スイートプリキュア♪ 1〜12話

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第1話  ニャプニャプ〜!スイートプリキュア誕生ニャ♪

インパクトがないなぁ。アバン長いし。

 そんな今回のお話は…
 今日は、幸せな音楽の国メイジャーランドの大音楽会の日。世界の人々の平和をねがい、歌の妖精ハミィが「伝説の楽譜」で「しあわせのメロディ」を奏でようとしている、その時・・・悲しい音楽の国・マイナーランドの王メフィストが、世界中を悲しみであふれさせようと、「伝説の楽譜」を奪いにやってきた!ぜったい奪われてはならない!
 その時、メイジャーランドの女王アフロディテはあることを思いつく。それは、「伝説の楽譜」の中の音符たちを人間界へバラまくこと!  「さぁ伝説の楽譜の音符たちよ、飛びちれ!しばしその身をかくすのだ!」
 ここは人間界の私立アリア学園中学校。幼なじみの北条響(ほうじょう ひびき)と南野奏(みなみの かなで)が、今日もいつものようにケンカをしていたわ。2人はとっても仲良しだったのに、ケンカしたまま仲直りできないでいるの。
 小さいころを思い出す響(ひびき)。「奏(かなで)はいちばんの友だちだったのに…」その時、エレンという女の人が近づいてきた。「友だちなんかいらないじゃん」そう言うと、エレンはクロネコの姿に変身した!
 エレンはマイナーランドの歌の妖精セイレーンだった! するとと今度は「ダメだニャー!!」と空からネコがふってきた!そう、ハミィだ!
 そこへばったり、響との思い出のレコードを持って奏(かなで)がやってきた。なんと、そのレコードに「伝説の楽譜」の音符が隠れていたの!
 ハミィがその音符を取ろうとしたとき、セイレーンはレコードを不気味な音をまきちらす怪物、ネガトーンに変えてしまうの!
 大切なレコードをあんな怪物にするなんて…!ぜったい許せない!
 すると、響と奏の心の中にあるハートマークのついたト音記号が光り出した!!もしかして、この2人が・・・伝説の戦士プリキュア!?
 以上ABC公式のあらすじ。もうちょっと要約してほしい。ナゲェよ。

 今年も新しいプリキュアが始まりまして、当然期待して見たわけですが、冒頭書いたように第1話でのインパクトはなかったな。
 アバンで7分も使い、物語の大筋を説明してしまうのはちょっともったいないような気がします。
 むしろこのアバンでの出来事は、ふたりがプリキュアになってとりあえずの戦闘をこなして一段落ついてから、改めてハミィなりがふたりにちょいちょい説明すれば良かったんじゃなかろうか。
 最初の7分でこれからのとりあえずのプリキュアのやることが分かってしまうので、物語がこれからどうなるのかなーという気にさせてくれない。そういったワクワク感が得られなかったのは寂しい。
 お話としては、上記したようにアバン7分でとりあえずプリキュアがしなくてはならない音符集めを説明し、その後は主役である響と奏が、本来は仲が良いはずなのに現在ケンカ中で、なかなか仲直りするきっかけを得られず、お互い気にしている様子を見せつつ、異世界の争い事に巻き込まれたふたりは伝説の戦士としての資質を発揮しプリキュアに変身するまで。
 GOGOからは第1話ではとりあえず変身するまでが基本となってきましたが、まぁそれはいいとして、このスイートプリキュア♪がこれまでのプリキュアと違う最大の特徴として、主役のふたりが最初からケンカ状態であることだろう。
 これまでのシリーズの仲間やパートナーは、それまでほとんど接点のない相手であり、一からお互いの信頼と友情を築き上げていったのだが、このスイートプリキュア♪では、どうも「仲違いしている友達」とどうするか、という事を描いていきたいと考えているのかなーという気がする。
 というのは、響と奏の他に、ハミィとセイレーン、アフロディテとメフィストも似たような関係性が窺えるからだ。東映公式のキャラクター紹介には最後に「しかし実は……」と書かれているしな。
 とりあえずは響と奏がプリキュアとなって、すぐに仲直りしてしまうのか、それともすこしはその仲直りネタで引っぱり8話あたりで大きなイベントをもってくるのか、そして仲を取り戻してからはどう進んでいくのか、それとも仲直りするのは最後の最後なのか、そんなふたりの関係に期待したい。のだけど、なんか次回辺りであっさり仲直りしてしまいそうな気がするなぁ。せっかくの設定なんだから上手いこと使ってほしいがはてさて。

 他、気になる点としては、敵対勢力があんまり悪いヤツという印象がない事だろうか。まぁ、今回はふたりが変身するまでがメインで、セイレーン他幹部が何かしたわけでもないしな。
 これから悪どいことをしていくのかもしれませんが、ハートキャッチプリキュア!の悪役が人の弱った心の寸隙をついてモンスター化させ、それをプリキュアが倒し、心の悩みを解決するという正しくスーパーヒロイン的な流れであったのに対し、音符をモンスター化させてでは、プリキュアに関わらない人としたらはた迷惑と言うか、あんまりプリキュアとして闘う理由がないような気がしますなぁ。
 メインターゲットが「プリキュア!悪いヤツをやっつけて!」と思わせなければならないような気がしますけどねぇ。
 それと、プリキュアになるという部分で、まぁ主役ふたりの心が伝説の戦士としての資質を持っているっというのは毎回恒例ですが、変身するまでの過程として、これまでは小動物が変身アイテムを与えて〜というのが常であったが、このスイートプリキュア♪ではその変身アイテムが自らの心から出てくるという点は、響と奏がたまたま小動物に「選ばれた」のではなく、ふたりが唯一無二の存在であることを示していて良かった。
 そういえば、こういうスーパーヒロインものの見所のひとつである変身バンクですが、なんか今ひとつぱっとしませんね。
 それはハートキャッチプリキュア!の変身バンクが可愛らしく動きもあった所為かと思うんだけど、どうも変身するという高揚感に欠けたな。  ハートキャッチプリキュア!のブロッサムとマリンの変身バンクで、ふたりが背中合わせで腕を組んでぐるぐる回るなんて、綺麗に百合色に染まった脳を持つ身としてはたまらなかったんですけどね。このスイートにもそういったワクワク感みたいなものがもっと欲しいな。
 気になると言えば、喋るほ乳類にハァハァする身として、セイレーンを気にせざるを得ない。しかも動物の中で一番好きなネコなんだからもうハァハァですよ!さらに黒猫だもんね!(´д`;)ハァハァ
 さらには女の子エレンに変身するわで、もうなにこの最強コンボ?という感じです。彼女の方も個人的に期待していきたい。ハミィ?あんなんネコじゃねぇ。口癖の「ニャプニャプ〜」はなんか語感が汚らしいしなぁ……。

 最後にOP、EDのこと。音楽をイメージしているプリキュアだからなのか、OPの曲は結構カッコいいと思う。EDも70年代風の楽曲とダンスの振りがステキ。
 歌詞にぐっとくる所がなかったのは少し残念だが、曲としては個人的には違和感なく好きな曲です。
 アニメーションとしては、OPはあんまり印象に残っていないんだけど(笑)、謎のマスクウーマンがいたことが気になります。というか、フェアリートーンが一緒に居たんで、おそらくは第三のプリキュアなんでしょうね。
 EDはもはや恒例となったポリゴンダンスですが、ポリゴンキャラクターがこれまでとは一線を画す美しさ!金かかってるなーという気になります(笑)。ダンスの方はなんか振り付けが年々難しくなっていっているような気がします。あれ、子供が気軽に躍れないですよねーどう見ても。でもダンスはカッコいいです。
 しかし、こんなきれいなポリゴン組めるんなら、春の映画プリキュアオールスターズDX3のEDが楽しみだなー。っていうか、また歴代OPのメドレーで躍ってくれるのかしらね?

今週のまたみてね
 さぁ〜て、今シリーズは毎回変わってくれるんでしょうかね?それが心配。
 というわけで、今回のまたみてねは「キュアメロディ、キュアリズム、フェアリートーンのドリーとレリー」でした。
 次回はプリキュアとなったふたりだけどケンカしているふたりは……な話らしい。このケンカ状態をもうちょっと引っぱって、その後、核爆級の仲直りイベントになってくれるといいなぁ。

第2話  ガガ〜ン!早くもプリキュア解散の危機ニャ!

なんかもうひと味足りない気がするな。

 そんな今回のお話は…
 キュアメロディに変身した響とキュアリズムに変身した奏。
 どうしたらいいのか分からないけど、はやく怪物を止めなきゃ!ふたりは、怪物ネガトーンを左右からはさみうち!
 …ところが、ネガトーンにかわされて、ふたりが正面からぶつかっちゃった!
 「いった〜い!」声だけはバッチリそろったけど、ふたりの息はぜんぜん合わない…。プリキュアの変身も解けてしまったわ。
 ふたりは、「どっちが悪かったか?」でまたケンカ!!
 「プリキュアになれたのはうれしいけど、私…辞退させていただきます。」そう言って、奏は帰っちゃうの。
 なぜふたりはケンカばっかりなの?ふたりのケンカのきっかけは、中学の入学式の日あの出来事…。
 ケンカしたままのふたりの前に、またセイレーンとトリオ・ザ・マイナーがあらわれた!このままで、響と奏は、プリキュアに変身できるの?
 以上公式のあらすじ。

 話としては、響と奏のケンカのきっかけとなる出来事を紹介し、その後それが誤解と分かり仲直りし、プリキュアとしてのスタートを切った。という内容。
 正直、ケンカのきっかけとなる出来事、中学の入学式の日に待ち合わせたけど来なかったというのは、どうせ他にも同じようなところがあるんだろうと思ったし、学校の裏門(?)ならいくら何でもここに至るまでに気付くだろうと思って乗り切れなかったが、誤解からケンカ状態であったふたりが、第1話でもそうだったように、お互い仲直りするきっかけを探りつつ、またその誤解から上手く噛み合ない様子は見ていてなかなかおもしろかった。
 留めてとしいと思いながらもプリキュアを辞めると言い出す奏。その留める理由を自らの言葉でフイにしてしまう響。本来はどちらもお互いが思うことをしっかりと思ってはいるのだが、入学式の日の出来事が引っ掛かってふたりの歯車は上手く噛み合ない。
 待ち合わせに来なかったことなどは、ちょっと話をすればすぐに解決するようなことではあるのだが、それまでは一番の親友だったふたりには、そのほんのちょっとが大事だったのだ。
 時計の歯車がほんのちょっと欠けただけで、正確に時を刻むことが出来なくなるように、ふたりの心もほんの少しの歪みがその友情を狂わせる。そしてその歪みは時間が経つにつれ、次第に大きくなっていくのだ。
 お互いを気にしつつも、まるでボタンをかけ違えたかのようなチグハグなふたりの様子をよく描いていたし、それでもケンカしつつもふたりはお互いを気にしていることを分かりやすく示し、「ほんのちょっとのことなのになぁ」と見ている人に思わせるようにしてあるのも上手く作ってある。
 そんなふたりの仲直りするきっかけが、小動物のプリキュアになって幸せの楽譜の音符を取り戻さないと世界が不幸になってしまうという漠然とした説明からではなく、同じ境遇の幼い子供に自分達を重ね合わせて誤解を解き仲直りすると共に、プリキュアとなって闘う理由が、なんだかいまいちよく分からない「世界が不幸になる」ではなく、誰かを助けたいという気持ちからきているのも、ただなんとなく悪いヤツはぶっ飛ばすではないのが良い。
 また誤解が解け、気持ちがひとつになったふたりが変身師、もはや伝統となった手を繋いでプリキュアとして力を発揮するのが、シリーズを全て視聴している身としてはたまらなく、重なる手と手を印象付けて、Aパートの戦闘で全く噛み合なかったふたりではないことを示している点も強く印象に残った。

 と、良いことばっかり書いてきましたが冒頭に述べた通り、なんか物足りないような感じはあって、インパクトというところでは少し弱いように思った。
 上記したケンカの理由という点もあるし、変身バンクも妙におとなしく感じるし、戦闘でもせっかく誤解が解け二人の気持ちがひとつになったのだから、もっと連係した攻撃があってもいいだろう。
 Aパートのプリキュアとは全然違うんだぜというところを派手に描いて、響と奏の本来の絆の深さとパートナーシップ、そしてプリキュアの強さを示してほしかったように思います。
 もっと細かいことを言えば、第1話で変身する際に小動物が「レッツプレイ!プリキュアモジュレイション!と叫ぶニャ!」と言わせたのであらば、決め技を出す際にもそういうことを言ってほしかった。なんで知りもしないことをコイツらは何の説明も無くやってしまって疑問に思わないのだろうと思ってしまったのですが、やっぱり見ていてそういった疑問を持たせるのは物語としては良くないだろう。まぁメインターゲット的にはなんの違和感もないのかもしれませんが(笑)。

 ともあれ前回予想していた通り、あっさり2話で仲直りしてしまったのはちと寂しくはありますが、今シリーズは「友達」や「友情」というところをテーマにしているように見受けられるので、その内またケンカイベントが発生しそうな感じではあるので、8話あたりに期待していよう。
 初代プリキュアのように、途中で大化けする可能性を私は信じたい。

今週のまたみてね
 イエーイ!どうやら今シリーズは毎回変わるみたいだゼ!と、いうわけで、今回のまたみてねは「歌うハミィと奏に顔をしかめる響」でした。


第3話  ジャジャ〜ン!響は音楽嫌いニャ?

自分の持論と全く同じだったのでちょっとビックリした。

 そんな今回のお話は…
 今日は、学園のアイドル、王子(おうじ)先輩がピアノを弾くイケメン4人の“音楽王子隊(おんがくおうじたい)”のコンサート。
 指揮をするのは、響のお父さんの北条団(ほうじょう だん)!団は、響の学校の音楽の先生だったの!いつも明るくて、音楽の世界では天才といわれてる人なの。
 “音楽王子隊”のファンの奏は、コンサートに響を誘うの。でも、響は「私、音楽キライだし」って断っちゃう。ホントは響だって音楽が好きなはず。
 子供のころは、奏といっしょに楽しく歌を歌っていたはずなのに…。なんで響は音楽がキライになっちゃったんだろう…。
 気になる奏は響に、「なにがあったのか教えてよ」と聞いたの。でも響は話すのをイヤがって帰っちゃった!
 部屋にとじこもる響。“ピンポーン!”と家のベルが鳴ると、そこにはケーキを持った奏が来ていたの。
 響が「誰だろ?」と部屋をでようとしたら、アレ?…..部屋のドアが開かない…..どうして???響が部屋にとじこめられちゃった!
 シティホールでは、いよいよ音楽王子隊のコンサートが始まろうとしていた。ところが、そこにセイレーンが…!!
 以上公式のあらすじ。

 お話の方はこれまでも感じていたけど、今回は随分と子供っぽい感じがしたな。内容としては、響の自称音楽嫌いの紹介からその原因を教えろ教えないでケンカしつつ、発端となった響の父に真相を聞きに行くが教えてもらえず、そんな中始まったコンサートに乱入してきたセイレーン、ネガトーンとの戦闘を経て、音楽とはどういうものなのか、そして音楽嫌いになった父の一言の真相を知る。という話。
 話の流れ的には前フリがあってケンカして、その中でお互いの気持ちをぶつけ合い、戦闘を経て真相を知り大団円となる流れとしては良いのだけど、どうも中学生日記を見ているような(と言ってもまともに中学生日記を見たことはないのだが/笑)いかにもシナリオの都合で進んでいる感があって乗り切れねぇ。
 響の部屋のドアを挟んでの言い争いが特にそうで、響が原因を語るにしても突然折れた感じがするし、壊れたドアが開く件も何の理由もなく開いてしまい、さも二人の気持ちがひとつになったからのようにしているのはどうか。
 音楽嫌いの原因を頑に喋ろうとしない響というのを結構長い尺で見せていたのだから、奏はもっと足掻いて一番の親友の悩みを解決したいんだという気持ちが響に大きく伝わるような何かがあってもいいのではなかろうか。ドアの件も、都合良く開いてしまうよりかは、ふたりが協力して開かないドアを開けるという共同作業の果てであった方が、父に真相を聞きに行くきっかけとなるし、奏と一緒だから怖がって向き合わなかったその事柄に向って行けるという、プリキュアである以前に親友なんだと言うところを見せれるのではと思ったよ。
 おそらく一番見せたかったであろうその辺を、サクサクと進めて行ってしまっていたので正直拍子抜けしてしまいました。おそらくは今作のテーマなのであろう、ケンカしても友達は友達、と言うのがあるのなら、「雨降って地固まる」をもっともっと印象付けても良いのではないだろうか。
 それと、その響の家でのシーンでの奏の説得だが、彼女の台詞に響のピアノが好きでまだ聞きたいんだと言わせるのなら、それと分かるようなカットなりシーンなりがないと、奏が響に行動を起こさせる為に方便を言っているように取れなくもないし、何よりそういうものがあった方が、彼女の説得に力がつくだろうと思うと残念であった。
 全体的にも面白味という部分で欠け、おそらくここで笑わせたいのであろう所で全く笑えなかったり、上記したように妙にトントン拍子で進んでしまうというのもあって、淡々と流れて行く話を眺めていただけという印象しかないな。戦闘もモッサリとしていて大したアクションもないし、第3話でこれではこの先が心配だ。ハートキャッチプリキュア!のように、何か序盤の山場みたいなものがあれば良いのだが……。

 戦闘と言えばだ。どうも闘う理由ってのが弱いよな。
 プリキュアの使命としても、音符を取り戻さないと世界が不幸になるという漠然としたもので、今回なんかはネガトーンの不幸の調べ(?)を聴いた観客に起こったことと言えば、思考がネガティブになるくらいなものなので、別にプリキュアがなんかしなかった所で、あんまり世界は変わらないような気がするんだよなぁ。セイレーンたちも特に悪どい何かをしているわけでもなければ、今週のビックリどっきりモンスターであるネガトーンも、人々を恐怖のどん底へたたき落とすようなことをしているわけでなく、たたネガティブになる音を発しているだけだもんなぁ。やっぱ世界が滅亡しちゃうぜ!くらいの危機感がないと、プリキュアとなって闘っている意味が出て来ないな。
 そういう観点から考えて、悪役というのはそれはそれで大事なポジションなのだなぁ。ただ主役ふたりが可愛くてイチャイチャした後に変身してアクションするだけでは成り立たない。
 プリキュアがこうだから闘う、こうだから守る、こうだから助けるという確固たる理念と、その対極に位置する悪役も、その悪なりの信念と理想をもっての悪事であるからこそ、その対極のぶつかり合いがおもしろいのだと思う。幸せだ不幸だというのは随分とぼんやりとした概念なので、どこをどうとって幸せだ不幸だとするかは人それぞれだものなぁ。
 そんなぼんやりとしたものの為に、中学生の少女ふたりが、もしかしたら死ぬかもしれないというリスクを背負って闘えるとはちょっと思えない。
 だからこそ、プリキュアが闘う理由やその意思のベクトルをはっきりさせて頂きたい。
 なんか文句ばっかりになっちまいましたが、実際今回はホント良い所がなかったよ、トホホ。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「カップケーキに乗るフェアリートーンに目を輝かせるハミィ」でした。
 次回は奏のキャラクターである所のお菓子作りをクローズアップした内容らしいが……こんな調子だとこの先つらいので、上記したように近々何か大きなイベントがあってもらいたい。


第4話  モグモグ!奏が見せる気合いのレシピニャ

むしろ戦闘はいらなかったような気がする。

 そんな今回のお話は…
 奏がケーキコンテストに出ることになったの!コンテストの審査員は、スイーツ界のスター、山口ヨウコ。
 優勝すれば、プロのパティシエも夢じゃないわ!!奏は、優勝めざして、ハデで目だつケーキを作ろうと大ハリキリ!
 奏が自分で作ったケーキをもって街を歩いていると、なんと、あこがれの山口ヨウコにばったり!
 ヨウコは、奏のもっていたケーキをとってもほめてくれて、アドバイスもしてくれたの。奏は大よろこび!
 奏は、ヨウコのアドバイスどおりのケーキを作ってみるの。だけど、できあがったのは真っ黒なケーキ・・・
 さっそく響に食べてもらうけど、響の感想は・・・「このケーキは奏のじゃないみたい。はっきり言ってぜんぜんおいしくない」
 ショックを受けた奏は、おこって部屋をとび出してしまったの。
 スイーツ界のスター、山口ヨウコのアドバイスどおり作ったのに、響がおいしくないっていうなんて・・・
 でも実は・・・奏が出会ったヨウコは、セイレーンが変身したニセモノ!
 セイレーンのねらいは、響と奏をケンカさせてプリキュアに変身できないようにすること。
 このままじゃ、セイレーンの思いどおりになってしまう!2人は仲なおりすることができるの?
 以上公式のあらすじ。

 初見はやっぱり子供っぽい話だなで終わってしまっていたんですけど、この感想を書くにあたって見直してみると、まぁ子供っぽくはあるんだけど、割と良い所をついてきていてなかなか興味深く見た。
 内容としては、ケーキは何の為に作るの?的なことで、憧れのパティシエが審査員のコンテストに、派手で目立つケーキを作ろうと張切っている奏はケーキを作ることの本質を見失っていて、やっぱりケンカを経て、奏が何の為にケーキを作っているのかを見いだす。
 ここまで見ていて、響と奏がどういう人物か見えてきて、奏はどうも結構ミーハーな所がありそして頑固である。一方、響の方はと言うとけっこうちゃらんぽらんだが柔軟性があり周りに流されない自分を持っている。
 そういったことを考えて今回の話を見ると、ミーハーな奏がニセの山口ヨウコにすっかり騙され、そんな奏が作ったケーキをマイペースな響が素直な感想を述べ、頑固な奏は怒ってしまい、響はなんで奏が怒っているんだか分からないという、ふたりのキャラクターをよく描いている。
 奏はそのミーハー心から、憧れのパティシエが審査するコンテストで優勝をしたい一心で、料理は誰の為に作るものかという本質が今回のアバンから吹っ飛んでしまっていて、響はそのちゃらんぽらんさ故の語彙の少なさから、奏のケーキに的確なアドバイスを出せない。しかし、響は最初から本質を見失ったケーキをさして美味いと感じておらず、「まぁまぁおいしかった」などと言うのだが、見た目の形や色にとらわれずに素直に味の感想を述べていて、響の真っ直ぐな性格が出ているのだけど、その語彙の少なさから、優等生で頭の良いの奏にはそのニュアンス的な感想があんまり伝わらないのだ。
 そこをセイレーンにつけ込まれ、またミーハーな奏が見事に引っ掛かってしまうわけですが、今回の見所はやはりここからであろう。
 奏がセイレーンが化けた山口ヨウコのアドバイスを受け作ったケーキを響が否定しケンカしてしまうのだが、響はその素直さから正直な感想を述べているし、おいしくないものをおいしいと嘘をつくことがいいとは思っていないので、なんで奏が怒るのかが分からない。
 そんな気持ちのすれ違いはこれまで見せてきたのだけど、第1・2話までと違うのは、響がこのままではイヤだとちゃんと奏と向き合って自分の素直な気持ちをぶつけるのだ。
 それを受けての奏は、文句を言いながら響が美味いと言っていたイチゴのケーキを無意識に作ってしまう。なんだかんだで、そうやって響がストレートに気持ちをぶつけてきたことで、奏は響の気持ちを知ったのだ。
 最初、気持ちがすれ違ったままでお互いがどう思っているかを探ることを恐れていたふたりが、今は衝突しつつも気持ちを言葉に出して伝え、関係を修復しようと試みている。一緒にプリキュアとなって最初の誤解が解けて、少しこれまでと変わったふたりの心の成長を見て取れる。
 そういったふたりの一側面が見てとれておもしろかったのだけど、それを踏まえた上での戦闘が今イチ過ぎる。

 アクションがショボショボなのは、もう仕様なのかなと諦めかけているのでいーんですけど、展開として盛り上がりに欠ける。
 戦闘の最中、メロディの何がない一言でようやく彼女のケーキに対する真意を理解したのだから、戦闘前に響が言った台詞をそのまま乗せるのではなく、それを受けて自分の言葉で返してほしかった所だし、リズムがネガトーンの攻撃を受け止める際も、一人でえいやっ!の後に「やるじゃん」「まぁね」ではせっかく「ふたり」でプリキュアになっている意味がなかろうというものだ。どうせならリズムを一助するメロディがあっても良いのではないだろうか。
 最初に良いことを語ったのでここからは文句ばっかになるんですが、セイレーンに騙される奏のシーンで、セイレーンの白々しい嘘を演出する為に劇っぽく仕立ててあったと思うのだけど、それはなかなかおもしろいとは思ったが、どうせだったらセイレーンたちはもっと白々しく、スポットライトを使うならもっと舞台で演じているような感じだった方が、ミーハーな奏がそんな彼らに騙されてしまうという滑稽さ見せることが出来たような気がします。
 まぁそれに限らずこのスイートプリキュア♪は全体的に賑やかさが足りないような気がしますな。
 それと、悪役の方達のことなんですけど、この人たちってプリキュアふたりの仲を裂くことに執着していて、悪いヤツという感じがしないんだよな。それだからなのか戦闘でいまいちノっていけない。要はプリキュアの闘う理由が弱いのだ。
 今回なんで「あんなおいしそうなケーキを、みんなを怖がらせる怪物にするなんてゆるせない!」だもんな。それおまえらの個人的理由じゃねーか(笑)。愛と正義のスーパーヒロインとしてそれはないんじゃなかろうか。
 そもそもセイレーンは音符を集めるのが目的なのだから、見つけた音符を普通に取っておけば良いではないか。なんでわざわざネガトーンにする必要があるのか今ひとつよく分からない。音符を全部集めて不幸のメロディが完成したらどのみち世界が不幸に満たされるのだから、今ここでネガトーンによって局地的な不幸をまき散らすことはしなくてもいーんじゃね?
 ハミジとセイレーンは音符の取り合いをしているんだから、取った取られたの末にハミィに音符を奪われそうになるのを阻止するために……とかの方がまだ説得力があるような気がします。

 とまぁそんなわけで、良い所もあるんだけど、やっぱり今ひとつ乗り切れないんだよな。今の所のお話も、響と奏を中心にケンカして仲直りっていうだけだし。
 どうせならゲストキャラのお節介を焼きつつ、「人のフリ見てわがフリ直す」みたいなのでもいーんじゃないですかね?まぁそのうちそんな感じになっていくのかもしれませんが。

今週のまたみてね
 「マイクを向けるインタヴュアーなハミィとそれにビックリする響」でした。
 もう2・3話したらケンカして仲直りのパターンが崩れるイベントが欲しいのだが、その辺どうなのかなぁ。まさかずっとそんなんではないだろうな。


第5話  ドタバタ!テレビレポーターに挑戦だニャ♪

なんかいつも通りって感じだな。

 そんな今回のお話は…
 響と奏が、加音町のテレビレポーターに???
 はじめはいやがっていた二人だけど、響はピザの食べほうだい、奏はあこがれの音楽王子隊のインタビューにつられて、引きうけちゃったわ。
 撮影当日。キンチョーしすぎて、出だしはボロボロ…。でも、だんだん2人の息があってきて、王子せんぱいへのインタビューも大成功!
 そんなとき、町の広場にいた女の子の手からふうせんがはなれて、空へふわりと飛んでいってしまったの。
 それを見た響と奏は「ふうせんをつかまえよう!」という気持ちが一つになって…。
 加音町のレポートもうまくいきそうだと思っていたら、そこへセイレーンがあらわれた!
 ねらいはカメラの前で歌って、テレビを見ているみんなを悲しくさせること。音楽をつかって、不幸をまきちらすなんて許せない…!!
 以上公式のあらすじ。

 お話としては、ケンカばかりのふたりが気持ちを合わせることで、スイートプリキュアの力の源であるハーモニーパワーを発揮する。という内容なんだけど、正直どの辺がハーモニーパワーなのかよく分からない出来だ。
 そもそもテレビレポーター云々の話はそのハーモニーパワーとはあまり関係がなかったしなー。話の流れとしては、いつも通りのケンカして仲直りだ。
 そういったことを含め、今回はお話よりも戦闘という部分でちょっと書いてみようと思う。

 最初から思っていたんだけど、このスイートプリキュア♪はプリキュアに変身して大きな力を手に入れた感じが全く無い。
 とても素早く動いたり、敵の攻撃を華麗にかわしたり、攻撃はヒットする際のインパクトなどを見ても力強さを感じないのだ。正直このふたりは強くなっているのかしら?と思ってしまう。
 それを踏まえてのハーモニーパーワーなんですが、今回のアバンの戦闘はそれでよかったのかもしれないが、日常パートを経て気持ちをひとつにと心を合わせ、日常パートで風船を取った時と同じようにしてネガトーンに一撃くれて、小動物が「これがハーモニーパワーニャ!」とか言っていましたけど……これって別に特別な力が働いているわけではないですよね。
 奏がただ土台となっただけだし、そもそもその前に「あの時は何も言わなくてもそれが出来た」云々言っちゃうし。今それを言ったら「何も言わなくても出来た」にならないじゃないか。ここはそういう説明台詞を言わないのが花で、ふたりはただ顔を見合わせて「うん!」とうなずくだけで良い。それなら二人の気持ちはひとつになっているんだねと思うことが出来るのだがなぁ。白々しい台詞を述べてくれるのでちょっと萎えてしまいました。
 それに上記しましたが、ハーモニーパワー云々言うのであらば、それが発揮したと分かるようにしてほしかった所で、二人の気持ちが合わさることでの特別な力というのは、ふたりがプリキュアである以上、見せる必要があるんじゃないでしょうか。アバンで出せなかった決め技が、日常パートを経た今は出せることに意味が出てくるんだと思います。
 と、語った所で「もしや?」と思う所もあって、それは今だからこの戦闘なのではないかという事で、つまり、今は何かにつけてケンカするふたりのハーモニーパワーでは、プリキュアとしてこんなもんである、と言いたいのかなぁとちょっと勘ぐってしまったのだ。
 これからふたりがもっと仲良くなって、小学生の時のように無二の親友と再び言えるくらいになった時には、すごい戦闘をこなすようになっている。のかもしれない。
 まぁそれが仮にそうだったとしても、この一番大事な掴みの時期に、メインターゲットである女児の心を引きつけるものがないのはどうかと思いますが。

 さて、戦闘の事を書くと言いつつも、その他のことも語っちゃうわけですが、やっぱり全体的になんかすごい子供っぽさを感じるな。シーンのひとつひとつにとても分かりやすい説明をしてくれて、メインターゲットに「ここはこういうことなんだよ」といちいち解説しているように見えて乗り切れねぇ。
 コメディシーンも全く笑えないんだけど、見ていて「あぁ、子供はここで笑うんだろうな、たぶん」と思えるような作りなのも子供っぽく見える原因かもしれん。まぁ本来は女児向けのアニメなので、正しいと言えば正しい在り方なのかもしれませんが、大きなお友達としてはかなりの物足りなさを感じてしまうな。
 響と奏のふたりについても、このふたり、どうも可愛げが足りなくって、可愛いなぁと思わせる隙がないのだ。
 それは完璧超人な人間という意味でなく、変にまとまり過ぎてしまっているという感じで印象に残らないと言うか、ちょっと分かりにくい例えかもしれないが、何の変哲のない石ころでも、ちょっと変わった形であったなら何となく愛着が湧くというもので、このふたりにはそういう「ここが良い」といえる何かを今の所見いだせない。ちょっとスマート過ぎて面白味に欠けるのだ。響と奏はもうちょっと何か一部分に突き抜けた所があっても良いように思う。
 そういう意味で、先日購入した「プリキュアぴあ」のスペシャルクロストークに「奏は一見すぐに泣いてしまいそうな子に見えますが、実は頑固で絶対に泣かない」というのを読んで「ああ!」と目から鱗が落ちまして、言われて見れば実にそんな感じであり感心したのだけど、これはこのクロストークを読んで知るのではなく、アニメを見て自然とそれを感じ取れるようなイベントなりなんなりがあれば良いのにと思いました。  そういった個性をガツンガツンと見せていっても良いんじゃないんですかねー。今の所ちょっとおとなしくまとまり過ぎちゃっているのはもったいないような気がします。
 これからそんなこれまでをガラリと変えてしまうような何かがあることを期待したい。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「なんか変にビビっている響と奏」でした。


第6話  ガミガミ!お説教が生んだミラクルベルティエニャ♪

成田良美、さすがだなぁ。

 そんな今回のお話は…
 今日はホワイトデー!バレンタインデーに想いをこめて、あこがれの王子せんぱいにチョコをわたした奏も、王子先輩からどんなプレゼントをもらえるかドキドキ!
 奏が家に帰ると、お店のキッチンで弟の奏太(そうた)がコソコソなにかしてる!ヤンチャでいたずらっこな奏太は、いつも奏におせっきょうされてばかり。
 「またつまみ食いして!いいかげんにしなさい!」そんなふうに奏太は、奏にしかられるのになれっこなはず。それなのに…
 「ねえちゃんなんか、だいきらいだ!」と言って、店をとびだしてしまったの!
 そのとき、奏は、キッチンに手作りのカップケーキをみつけるの。
 かざりの板チョコには「ねえちゃんへ」と書かれている…もしかして…
 奏は、カップケーキがはいった箱を持って奏太をおいかけたわ!でもそのカップケーキには、伝説の楽譜の音符がかくれていたの!!
 音符をねらって、セイレーンも近づいてきた…!奏と奏太は、仲直りできるの?伝説の楽譜の音符を守ることはできるの?
 以上公式のあらすじ。

 お話はいつもの通りのケンカして仲直りではあるんですけど、なにがさすがってプリキュアが闘う理由がちゃんとあるし、ネガトーンのネガティブ音波にもしっかりとした役所があったし、ミラクルベルティエが出現する際にも、しっかりとした響の想いがあるので無理がない。
 常々言っておりますが、フィクションはウソをウソと思わせたり内容に疑問を持たせたら負けである。しかし今回は「なんでだよ」と思う部分がなかった。やっぱりさすがは成田良美である。
 前半の問題提起の部分としては結構かったるくはあるんだけど、問題が起こってからはとても楽しんで見ました。弟のいる奏と一人っ子の響と、弟の奏太と姉の奏を上手くミックスしていてさすがこういう話は上手いはと感じた。
 特にはいつもおまけ感が凄まじい戦闘が良く出来ていて、上記したように、まずプリキュアとなる所でも、奏太が作ってくれたカップケーキをネガトーンにされることで、ふたりが変身して立ち向かう理由になっている。
 そして心が弱っているとしてリズムの力が発揮できないという部分も良い。まずメロディの攻撃というか、いつも攻撃がヒットする際に「キィン!」と音が鳴っていたんだけど、今回のリズムにはそれが無く、「力が発揮できていない」感がありありと分かるのが良いし、それでも立ち向かっていくリズムとそれをなじるセイレーンも良い。
 悪役はその悪さがキモなので、力が出ないからといって弟を見捨てるマネは出来ないとそれでも立ち向かっていくリズムの勇気と愛をなじる事は重要である。そしてネガトーンが傷心の奏太にネガティブ音波を聞かせ、彼の心を弱らせる悪どさ、それがあってこそリズムの「力が出ないくらいで、大切な弟を見捨てる事なんて出来ないのよ!」が効いてくる。
 また、そんなリズムを見てメロディが思う所があるようを描いているのも良くて、それだからこそのその後の口上があって気持ちの高ぶりからのミラクルベルティエ出現に無理がない。
 それまでそういった細かい描写に欠けていた分、今回は戦闘からの綺麗な流れがとても良く、プリキュアらしさが見ていてとても気持ちよかった。毎回こうだと良いんだけどなぁ。
 それとちょっと細かい部分ですが、ハミィとセイレーンで音符の取った取られたがあったのは、コイツらの目的が伝説の音符を集める事で、特にセイレーンがここ数回響と奏を仲違いさせるのが目的のように見えてしまっていたので、やっぱり目的としてある以上、ほんのちょっとでもこういった部分はあった方が良いだろう。
 もうひとつ。これまで戦闘後にハミィが「ニャプニャプ〜」と手を打っているのはなんの意味があるのだろうと思っていたけど、今回音符を浄化する描写があり、ああそういう事でしたかと納得できました。ってゆーか、それは第1話でやっておけよ!

 と、ここまで良い所ばかり言ってきましたが、まぁ不満点もありまして、それは奏太の同級生「アコ」のことである。
 それなりにインパクトのある登場と性格付けがなされていたので、話に絡むんだろうなぁと思っていたら、特に今回は彼女に何もなかった。  とても単なるモブには見えないデザインだし、時々一人で寂しそうにしているなどとフラグらしき物を立てていたので、まぁ後々何かしら役所があるんだろうとは思うんだけど、もうちょっとなんかあっても良いような気がしますなぁ。
 案外この子がOPの覆面プリキュアだったりしてなー。ハートキャッチで初の高校生プリキュアが出たんだから、初の小学生プリキュアがいても良いだろう。いや別に私の趣味というわけではありませんよ?
 けどアコってEDのクレジット見ると名字がないんだよね。やっぱただのゲストキャラなのかな?

 と、いうわけで、お話全体としてはいつも通りなんですが、そのいつも通りを楽しく見れた。先にも述べましたが、毎回これくらいはやっていただきたい所。
 あとこの序盤戦でやっぱり大きなイベントが欲しい。このままで中盤で出るであろう三人目までは保たないだろうよ。それに期待したい。
今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「次回のゲストキャラ音吉さん、響と奏、ハミィとセイレーン」でした。
 音吉さんはやっぱキーパーソン、なんですかねぇ。まぁでも王子先輩よりかは役所ありそうな感じではある(笑)。


第7話  テッテケテ〜!音吉さんの秘密に迫るニャ♪

相変わらず戦闘のおまけ感はすごかったが日常パートはなかなかおもしろかった。

 そんな今回のお話は…
 しらべの館でピアノの練習をしている響と奏。2人で1つの曲をピアノでひけば、ハーモニーパワーがアップして、プリキュアとして強くなれるはず!
 しらべの館には、調辺音吉(しらべおときち)さんという、不思議なおじいさんがいるの。今日はいつのまにか、帰ってしまったみたい。
 ふと、見ると「ワシのたんじょうびにくれたんじゃ〜」とよろこんでいた、おまごさん手づくりの音吉にんぎょうが落ちていたの。忘れていったんだ!
 「とどけてあげなきゃ!」2人の音吉さんさがしの旅がはじまる!でも、よくかんがえたら、音吉さんの家もしらないし…。
 なかなか見つからず、お腹がすいた響は、「明日でよくない?」とあきらめモード。でも「やると決めたらさいごまでやる」という奏。
 町をさがしていると、ハーモニカをふくミュージシャンが…。音吉さんだ!やっと見つけた!これでにんぎょうをわたせる!!
 ・・・アレ!?持っていたはずの音吉にんぎょうがないっ!!どこかでおとしちゃったかも〜!!
 そのころ・・・音吉にんぎょうは、トリオ・ザ・マイナーたちの手によりたいへんなことに…!!
 以上公式のあらすじ。

 お話は響と奏が音吉さんの忘れ物を届けるというイベントを遂行しつつ、ケンカしたり仲直りしたりする話。
 と書くといつもと同じようではあるが、今回はその同じような話ではあるものの、不意に訪れたふたりきりの時間をもったことで、お高いの良い所を再認識し、そして自分の悪い所を改めるといった内容で、より響と奏の仲が進展する様子を描いていると共に、彼女らの個性が出ていて派手さのない話ではあったものの見ていて楽しかった。
 つまらないことでケンカしてしまうのはいつも通りであるが、なんだか含みのあるキャラクター音吉さんの計らいによってふたりきりになってしまった響と奏は、孫の手作りの音吉さん人形の忘れ物を届けるというイベントを遂行しながらお互いの良い所悪い所を見つつ思い出の場所へ辿り着く。
 幼かった頃に一緒に遊んだことがフラッシュバックする奏に「久しぶりに一緒にやろう!」と同じ遊びを誘う響。そうする中、頑固であるが故に素直な奏が「あの頃見たく何でも言い合おう」と提案する。
 奏は響と今のままでいたくないのだ。一番の親友であったあの頃、何をするにも一緒だったあの時、またその頃と同じような関係に戻りたい、同じような関係になりたいのである。
 思えばこれまで、響き曰く「上から目線」な物言いは、響にこうあってほしいという願望の現れだったように思える。前回判明した姉という立場からしっかりしていなくてはならない奏は、一人っ子で自由奔放な響に案外あこがれる部分があったのかもしれない。そういった中で、響にはもうちょっと規律であったり、こうと決めたら諦めない姿勢を持ってくれればもっと良いのにと思う所があってのいつものお説教だとするとうなずける話ではないだろうか。
 一方、響の方も頑固で融通の利かない堅物と奏のことを思いつつも、それ故の素直で真っ直ぐな彼女に心地良さを感じている節がある。
 上記した「何でも言い合おう」とか、戦闘での「言いたいことがあるならいって」という直球を渕当ててくる奏は、ちゃらんぽらんな所がある響にとって、真っ直ぐ真剣に食い込んでくる彼女の姿勢は分かりやすく心に伝わるのであろう。ケーキの話でもそうだったように、響は語彙が少ないので、奏くらいのストレートさが彼女にとってちょうどいいのだろう。
 あんまり緩衝剤としての機能も果たせていないハミィという横槍がない分、気持ちが素直に伝わって、やんわりと進展していくふたりの仲が見ていて気持ちよかった。
 まぁ話の展開としては、上記思い出の公園の部分は最後に持ってきてほしかった所で、せっかくすごく仲が回復したと思ったら、またつまらんことで言い争ったりするのでなんだかなーと思ってしまったが、よくよく考えてみると、公園にたどり着く以前と以降ではちょっと感じが違って、以降の方は響き曰くの上から目線の説教的な所はあまりない。
 そういった所も鑑みて、仲の進展をドラマチックに熱くというのではないが、割としっとりした感じでやんわりと第1話からの関係が変わっていく様子が見ていて気持ちよい。また、上記公園の出来事と同じく、ラストの寝る前に懐中電灯をチカチカと合図を送るのも、きっと子供の頃にやったことなのだろうが、その一番仲が良かった頃の思い出を今またやるというのがだいぶふたりの気持ちが近づいてきている感がよく表れていて印象的であった。

 さて、上記したように今回は響と奏の個性という所もよく出ていて見ていて興味深い。
 ビジュアル的に好みだからなのか、個人的には奏の方が印象的で、とにもかくにも奏は頑固である。それと同時に彼女はこうと決めたら徹底的で全く融通が利かないのだ。
 海で転んで水浸しになった件で、響の「もう明日にしよう」は至極真っ当な意見で、行方がようとしてしれない人物をその日の内に捜し出し、落とし物を届けなくても良いだろう。
 そもそも調べの館にいるらしいのだから、今度あった時でも特に問題はあるまい。しかし奏は今日中に届けると言ったら届けるのだ。それは何故か。後日渡すよりも今日渡した方が良いに決まっているからだ。
 彼女の頑固さはその素直で真っ直ぐな性格の表れで、その真っ直ぐさはどんなに叩いても曲がらない。とにかく素直に真っ直ぐ、それが奏であるのだが、外国の方に話しかけられた件で、自分で喋れば良いのにわざわざ響きに耳打ちしたりする所を見ると、彼女はどうも積極的というわけではないようだ。
 長所は短所とはよく言ったモノで、奏の素直で真っ直ぐは頑固で融通が利かないのである。前回にアコが「アンタ、モテないでしょ」と言ったのは見ていてかなり当たっているんじゃないかと思う(笑)。
 真面目過ぎて頑固だし、あーだこーだ言うし、融通利かないので、きっと学校の野郎どもは「南野は可愛いけど性格がなぁ……」とか絶対言われているに違いない(笑)。
 響の方はと言うと、自由奔放で主言ったったら考え無しにすぐ行動な主役っぽい個性な割に、ちょっとの障害などですぐに「もういいよ」とか言って諦めてしまったりする。
 それは奔放であるが故で、劇中奏が言っていたように思い通りにいかないと投げ出してしまう。「こうならないならやーめた」っていう子供っぽい所があるのだ。
 そんな子供っぽい彼女だからなのか、あんまり難しい物言いをすると伝わらないらしく(例としては3話の父親の言葉みたいな)、上記したように、奏くらいに真っ直ぐドーンと行かないと理解できないようで、それ故に奏の素直さを響は気に入っているようだ。
 そんなふたりの個性という所で個人的におもしろいシーンがあって、外国方に話しかけられた後で、奏が響の英語を茶化したシーン。
 個人的にその奏はイヤミに見えたのだけど、響はそんな奏にアハハと笑うのだ。見ていて響は怒ってもいいんじゃないかと思ったのだが、よくよく考えてみと、奏のそれは茶化したのではなく彼女のお茶目だったのであろう。響は頑固で堅物な彼女がそんなお茶目をしたことに笑ったのだ。
 これまで見ていてあんまり無二の親友という感じがしていなかったのだけど、上記したことを見て「あぁなるほど」と思ったのでした。

 第1話からふたりの関係はだいぶ変わってきてはいるけれど、正直もうちょっとドラマチックにジーンとくるようなイベントがあってもいいと思うが、もしかして今回がそんなイベントであったのだろうか?話数的に。
 そうだったらちょっと寂しすぎるんじゃないのかなぁ。もっとでかいイベントがこの後にあることを期待したい。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「セイレーンと世を忍ぶ仮の姿エレン」でした。
 次回はセイレーンの世を忍ぶ仮の姿が変装するようだが……なんだかすごく可愛いんですけど。エレンよりもそっちの姿でいてくれた方が個人的には良いかな、とかちょっと思ってしまったよ。


第8話  チャララ〜ン!セイレーンのニセ親友大作戦ニャ♪

むしろセイレーンじゃなければ良いのに。

 そんな今回のお話は…
 響と奏の仲はどんどん良くなって、いいカンジ〜♪2人の仲がよくなればなるほどプリキュアのハーモニーパワーは高まるはず!
 ある日、響は、転校生のサクラという女の子に出会うの。実は、その転校生、サクラの正体はセイレーン!
 セイレーンは響の親友になって、響と奏の仲をワルくしようとするの!
 響のすきなものをしらべたセイレーンが変身したサクラは、響とすぐになかよしになっちゃった!
 その夜、セイレーンは次の作戦をはじめるの。奏の声になりすまし、響にでんわするの…。
 「親友も、ともだちもやめたい。いっしょにプリキュアもできない」
 そんなでんわをもらった次の日、響は、きゅうに柔道部のしあいにでることに。
 セイレーンのさくせんは成功しちゃうの…?響と奏はなかなおりできるの…?
 以上公式のあらすじ。

 お話はセイレーンのニセ親友大作戦で引き裂かれた響と奏が……という話ではなく、むしろセイレーンがメインの話であったりする。
 戦闘前のハミィとの掛け合いで「やっぱ親友とは良いもんだニャ〜」との言葉に、「お前が言うかハミィ!」などと言っていたことを考えると、おそらくはハミィの天然の所為でセイレーンに何か不都合があり裏切られたと思っているとかそんな感じなんだろう。
 そんなセイレーンがニセ親友大作戦を通し、本当は友達をほしがっていることを分かりやすく説明している。そんな感じなので響と奏は結構オマケっぽくはある。
 お話的なことは相変わらず随分と分かりやすく出来ており、上記したように実は友情を欲しているセイレーンという所を描いていておもしろくはあったのだけど、せっかくのニセ親友大作戦なら、奏の方にもスポットを当ててほしかった所ではある。
 奏は目の前で響をセイレーンの化けるニセ親友「サクラ」にとられているわけだし、何より奏はセイレーンの偽電話の件を知らないので、彼女はもっと逡巡する所があっても良いような気がします。
 そういった所があっての柔道の試合を見に行く奏の決心という所に意味があるし、響と奏の結びつきの強さを表せ、そこからそんなふたりの友情を羨むセイレーンが活きるだろう。もう少し先を突っ込められれば、お話としてもっと良くなったような気がします。
 まぁこの手の話として、オチが分かり切っているというのもあるので、もっとドラマチックでもよかったかなー。
 個人的にはそんなお話よりも、ニセ親友「サクラ」の方が気になっていたりします。

 というのは、このセイレーンの化けた「サクラ」をこの1話だけで終わらせてしまうのはちょっともったいないと思ったからで、どうせなら正体バレしないでこの「サクラ」をもう少し引っぱってもよかったんじゃないかと思う。
 ちょいちょいと仲を引き裂くという名目で出てきて、響と奏を困らせる役目と、間近でふたりの友情と接することで、そんなふたりを羨むセイレーンを見せることも出来るだろうし、色々使い勝手が良いと思うんだよなぁ。
 それになにより、響と奏がキャラクター的に今ひとつの自分としては、セイレーンではあるが故の二面性を持つこのサクラというキャラクターは見ていておもしろく、また正体が友情を欲しているセイレーンであることから、響の一挙手一投足にキュンキュンきちゃっている彼女は、綺麗に百合色に染まった脳を持つ身としても良い。
 今回なんかも響に抱きつかれて頬を染めていたり、演技ではあるものの、響を独占しようと策略をめぐらすサクラは見ていて楽しい。ついでに言うとビジュアル的にも主役ふたりより特徴があって可愛い。
 と、そんな感じで個人的にもうこの「さくら」というキャラクターが出て来ないのはとても残念だ。

 ちょっと気になるところとしては、相変わらずの戦闘のおまけ感が凄まじいことだ。
 まぁ日常パートあっての戦闘という部分もあるのでこんなもんなのかもしれないが、せっかく正体がバレて響が泣きながらの「サクラを本当の親友だと思ったのに!」との台詞にセイレーンが思う所があるような節を入れたならば、取って付けたような音符発見からのネガトーンに躊躇するだとか、その前に強がって反論するだとかすればいいのに。
 上記したように、もうちょっと突っ込めばもっと良くなるんだけどなぁ。なんかこう、もうひと味足りないという気になりますな。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「ハミィとフェアリートーン達」でした。小動物なんてどーでもいーなぁ。
 さて、次回はリズムがミラクルベルティエを出現させる話らしい。う〜ん。奏はもうちょっと可愛げがあればなぁ。ビジュアル的には好みなんだけどね。


第9話  ハニャニャ?奏に足りないものって何ニャ?

奏はこれくらい可愛げがあっても良い。

 そんな今回のお話は…
 わたしにも、メロディみたいに、ベルティエがあれば…。
 なやむ奏に、ハミィは、「きっと響のもつプリキュアのパワーがあふれてベルティエになったニャ!」と言うけど…。
 プリキュアのパワーって?奏は、響のパワーのヒミツをさぐろうと響の家へ。
 「わたしのパワーのみなもとは、ごはんだから!」とカレーをモリモリ食べる響。響のパワーのヒミツって、ごはん??
 食後は、得意なスポーツで体を動かす響。もしかして、スポーツがパワーのひみつ??
 奏は、響といっしょに走ってみるけど…。本当にこれでベルティエがあらわれるのかなぁ…。
 でもそんなとき、あらわれちゃったのはネガトーン!!
 響と奏はプリキュアに変身!まだプリキュアのパワーのヒミツがわからないままのリズムはどう戦うの…!?
 以上公式のあらすじ。

 お話としては、ベルティエを持っていない奏が、自分は足を引っ張っているとして、なんやかんやしてるうちにベルティエが出ちゃう話。冒頭からベルティエ云々言っているんだから展開としてそりゃ出るわなとは思うものの、もうちょっと突っ込んでも良いような気がします。
 その真面目な性格から、奏が自分は響に頼ってばっかりだと思い込み、あんまりどころかほとんど頼りにならないハミィの言葉から、響のプリキュアとしてのパワーを探ろうする日常パートは彼女の性格がよく出ていてなかなかおもしろかったんだけど、肝心のベルティエ出現までが弱くて盛り上がりに欠ける。
 販促玩具もといベルティエは、気持ちの強さが形になって……という事なんだと思うのだけど、メロディの時とは違い、今回のリズムからは彼女の気持ちの盛り上がりという部分をあんまり感じられず、随分と都合よく見えてしまった。
 せっかく奏が自分勝手に「迷惑をかけている」「足を引っ張っている」というふうに思っているのなら、アバンは夢の話ではなく実際に戦闘をさせてそれっぽい所を見せれば良いのではないだろうか。
 もちろん実際に足を引っ張っては話にならないので、奏が自分を悪い方へと思ってしまう、けど響はそんなことを思っていないという些細なすれ違いの中から、戦闘パートの「私、迷惑かけてばっかり」へ繋げてほしかった所だ。
 それにそのシーンも「迷惑かけている」に「仲間じゃん!」はあんまり繋がらないよなぁ。どうせなら響には「私がいつ迷惑だなんて言った!?」くらいの事を言って、ストレートに私はそんなことこれっぽっちも思っていないという事をぶつけていっても良いだろう。そこから一人で悩む事ないじゃん、ふたりでプリキュアでしょ。と、奏の悩みが杞憂であったこと、そしてそんな響を、ひいては大切な人達を守りたいんだという強い気持ちからのベルティエ出現の方が流れとしては良かったように思う。
 どうもひとつひとつが取って付けたようで、奏の心の強さが爆発するような高揚感が得られなかったのは残念だ。
 前回だかにも言ったが、もうちょっと深い所へ突っ込んでくれればいいと思う。

 個人的には日常パートの奏が可愛げがあってなかなかおもしろかった。
 真面目で頑固な彼女がベルティエを持っていない=プリキュアとして足を引っ張っていると思って、変な方向へ無理しちゃう辺りは、普段賢い彼女の割にやっていることがバカっぽくて、そのギャップと頑固故にこうときめたら最後までやっちゃう性格の空回りっぷりが見ていて楽しかった。
 学校のシーンでも、先生に褒められちゃったりする中学生としたら割とイヤミなタイプの優等生っぷりに「さすが南野さんねー」とか言われちゃったりするんですが、絶対裏で「でもそこがなぁ〜」とか言われていそうな所が良いな(笑)。
 頑固で融通利かない上に真面目だし、その上可愛いときているもんだから、隙がなくて取っ付きにくく何となく友達少なそうな感じの彼女が、今回の日常パートのよなバカっぽい所を見せてくれると、あぁこういう所もあるんだと印象が変わってくる。でも本人にそういうこと言うと、怒ってへそ曲げたりするんだろうな(笑)。そういう所が可愛げがないよなぁ(笑)。
 と、まぁ奏には今回くらいのバカっぽいというか、愛嬌があっても良いとは思うんだけど、なんかここまでくると、奏はその「可愛くない」所がキャラクターなんじゃないかと思うようになってきたよ。
 よくよく考えてみれば「可愛くない」プリキュアってのも初めてのことなんで、それはそれでいーんじゃないのかな。でも可愛くないプリキュアってのは、キャラものアニメとしてどうなんだという気がしますが(笑)。

 それとちょっと気になったんですが、伝説の音符集めは今回セイレーンたちが大量に捕まえてましたけど、アレで1ページ分もないのなら、あんまり「音符集め」という所は物語に関係が無くなっちゃうよな。
 初代から「話がアイテム集めに終始しないように」としているのだから、あまりそういった方向で期待はしていないのだけど、とりあえずの目標として「音符集め」があるんだから、何かしらに意味がある所を見せてほしいよな。
 しかし、1クール終わり辺りにハミィが「ふらりのおかげでこんなに集まったニャ」とか言って、いつの間にか大量に集めていそうで怖いな(笑)。
 まぁセイレーンたちがたくさん集めた所で、世界が不幸になるとかいうとっても漠然としたマイナス要因しかないので、なんかもうちょっとセイレーンたちがリードしちゃうとヤバいよ的なハラハラ感があった方が良いんじゃないですかねー。そういうのがないと、プリキュアが闘っている意味もあんまりないですし。
 その辺はもうちょっと先に進めば何か出てくるんかなぁ。なんかこのまま進んでいきそうで怖いんだか……。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「ゴリラに扮するハミィ」でした。いやもうネコだかなんだかよく分からない生き物はもういいよ……。
 ハミィは特にふたりに説教したりとか、良い方向へ導いたりとか、何かヒントを出したりとか、プリキュアが変身するための何か役割があるわけでもないし、音符を集めようとかの積極性もないしで、正直これほど居る意味のない妖精は初めてだ。
 たぶんセイレーンとのことで役割があるんだろうけど、もうちょっと存在意義ってのが通常時にもあってもよいのではなかろうか。


第10話  ウッホッホ〜!!響先生、幼稚園で大奮闘ニャ♪

むしろセイレーンの方が気になるよっ!

 そんな今回のお話は…
 幼稚園で歌をおしえることになった響と奏。学芸会にむけた練習のおてつだいをするんだ!
 王子せんぱいもいっしょだから、奏はごきげん!だけど、園児たちはてごわい!!
 言うことをきいてくれないし、歌を歌っても、ぜんぜん声がそろわないの…。
 何日たっても、まとまらない園児たち。
 でもある日、響が「ウッホッホ〜!」とゴリラのマネをしたらみんな大よろこび!園児たちも「ウッホッホ〜!」とゴリラのマネっこ。
 これは、ひょっとすると歌の練習につかえるかも!!今度は、響がゴリラのマネをしたまま歌いだすと、園児たちは…。
 いよいよ学芸会当日。響と奏もきんちょう!園児たちはちゃんと歌うことができるの…?!
 そこへ音符をうばいにセイレーンがやってきた!でも、セイレーンはいつもとちょっと様子がちがうみたいで…。
 以上公式のあらすじ。

 お話としては、ピアノを間違えずに弾けたので、目的達成とし終わりにしたらパパンが「音楽に目的はない(ドイツ語))とか言い出して、響こと奏に幼稚園で歌を教えることにして、その言葉通りのことを教える、といった内容なんだけど、そんないつも通りの分かりやすいお話よりも、冒頭書いたようにセイレーンの方が気になって仕方ねぇ。
 8話で友情を知り親友を欲しがり、今度は王子にだっこされ人の温もりを知る。なんだかんだで音楽を愛する彼女は、今回音符をネガトーンにすることを躊躇ったり、バスドラに「お前はもうリーダーじゃない」とか言われちゃったりと、そこかしこでフラグが立ちまくりですよ。
 どんどん中余暇よくなっていく響と奏と反比例するかの如く、セイレーンの方はやること成すことうまくいかない状況で、彼女はこれからどーなってしまうんだろうなぁなどと思いながら次回予告見たら……案外予想通りの展開だったりするのかな。
 しかし気にさせる所がプリキュアたちよりセイレーンってのはどうなのかしらと思わんでもない。なんか今回で一応昔みたいな仲に戻ったという事になったようで、ケンカ云々が終わってしまうと、特に何かしらないふたり(苦笑)がおまけになってしまうような気がしますなぁ。
 ふたりには特に欠けた要素が乏しく、これまでは唯一「絶縁状態であった」という所で展開できたのだが、それが埋まってしまった今、どうやってふたりを中心に話を作っていくと言うんだろうな。
 という所で今回の話になるんだけど、ふたりがケンカしないのなら、ふたりが色々なことを通して、周りの人たちの助言を受けながら様々のことに気付いたりする心の成長を、今回のように描いていくんだろうけど、なんかこう、弱いよな。
 どうも簡単に何かを見つけてしまっているような、見ていて「こいつらはこれで少し心が成長したんだなぁ」と思わせるような何かが足りない気がする。どうしてそう思うのかをちょっと考えてみたんだけど、失敗や挫折感みたいなものがないからじゃないだろうか。
 今回は一応そういう所はあるにはあって、子供達を上手く誘導できない部分がそれに当たるんだけど、それがふたりにとってとっても大事なことでもないので、見ていてどうでもいい感ってのはあるわな。
 どうせ子供達と最初うまくいかないというのを見せるのであらば、一発目でふたりが子供達から総スカンを食って嫌われてしまった方がおもしろかったように思う。
 そこから、響ならイヤになって「やーめた」とか言い出しそうだし、奏なら「なんでダメなんだろう」と真剣に悩むだろうし、投げ出してしまおうとする響に怒りもするだろう。そんな衝突を経ながらあれこれ悩み、試行錯誤して子供達と仲良くなることから始まり、それから歌うことの楽しさや音楽の素晴らしさをどう伝えるか、そうしている内にパパンの言わんとする所へ辿り着き、「やっぱこれからも奏と一緒にピアノ弾きたいよ!」「私も!」みたいなドラマチックさがあってもいいのではなかろうか。

 戦闘でもそんな感じで、変身してからのオマケっぷりは正直凄まじい。ピンチにピンチ感なく切り抜け、攻撃に高揚感がないのはどうか。
 どうも今作のプリキュアは「手を繋ぐ」という事に意味を持たせたいみたいで、結構そんな手が合わさるカットが多く見られるのだが、何故それを戦闘で使わないのか。
 今回ゴリラネガトーンに握りつぶされそうにになるのだけど、そこでお互い名前を呼び合い懸命に手を伸ばすくらいの事をしてもいいだろう。そして手を握り合って、今ひとつ要領の得ないハーモニーパワーとやらを発揮すればいいではないか。
 ハーモニーパワーはこれまで今ひとつ効能みたいな目に見える所がなく、とても概念的なので本当にそれが発揮されているのかどうか正直疑わしい。だからこそ、戦闘で手を繋ぐことでプリキュアがより大きな力を発揮する所を見せればいいと思う。まぁそういう安易な謎パワーに頼りたくないのかもしれませんが。
 あと攻撃する受けるという部分でも妙な軽さがある。今回ネガトーンに押しつぶされそうになるメロディというのがあるんだけど、どうも重いものを受け止めている感じがしない。せっかくだから、歯を食いしばってギリギリで踏ん張っているメロディというカットがあってもいい。
 攻撃するにしても、ヒットするまでのためのようなもの、振りかぶって拳に力をいれているカットを間に入れるだけでも随分違うような気がするんだけどなぁ。

 とまぁ、なんか全体的に文句ばっかりになってしまいましたが、基本的にもうちょっと足せばもっと良くなるのに、と思う所が多々あるよなぁ。なんか全てにおいてあっさりしているような印象だ。全体的に。
 プリキュアのスタッフはもっとがんばれる。と私は思っているんですけどね。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「キュアミューズとフェアリートーン」でした。
 次回はようやく謎の覆面プリキュア「キュアミューズ」の登場のようです。しかし……あんまカッコよくないなぁ……。


第11話  ギョギョギョ!謎のプリキュア現るニャ!

おぉ、上手いことやっているなぁ。

 そんな今回のお話は…
 今日はなんだか、商店街がとってもにぎやか!あちこちから、歌声や楽器の音がきこえてくるの。
 そう、あしたは加音町の「音楽じまん大会」!響と奏も2人でいっしょにピアノの演奏で出場するんだ!
 当日、とけい塔の前のひろばには、楽器を持った人たちでいっぱい!
 いよいよ大会がスタート!ところが…ステージには、トリオ・ザ・マイナーのすがたが!
 音楽を愛する人々を悲しませるなんてゆるせない!!響と奏はプリキュアに変身して、ネガトーンに立ち向かう!
 …でもこんどのネガトーンはてごわく、プリキュア大ピンチ…!
 以上公式のあらすじ。

 お話的には覆面プリキュアことキュアミューズって誰なんだろうねーっていう話で、さしておもしろい話でもないんだけど、冒頭書いた上手いことやっているってのは、その「誰なのか」と言う部分で上手いことやっているのである。
 当然これまでミューズが某あったわけでもなく、ここで誰々じゃんみたいなバレバーレではいかんわけで、ここ最近の流れからセイレーンかな?と思わせつつ、学校の先輩でありスイーツ姫の二つ名を持つ聖歌であったり、響の友人和音(わおん)、そして奏の弟奏太のクラスメイトでツンデレ小学生のアコなどを登場させ、「もしやコイツらのうちのどれかなのか?」とキュアミューズの正体をはぐらかしているという点でうまいことやっている。
 もし今回聖歌や和音、アコが出て来なかったのなら十中八九セイレーンなのだけど、私のように初の小学生プリキュアとしてアコならいいのにとか思っている身としては、どうしても期待してしまうのである。
 とはいってもイメージカラーの黒といい、アコらの取って付けたような登場といい、今回の何かありそげなセイレーンといい、このアニメの捻りのないストレートさから、普通に考えればセイレーンではあるんだけど(笑)。

 そんな今回のお話としては特に某なく、キョアミュースが登場しましたよ以外がなく面白味に欠ける。
 突然ポスターが張り出された音楽自慢大会に出場しようとしたらトリオザマイナーの罠でした。なんかネガトーンが強いらしくて何となくピンチになったらミューズ出てきた。みたいな話である。
 まぁ今回のメインとしてはミューズなのだから、まぁ間違ってはいないと言えばいないんだけど、どうもピンチ感はないし、ミューズの登場は高揚感に欠けるし、お話としても思う所が今回はないよなぁ。
 Aパートは音楽自慢大会があるんだー出場しよっかー楽しみだねーだけだし、Bパートからの戦闘は上記したように特にピンチ感を感じない。戦闘なんかはミューズが出なくたってなんやかんやで「ハーモニーパワーニャ!」とかいってそのまま普通にやっつけちゃいそうないつも通りの戦闘で、絶体絶命なメロディとリズムという感じには見えなかった。
 ミューズの登場にしたって、リズミカルな動きとかネガトーンのリズムを読み切っているとか言っていた割にはそんなふうに見えないし、特にカッコいいアクションがあったわけでもない。
 特に気になったのは時計塔(?)のおもちゃの楽隊である。バスドラによってなんかなったようなのだが、それがどのような効果があったのかがさっぱり説明がないし見ていて分からなかったのだ。
 突然ハミィがおもちゃの楽隊をなんとかしないとみたいなことを言い出し、なんか分からんけど音吉さんが直してしまうしで、一体なんの意味があったのか本当に分からなかったのだけどこれでいいのだろうか。
 まぁ何度も言ってますけど、今回は「ミューズが登場する。正体は分からない」という事がメインなので、上記したようにセイレーンと思わせつつも、もしかして彼女以外?といいのかもしれんが、これまでの感想でも言ってきたように、何かもうひと味欲しいところである。

 どーでもいーんだけど、このスイートプリキュア♪で私の一番のお気に入りキャラはアコだったりする。このアニメのキャラの中で一番可愛げがあるよなぁ。ちょっと生意気な所がそそる(笑)。
 なんか悪いお兄さんたちに拉致されて18禁同人誌的なことをされてしまう妄想をしてしまう変態はきっとオレだけではないって私、信じてる!(ブッキー風に)
 そういうこともあって(?)アコがプリキュアだと個人的にいろいろと嬉しいんだけどはてさて。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「ラクガキ風のメロディ、リズム、ミューズ、黒いドリー」でした。
 ちょっとおもっているんだけど、いつもサブタイの先頭についている擬音、今回で言うところの「ギョギョギョ!」とかなんですけど、そのうち言うことが無くなって訳の分からない擬音になりそうな気がするのはオレだけだろうか。
 最後の方には「ニャラルトホテップー! プリキュア怒りの大爆発ニャ!」みたいな感じになりそうだよね(笑)。


第12話  リンリーン♪キュアミューズのこと教えて!

この流れってことはセイレーンの線は消えたか。

 そんな今回のお話は…
 キュアメロディとキュアリズムのピンチをたすけてくれた謎のプリキュア・キュアミューズ。
 でも…ミューズはこう言ったわ。「べつに助けたわけじゃない」「わたしはだれの味方でもない」いったいどういうこと?
 仮面をかぶっていて、キュアミューズが誰なのかもわからない。ハミィはメイジャーランドの女王アフロディテに聞くけど、やっぱり謎のまま…。
 響と奏はキュアミューズのことが気になってしかたがない!正体はもしかして…
 そんなとき、トリオ・ザ・マイナーとハミィが車の中に音符をみつけて取り合いに!するとバスドラが車をネガトーンに変えてしまったわ!
 かけつけた響たちはプリキュアに変身!!そこへ、ふたたびキュアミューズもあらわれて…。
 以上公式のあらすじ。

 なんか要領を得ないあらすじですが、今回のお話としては、キュアミューズの正体をセイレーンと思わせておく。的なお話で、日常パートは割とコメディ風でその点ではおもしろかった。
 まぁ内容としては、響は友人の和音、奏は先輩である聖歌、バスドラはセイレーンが怪しいと思っていて、メイジャーランドのアフロディテもマイナーランドのメフィストも、まぁ結局誰もが真相に辿り着かないってだけの話で、ミューズは誰なんだろうねーというところの中で、ハミィがひとり「自分は頼りないリーダーだニャァ」などと勝手(笑)に思うという内容だ。まぁ正直に言うと内容はさしてない(笑)。
 特に何かしらのヒントがあったわけでもなく、ミューズは誰かというところで今この時点でセイレーンかと大々的に言っているということは、正体バレした時に「○○だったのかーっ!」という驚きが無くなっちゃうので、むしろセイレーンの線は消えたと見るべきだろうな。
 同じ理由で和音、聖歌もこの時点で響と奏が疑っているというのなら、残る線はアコかまだ出てきていない新キャラなんだろう。
 個人的には、なんか含みのある音吉さんの孫であろうアコが設定的にもクサいし、そうだと分かった時に結構なインパクトがあっていいと思うのだがはてさて。

 まぁミューズの正体はそのうち分かることなのでとりあえず放っておくとして、今回のお話としてはハミィが自分をリーダーだと思っていたことがとても意外であった(笑)。
 この感想でもいつも「役に立たない」とか「頼りにならない」とか言っておりましたが、やっぱり響と奏もそう思っていたようで(笑)、そんな言葉を口にされ、がーん!とショックを受けているハミィに「えっ?お前、自分がリーダーだと本気で思ってたの?」と思ってしまいました。そういうヌケてるハミィも見ていてだんだん慣れてきて、そんな小動物の一連の流れを割と楽しく見させてもらいましたよ。
 そういった流れの中でちょっと気になったのはアフロディテである。第1話でも思ったのだが、この人はあんまり世界の平和を祈っている聖女や女神という感じがしないよな。
 今回ハミィがミューズのことを聞いたときも知らなくてはぐらかしたりと、エラい立場にはいるけど光を指し示すような威厳みたいなものはない。
 そもそも、悪役であるマイナーランドの連中も、どぎつい悪どさを発揮するわけでもなく、イメージ的にマイナーランドは悪いって感じがするだけだし、そのメイジャーランドとマイナーランドの対立構造も判然としていなくて、そういった観点からしてもプリキュアが戦わなくてはいけない理由として弱い。どちらも音符集めに必死になっていて、世界が幸せだ不幸だという以前に、アフロディテもメフィストも相手にただ負けたくないだけっていう印象だなぁ。そんな印象なので、プリキュアがいいように音符集めに利用されているように感じられるのは正直どうかと思う。
 戦うからにはしっかりした理由が欲しく、プリキュアが最終防衛ラインであり負けられないというところを示してほしいところだ。
 今のところでは、プリキュアが負けたところでせいぜいみんながネガティブ思考になるくらいのことでしかないからなぁ。しかも、響の父みたく「楽しい音しかわたしの耳に入らない!」とか言って不幸のメロディの効果がない人もいるわけで、ちゃんと自分をしっかり持っていれば特に何ら問題ないことは実証済みだもんなぁ。これでいいのか?と思ってしまいます。

 さて、プリキュアと言えば戦闘!という言葉は随分昔の話になってしまいましたが、このスイートプリキュア♪の戦闘のオマケ感は正直凄まじいの一言だ。
 今回は一応ベルティエを分割し新技の披露をする回でもあったのだが、この高揚感の無さはある意味すごい。
 いつも思っていたんだけど、どうも「戦っている」という感じがしなくって、動きやカット割り、構図などが日常パートとそう変わらないのはどうか。
 せめてもうちょっと力強さや迫力が欲しいですな。マジでもうちょっとがんばれ、東映アニメーション。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「キラキラ顔の奏とそんな彼女にあきれ顔の響」でした。
 この奏、可愛いなぁ。奏はビジュアル的にはすごく好みなんだけど、もうちょっと可愛げがあればなぁ。もっと明確な弱点のような欠けた要素を作って隙を見せればいいと思うのだが……。


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