを言わないのが良い。
 ゆりとダークには色々と因縁があるわけで、その因縁がここでこと終われりと言えど、こんな短い時間でコロッと心情が変われるものではないし、なにより自分は「抱きしめる資格が自分にない」と自責に駆られた月影博士に抱きしめてもらえなかったというのに、ダークはしっかりと抱きしめてもらっているわけで、全てが分かった上でも、そういった色々があっての葛藤から動けない、喋れないムーンライトを描いているのも素晴らしい。
 ともかく、このダークプリキュアは、全てが分かってみるとプリキュア5の映画のダークドリームのような設定ではあったが、どちらも最後は満たされて消えていったのは、プリキュアがただ悪の手先は問答無用で消すことなく、その名の通りプリティにキュアした恰好になったのは良かったです。

 Bパートはデューンとの闘いで、彼の必殺の一撃から月影博士がその身を犠牲にしてムーンライトを守ってからがメインだ。
 父を失った悲しみと怒りから憎しみをもってデューンを倒そうとするゆりに、上記あらすじにある台詞をつぼみが吐く。
 憎しみの連鎖をどう止めるのか、プリキュアの力の根源はなんなのか、プリキュアが戦う理由はなんなのかをここでひとつ結論づけて、インしてくる「HEART GOES ON」と共に 最終決戦に臨む姿が良い。
 どーでもいーかもしれないが、「HEART GOES ON」の歌い出しが「頼りない気持ち抱えてここにいるけど後には退けない」ってのが良いよな。彼女たちの想いは小さいモノかもしれないけれど、不退転の決意と信念を持って決して諦めずに立ち向かっていく感じが場に合っていてぐっときます。
 そしてBパートと言えば戦闘!と久々に胸を張って言えるアクションシーンがカッコいい。
 特には4人揃ってからが秀逸で、プリキュアらしい連携攻撃からフォルテウェイヴ同時攻撃、そしてフォルテッシモからオーケストラと見事なアクションと流れが見ていて気持ちよいし、なによりプリキュアが自らの決意をもって倒すべき相手を圧倒していくのはやはり見ていて高揚する。

 今回はそんな良い所ばっかりなお話であり、色々な設定もここまでで回収していて見事なのだが、残念なこともある。
 それはラスボスであるデューンがどうして地球を砂漠化したのか、どうしてそういうことをして回っているのかという、彼の行動理念が今ひとつ分からないのである。
 一応ヒントはあり、「強い者が弱い者を喰らう。何か問題あるかな?」や、ムーンライト・月影博士VSデューンに参戦するブロッサムに「君も僕が憎いのかな?」の台詞から、「憎しみ」というのがキーポイントであるように思うが、そこから地球の砂漠化などは繋がらない。一体彼は何をしたいのだろうか。
 今回置オーケストラをぶちかました所で引っぱったので、次回最終回にはその辺の理由を語ってくれるのではないかと思われるが、それではちと遅いのではないだろうか。
 こうこうこういう理由で地球に害成すやつに、その対極にいるプリキュアがその野望を阻止するという対立構造を見せておくべきで、サブタイで「地球のため!夢のため!」とか言っている割に、あんまりそういったスケールの大きさを感じさせてくれないのはちょっと残念である。
 ともあれ次回は最終回。随分と楽しませて頂いただけにとても寂しい。ラストを温かく見守りたいです。

 さて、忘れてならない毎回恒例、我が愛しのえりかのことですが、今回は戦闘で良い所を見せてくれた。
 デューンの攻撃に割って入るのは分かってはいたものの、ピンチに颯爽登場し、つぼみに力強い笑顔を向け、デューンに突撃していくえりかのなんてカッコいいことか。  そしてフォルテッシモを発動し、V-MAX状態で突き抜けていく彼女に惚れ惚れします。
 ちょっとドジで少しズボラでお調子者でちょっとウザイけど決める時は決めるカッコ可愛いさがえりかの魅力。ああ、後一回と映画DX3でもう動くえりかが見れなくなってしまうんだなぁ。
 そう思うとすごく寂しい。寂しいけど、オレのえりかへの愛が未来永劫消えることがない事をここに誓うぜ!

今週の花言葉とウンコの数
 まぁ当然無いわけで、しかし心の大樹は最後どう復活させるつもりなんですかねぇ。
 なんか最後にデューン倒して皆の心に希望の灯が灯ったぜー!とか言って、ご都合よく一気に復活とかしそうで怖いのだが。
 なんにせよ、終わりよければ全て良しとも言うし、ウマいこと全てを締めてくれる事を願います。


第49話 みんなの心をひとつに!私は最強のプリキュア!!

終わっちゃったなぁ。

 そんな今回のお話は…
 おそろしい本当のすがたを見せたデューン。 ブロッサムたちは、スーパーシルエットにパワーアップして、立ち向かう!
 50年前はキュアフラワーひとりでデューンをたおした!だからこわがることなんてないわ!
 ブロッサム、マリン、サンシャイン、ムーンライト。そして、シプレ、コフレ、ポプリ。
 7人みんなの力と心をひとつにして、これまでにない最強の力でデューンに立ち向かう…!!
 そしてデューンに、みんなの気持ちを込めたハートキャッチオーケストラを放つ!しかし…!
 プリキュアは地球をすくうことができるのか…!!感動のフィナーレ!
 以上公式のあらすじ。

 最終回としてはちょっと大味な感じであり、あらすじにあるような感動のフィナーレと言うほどでもないが、ハートキャッチプリキュア!らしく終わった感はある。
 内容的にはAパートで戦闘を終わらせ、Bパートでエピローグする毎シリーズと同様だ。
 まずAパートの方だが、オーケストラを喰らっても尚、憎しみが消えることのないデューンに、プリキュアたちはハートキャッチミラージュの無限の可能性を解放し、ハートキャッチプリキュア 無限シルエットとなり彼を浄化する。
 この最終回で残念であったのは、この黒幕デューンがどうしてそれほどまでに憎しみに囚われていたのか語られることがなかったことだ。
 彼が地球やそれ以外の星々を砂漠化して回っている理由がないので、あまり大逆転の高揚感を得られなかったのは残念であった。
 しかし、無限シルエットになって、彼を浄化する流れは深く考えれば考えるほど良いシーンで、前回、憎しみの連鎖をどう止めるか、憎しみに対し自分達はどうするのかに答えを出し、それを体現したのか無限シルエットなのだ。
 憎しみの心を解放し巨大化したデューンの攻撃は全く無効化され、放った「拳パンチ」は全く攻撃力の無いもので、憎しみに対し心揺るがず、暴力に対し力をふるわない。そしてハートキャッチオーケストラですら浄化できないほどのデューンの憎しみに、それよりも大きな愛を与えたのだ。
 地球や他の星々を砂漠化し、そこに住む人達を結晶化させ、ゆりの父親や妖精コロンを殺した相手に、無限シルエットとなったプリキュアは、彼の胸をごく軽くついただけで終わらせた。ループする憎しみをここで止めたのだ。デューンに募る憎しみはもう無い。プリキュアたちは彼でさえも憎しみという呪縛から救いたかったのだから。
 連鎖しなくなった憎しみはそこで潰えて、これまでハートをキャッチしてきたプリキュアは、最後にデューンにハートを与える。憎しみが無くなり愛を得たデューンは浄化された。もしかすると、デューンは憎しみによって心の花を枯らせたデザトリアンであって、サソリーナ他大幹部と同様に、どこかの星で気持ちよく目覚めているのかもしれない。
 力に対しそれよりも強大な力で叩き潰すのではなく、ただ愛をもって包む。倒し倒されではループする一方で、それはどこかで止めなければならないんだという意思がそこに見える。
 憎しみの連鎖に対しひとつの答えを出したということで、物語をしっかりと描き切ったのは素晴らしいだろう。
 個人的にはそれをメインターゲットが理解したかどうかが怪しく、もっと分かりやすくても良かったように思う。まぁ大きなお友達としては良かったのだが(笑)。
 それと、無限の可能性と愛を具現化したのが無限シルエットであるならば、せっかく存在の知れたプリキュアを活かしてくれないのだろう。つぼみの愛が足りないというのなら、せめて地球でプリキュアたちがハートをキャッチしてきた皆さんに「みんな!オラたちに愛を分けてくれ!」くらいの事があっても良いのではないかと思うのだがなぁ。
 プリキュアが世間に知られているような状況になるようになって3年目であるが、なんでその辺を上手く利用してくれないのだろうなぁ。

 さて、Bパートはエピローグであるので、まとめて終わりなわけですが、個人的には大幹部の方々が、しっかり普通の人に戻ったのを見せてくれたのは良かった。特にはサソリーナが幼稚園の先生になっていたのが印象的であった。
 プリキュアの使命が悪を滅ぼすことではなく、プリキュアにキュアすることなのだという事をここでも分かるのが良いな。
 というわけで、Bパートはやっぱりいつもの毎週恒例の我が愛しのえりかのことだろうよ!
 元気でちょっとウザイ、そんなえりからしさが満載で、表情がコロコロ変わるえりかを見ていて心が和む。特には「私たちは地球を救ってしまった!」などと増長している様がプリキュアらしからぬ姿で良い(笑)。
 やはりえりかは素晴らしいキャラクターであった。こんな愛らしいえりかが動いて喋っているのをみれるのは、もう春の映画プリキュアオールスターズDX3を残すのみとなってしまったのは寂しい限りだ。しかしひかりん、のぞみ、志摩子さん、乃梨子同様に、私はえりかも一生愛し続けることだろう。

 最後なので全体的な感想としましては、まず随分と楽しませていただいたという事を言いたい。
 これまでのシリーズもそれまでとは違うプリキュアにしてきたが、このハートキャッチプリキュア!は絵柄もそうだが特別異彩を放っているように思う。
 史上最弱のプリキュアであることから始まり、変身してあんまり強くもカッコよくもなかった主人公つぼみが、えりかを筆頭に様々は人と出会い触れ合って、その心の成長と共にプリキュアとしても成長していく姿を見事に描いている。
 人見知りで自分の思った事を言い出すことのなかったつぼみは、えりかやおばあちゃんに後押しされ喋るようになったかと思っていたら、そのうちに素直に喋るようになり、最終的には自分の想いの丈を高らかに謳い上げるまでになった。きっと今、第1話を見返したならつぼみに違和感を覚えることだろう。
 それはつぼみだけではなく、えりかやいつき、ゆり、そしてハートキャッチしてきた皆さんもそうで、仲間を得て心が成長していく過程を描いているのが素晴らしい。
 またプリキュア本編の話としても、少しずつ情報を提供していってクライマックスまで興味を引っぱっていたシリーズ構成力は秀逸だ。プリキュア本編の話はダークプリキュアとキュアムーンライトの存在は意外と大きく、「どうなっているんだろう」「どうなるんだろう」と思わせる作りは見事だし、それにつぼみたちの影を薄くする事無くを絡ませてくるあたり、よく考えて作ってある。
 ひとつひとつのお話も、今週のビックリどっきりモンスターをただ倒すというだけでなく、人の心の暗部が具現化したデザトリアンを、その名の通りプリティにキュアし、毎回のゲストキャラのお悩みを解決していくのが見ていて気持ちよい。特にはその傾向が強かった第2クールまでの流れは、個人的に大好きであったプリキュア5の日常パートに匹敵する。
 それとこのプリキュアがどこかコミカルであることも特徴のひとつだろう。これまでのシリーズもコミカルな部分というのはあったが、それとは方向の違うコミカルさを最後までやっていて、そういった中で真剣に相手を説得したり、悩む姿であったり、思いの丈を語るようなシリアスなシーンがあって、それが心にぐっとくる。そういうこれまでとはガラリと印象の違うプリキュアを描いているのが良い。
 また日常パート好きとしては、日常パートで文化祭でのファッションショーというひとつの目標を途中で掲げ、そこで日常パートとしての目標の達成という高揚感を作っているのも好印象だし、数回あった、いわゆるえりか回は自分の趣味を差し引いても、おもしろさと言う点で秀逸でありました。
 残念な所と言えば上記したデューンの憎しみの理由がよく分からない点や、第3のプリキュア、ムーンライトの復活だろうか。デューンに関しては上記に書いたのでここでは省くが、新しいプリキュアは物語上必要だったかを考えると、個人的にはつぼみとえりかのふたりで十分いけたように思う。いつきは特にプリキュアにならなくはならないことはないし、ムーンライトはそれからのムーンライト無双を見てしまうと、「もうムーンライト一人でいーんじゃね?」と思ってしまったことを考えると、やはり「ふたり」はプリキュアで良かったような気がします。
 すごく個人的な事も言えば、次回予告が最初の頃はどこか演説口調なのがおもしろかったのだけど、いつの間にか無くなってしまったこと。そして毎週楽しみにしていた「またみてね」が毎回変わらないのも残念であった。
 ともあれ、このハートキャッチプリキュア!は日常パート、プリキュア本編共に十二分に楽しませていただいた。大きなお友達も割とフツーに楽しめる作品なんじゃないかなーと思います。特には第2クール、サンシャインが出てくるまでの辺りはすごく良く出来ていると思いますので、見ていなかった方はとりあえず1クール+第14話を見てほしいなぁ。

最後に今週のまたみてね
 「つぼみ・えりか・いつき・ゆり・シプレ・コフレ・ポプリでありがとう」でした。キャラデザ馬越嘉彦氏の手書きイラストです。


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