スイートプリキュア♪ 25〜36話

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第25話 ヒュ〜ドロ〜!エレンの弱点見〜つけたニャ!

これでまた三人は仲良くなりました。みたいなお話。

 そんな今回のお話は…
 今日は加音町の夏祭り!アリア学校の校庭には、いろいろな屋台が出ていて大にぎわい!
 そんな様子をゆかた姿のエレンが、こっそりのぞいていると、「キャア〜〜〜〜〜〜〜!!」とうい悲鳴がきこえてきた!
 もしかしてネガトーン?!急いでかけつけると、こんどはエレンが、「キャア〜〜〜〜〜〜〜!!」いったいどうしたんだろう?!
 エレンをおどろかせたのは、どうやら響と奏!ふたりにそんなつもりはなかったけど、エレンは、響たちにイジワルされたと勘ちがいしちゃうわ。
 エレンが悲しんでいると、王子せんぱいがやってきたわ。そこでエレンは、響と奏がイジワルでやったのではないことを気づかされるの。
 仲直りしようと響たちをさがしていると、またまたエレンが、「キャア〜〜〜〜〜〜〜!!」こんどは、トリオ・ザ・マイナーのしわざだったみたい!
 でも、また響と奏のしわざだと思い込んでしまったエレンは、本当に怒ってしまうの…。3人は、このまま仲直りできるの…!?
 以上公式のあらすじ。

 仲直りイベントのようなそうでないような、そんな微妙な話だったような。
 まぁ、仲直りイベントではあるものの、三人ががっちりと各々の思いを確かめ合って……みたいな話ではなく、割とセイレーンひとりの中で完結してしまっているような感はある。
 お話の流れとしては、引用したあらすじにあるように、そんなつもりではなかった響と奏に怒ってしまうセイレーンを見たトリオザマイナーが、また同じようなことをしてセイレーンとの仲を引き裂こうと画策するも、「泣き虫ビート」「プリキュア失格!」などと響と奏が言うはずないと、ワザと彼らの芝居に引っ掛かって「敵を騙すにはまず味方から」みたいなことをする。
 仲直りイベントであるならば、むしろ騙されてしまって、後に「響たちじゃなかったんだ」→「ゆるせない!(×3)」の流れ出いいと思うのだが、上記した通り、響と奏はそんなこと言わないと、すでに確立した友情をセイレーンは信じているという確認的イベントにもなっていて、イベントとしてはどっち付かずな印象を受けた。その辺の盛り上がりのなさは相変わらずなのちょっと残念であった。
 しかし、これまでハミィしか友達のいなかったセイレーンにとって、友達の接し方みたいなものを理解しておらず、モジャ毛王子こと王子先輩に諭されて、ただ仲良しってだけが友達じゃないんだよーということを、友達初心者のセイレーンが経験値を溜めて、最後には最初に怒ってしまったことをふざけ返し友達レベルがあがった様子を描いているのは良い。
 そう考えると、仲良しイベントというよりは、セイレーンの人としてのレベルアップ話であったのだろう。そういう観点から言って、お話云々というよりは、セイレーンを観察するようなお話であったなぁ。
 もうちょっと「友情」という所で盛り上がりがあれば良いんだけど。

 個人的には気になるところが多々あって、まずはハミィがセイレーンは恐がりでお化けが苦手を響と奏にばらしてしまうシーン。コレすごく違和感ありませんかね。
 ハミィにとってセイレーンは絶対無二の大親友で、セイレーンがどんな状態であれ、どんな言葉も信じて疑うことがなかったのは、ビートになる云々の頃にこれでもかと印象付けていた。それを踏まえて考えると、「誰にも言わないで」と言われた恐がりのことをハミィがあんな簡単に喋ってしまうとはちょっと思えない。
 まぁ確かに大したことではないんだけど、それまでに愚直なまでにセイレーンの言葉を信じるハミィを見せてきたのであれば、やはりそんな簡単に口にすべきことではなかった。
 なんか絵柄もいつものハミィと感じが違うのもあって、ハミィがニセモノのように見えてしまいましたよ(笑)。
 それと最近オマケ感のある響と奏なんですが、どうも彼女らがふたりでひとつの個性みたいに見えるのが今ひとつ気に喰わない。
 そもそもプリキュアは、違う個性をお互いに認めて、それぞれ思いは違っても気持ちは繋がっている。というのが言いたい所のひとつであって、見ている側としても、この子はこう、あの子はああするけど大事な所で一致団結し困難に向っていく様子を見たいのだ。今回で言えば、響には響なりの、奏には奏なりのセイレーンへのアプローチがあっても良いように思いました。
 あとどーでもいーっちゃぁどーでもいーんですけど、セイレーンってどこから浴衣を調達してきたんですかね?ってゆーか今どこに住んでいるんでしょうか?
 こんなこと気にしているのはきっとオレだけではなく、たぶんメインターゲットの皆さんも気にしているような気がしますけどねぇ。

 ちょっと文句ばっかり言ってきたので良かった所でも。それはこれまでオマケ以外の何物でもなかった戦闘が、ビート加入から随分と戦闘らしくなったこと。
 展開的にもそれまでの困ったら「音符発見→出よネガトーン!」でなくなったのもあるし、戦闘でもちょっと動たらすぐ技バンクみたいなのもなくなり、ちゃんと戦闘内での展開があって、とりあえず技ぶっ放して終わることもなく、ピンチの後にチャンスを作って終わらせているのは良い。
 きっと内部的に誰かのアドバイスでもあったのか三人一緒になった変身バンクからも変わった印象を受けて、これまでのメロディリズムの変身バンクよりもカメラワークが凝っていて、カメラ回しやアップになるまで寄ってフレームアウトしたりと、見ていて楽しい画面になっている。
 ちょっと遅過ぎた感はあるものの、後半戦は何とか盛り上げていってもらいたいものだ。
 どーでもいーけど、歴代で一番好きな変身バンクはダントツでハートキャッチです。馬越さんは天才ですよホント。あの愛らしさと画面のおもしろさは必見。見てない人は是非。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「フェアリートーン」でした。
 次回はそのフェアリートーンをメインにした話のようですが、コイツらってけっこう人前でふらふら飛んでいるよねー。ハミィも人がいるような所で普通に喋ったりするし。  こーゆー細かい所気にしているのってオレだけなんですかねぇ。

第26話 ピポパポ♪フェアリートーンの大冒険ニャ♪

絵が綺麗だと思ったら、作監が稲上晃氏だった。さすがの上手さである。

 そんな今回のお話は…
 ドリー、レリー、ミリー、ファリー、ソリー、ラリー、シリー♪フェアリートーンのみんなは、いつもも仲よし!!
 小さいけれど、みんなのチームワークがあれば、なんだってできちゃうの。
 今日は、響たちといっしょに朝から音符さがし!でも真夏の暑さはハンパじゃない。バテないように、響たちは駄菓子屋さんでひとやすみ。
 その間、みんなそろっているか点呼をとるフェアリートーンたち。すると、レリーとラリーがいないことに気づいたの!
 そこへ現れたトリオ・ザ・マイナー。バリトンは、駄菓子屋さんの扇風機をネガトーンに変えて、夏休みの子供たちを悲しませているわ。
 なんだかいつも以上に凶悪そうなトリオ・ザ・マイナー。レリーやラリーがいないと、響たちがプリキュアに変身できない!
 はやく見つけなきゃ!残ったフェアリートーンたちがいなくなったレリーやラリーを探す大冒険に!
 以上公式のあらすじ。

 正直に言うと上記引用したあらすじはあまり正確ではなく、フェアリートーンが特に大冒険する話ではない。ではどういった話かと言うと、普段は見えていませんが、フェアリートーンたちは何となく役に立っている。という普段あんまり目立たない彼らにスポットライトを当てた話である。
 そんなわけで、サブタイの「大冒険」という何かがあるわけでもなし、何となくフェアリートーンが前に出ているような感じのお話で、上記したようにただフラフラ浮いているだけではないって所を見せるのがメインのようなそんな感じで特に某はない。
 むしろそれ以外の方が物語的には重要で、トリオザマイナーが悪のノイズでパワーアップしたとか、その影響でネガトーンがちょっと強くなったらしいとか、ドリー、レリー、ソリーの中に入っていた音符を捕えられた際に奪われてしまったり、それを響たちに言い出せなかったり、今回の最後に響が謎の声を聞く、などのメインでない方がポイントだったりする。
 そう考えると、見せなければならないことは多く、それでも割と無理なく見せている脚本のスムーズさはよくやっていると言える。さすが成田良美。
 そんななか気になった所と言えば、トリオザマイナーのパワーアップだろうか。彼らがパワーアップしたのは正直別にどうでも良くて、彼らの耳に付いているのがメフィストに付いているのと同じだということだ。
 以前にも書いたが、やっぱりメフィストも黒幕みたいなのに洗脳されているんじゃないですかねー。
 今回突然出てきた謎の声も、音符を集めるだけではダメだと警告のようなことを言っていたし、そもそもこのスイートプリキュア♪のテーマのひとつが友情であることから、メフィストをその黒幕と悪のノイズから解放し、おそらく元々は仲が良かったであろうメフィストとアフロディテの仲を取り持つようなことをしないといけないような展開になるような気がしますな。そして最後は悪の元凶を立つ!見たいな流れなのではないだろうか。
 まぁそんな私の予想はともかくとして、新たな展開が出てきたのは、これまでの「ケンカして仲直り→出よネガトーン!」でなくなったのは良い。
 そういえば、今回の戦闘への流れなんですが、あんなすぐ近くにあった扇風機に隠れていた音符を見つけられないとは、セイレーンとハミィは何していたんでしょうね(笑)。さすがにそこはツッコンでしまいましたよ。気付いとけよ、と。
 新たな展開と言えば、響だけが聞こえる謎の声ですよ。日高のり子さんではないのでアフロディテではないわけですが(まぁ彼女であるならばそんな謎めいたことをする必要がありませんしね)、まぁプリキュアに聞こえるんだから、きっとおそらくいるであろう黒幕とは対極にいるんでしょう。
 物語的に、メイジャーランドとマイナーランドの対立だけであったこれまでより、それよりも大きな何かを感じさせるのは良い。メイジャーとマイナーの対立構造だけでは妙にスケールの小ささを感じるし、そもそも音符関連も世界を幸せにする不幸にするという漠然としたものであるから、そろそろしっかりと明確なみんなを守る理由が欲しいところ。何度も言っているけれど、なんか変な音波で悲しくなるくらいなら、別にプリキュアが助けなくてもどうとでもなりそうな気がするしな。よく考えると響ママンがそれやっちゃってるし(笑)。
 なんにせよ、新たな展開でセイレーンとハミィ以外で盛り上がろうにも盛り上がれなかった展開を良い方向へ持っていってもらいたいものです。

 さて、プリキュアと言えば戦闘。第3クールに入ってから随分と戦闘らしくなってきましたが、まだなんかもうちょっと足りないような気がしますな。
 というのも「ピンチを助ける」というシーンが少ないような気がして、メロディ・リズムとビートが各々戦っているようなそんな印象。
 今回を見ると、それでもこれまでと比べ仲間のピンチを寸ででレスキューというシーンがありはしたものの、一丸となって戦っているという感じはあまりしない。
 攻撃するにしても三人一緒でとか、ひとりのピンチにふたりが力を貸すとか、そういった仲間だからこその連携が見たい所。今回で言えば、ビートバリアでメロディとリズムを守るシーン。敵の攻撃が力を増し押されるビートに、メロディリズムがビートの背中を押すようなことがあったり、バリアが破られるなら、ギリギリまで粘るビートを抱えて破られる寸前で横っ飛ぶなどの、プリキュアお得意の「ひとりで出来なくとも仲間と一緒ならきっと出来る!」「私たちは絶対あきらめない!絶対負けない!」を体現してほしい。

 どーでもいーけど、プリキュアって「勝つ!」ってこれまでのシリーズでも一回も言ったことがないのが良いよね。
 勝ちたいんじゃない、彼女たちは守りたいんです。だから「絶対に負けない」のだ。勝利は目的ではなくただの結果なのである。
 お子様と一緒にごらんになっている親御さんは、是非その辺のことを説いてやっていただけると、お兄さんは日本の未来に希望が持てます。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「目覚まし時計を持っているハミィ」でした。
 次回は30分で世界を救うとか銘打っており、毎週やっていることをちょっと現実と照らし合わせてみるみたいな、ちょっとおもしろそうな企画である。上手いことやってくれればいーんですが。


第27話 カチッカチッ!30分で世界を救うニャ!

企画はおもしろいが、今ひとつ内容な無いな。

 そんな今回のお話は…
 きょうは、みんなでハイキング!朝9時には、奏の家に集合することになってるの。
 ハミィは、エレンをむかえに、しらべの館へ行ったわ。そこでハミィとエレンはバリトンをみつけたの。
 どうやらバリトンたちは、たった30分で世界を不幸な音楽でいっぱいにする作戦をたてているみたい…。
 エレンがバリトンたちのあとを追うことにして、ハミィは響たちに知らせに走るわ。「トロイのもくば作戦」っていったい・・・。
 エレンはバリトンたちの作戦をとめようと、ひとりで立ち向かうけど、「五せんふ」でしばられて、動けなくなってしまうの。
 そこへ、響たちがフェアリートーンといっしょにかけつけた!エレンを助け出して、3人はプリキュアに変身!!
 ところが、いつも以上にてごわいネガトーンに大苦戦!ネガトーンがパワーアップしている…?!
 以上公式のあらすじ。

 あらすじを見ると、手強いネガトーンに何かありそげですが、特に何がどうこうはなく、ホント冒頭に書いたような内容。
 放送時間の30分(まぁ実際は23分ほどだが)に、劇中でも30分という縛りを付けて関連づけるんだけど、正直あんまりこの時間制限がお話としてそれほど重要でなく、8時30分に起きた響が9時のハイキングの集合時間に間に合わせるとか、正直少々遅れた所で何のペナルティもないから「間に合わせなくては!」みたいなハラハラ感はないよなー。
 どうせ30分という縛りをつけるんなら、やはり遅れたらなにかヤヴァイ状況を作っておくべきだろう。そういうなかで、プリキュアの三人が短い時間的制約の中で工夫し協力して事を成すか、が、おもしろいんだと思うんだけどなぁ。
 今回のお話では、劇中時間での30分という縛りがある所為か、ハイキングの集合時間に間に合うのか?だけに焦点があって、その他の部分にプリキュアらしい何かがないのも残念。
 上記したように遅れて何かあるならばもうちょっとドラマチックになったような気もしますが、ペナルティがないのなら、何がなんでもそのハイキングの集合時間に合わなければならない何かが欲しいところで、例えばセイレーンがあんまりハイキングを理解していないシーンがあったので、前々からすごく楽しみにしていた回想を付け加えて、響と奏がセイレーンに楽しんでほしいと思っているみたいなのがあれば、トリオザマイナーとの戦いに理由が出来るというものだ。
 そもそもちょっと気になって入るんだけど、このスイートプリキュア♪は「プリキュアになった」からには「みんなのために戦わなければならない」みたいなのがあるよな。まぁ確かに設定的に正義のスーパーヒロインなのだから当然と言えば当然なんだけど、ちょっと現実的に考えて、プリキュアになったからといって、どうして響たちがその身を呈して世界を守らなければならないのか。なんで響きたちはそんなふうに考えてしまっているんでしょうかね?
 個人的観点なんですが、「プリキュアだから世界を守る!」はどうも取って付けたと言いますか、ウソ臭さを感じてしまうんですよね。だって「プリキュア」と「世界を守る」だけ見ると関連性あんまりないもの。
 ではなにがそのそれを結びつけているのかと考えると、それは悪いヤツが悪い事するからで、プリキュアたちはそれが許せないわけです。スイートプリキュア♪はそこが弱い。見ていてプリキュアたちに「悪役の野望を止めてくれ」と思わせてくれないんですよね。
 元々プリキュアはその名の通りプリティにキュアするのが目的で、プリキュアに変身する普通の女子中学生が、身近な誰かの心をプリティにキュアし、近しい大切な人達を守る事が「結果」として世界を守っている、という構図であった。
 そうであるからこそ劇中に起こる問題などは、見ている者にとって共感出来得るものであったし、等身大の主役達どうそれを乗り越えるのか、また、そこにつけ込んでくる悪役に激昂するプリキュアに感情移入出来るのだ。
 しかしこのスイートプリキュア♪はなんだかよく分からない幸せ・不幸にするメロディの獲得合戦に巻き込まれ、失敗すれば世界が不幸になってしまうという、漠然としつつも巨大な使命を背負っており、正直ピンと来ないんですよね。もう何度も言ってますが、悪役たちがする事と言ったら聞くとネガティブになる音波を出すだけだし。
 そして身近な誰かを守るでもなく、不特定多数を使命感だけで守って戦っているような印象で、毎回「許せない!」とか言っておりますが、「ホントにお前らそこまで許せないと思ってる?」とつい考えてしまう。
 例えば、みんなが楽しみにしていた学園祭にネガトーンが現れた。不幸の音波でそれまで楽しんでいたみんなが泣いた。「許せない!」というのと、その学園祭でなんかイベントをしようとしている子がいたとして、緊張のあまり自信ををなくしてしまったその子を響きたちが何とか励まして背中を押し、「わたしやってみる!」となった所でネガトーンが現れせっかく取り戻したやる気が失われてしまった。「許せない!」ではどちらの話に共感するだろうか。「プリキュアだから世界を守る」ではなく、「大切な何かを守りたい。私たちは偶然にもその力を授かっている」であってほしい。
 プリキュアは無条件に世界を救う絶対的存在ではなく、等身大の身近な変身ヒロインだからこそ、魅力があるのではないだろうか。

 さて、あんまりお話の方に触れなかったのでちょっとだけそっちの方も。
 セイレーンが仲間になってから、「彼女は一体どこに住んでいるのか」とこの感想で気にしておりましたが、ようやくヤサが割れて、どうも謎の人物音吉さんの計らいで調べの館に住んでいるようだ。
 でも調べの館ってさー、結構町から外れたような場所にあったよね。しかし海にいった回では窓が通りに面していたような……まぁそーゆーことを気にしてはいけないんでしょうが(笑)。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「セイレーンへのプレゼントを差し出す響と奏」でした。
 次回はセイレーンが学校へ通うお話のようで、人間世界初心者の彼女がどうなるかちょっと楽しみだ。予告を見ると張切り過ぎちゃうようだがはてさて。


第28話 ドキドキ!エレン初めての学校生活ニャ!

なんだろう。さして内容がないような……。

 そんな今回のお話は…
 夏休みが終わって、もうすぐ新学期。響や奏は、もうすぐ学校のみんなと会える!とソワソワ。
 そんな2人を見たエレンは・・・「私も、学校へ行きたい!!」
 音吉さんのおかげで、エレンも新学期から響と奏の学校へ行くことが決定!さっそく響たちは学校の楽しさやルールをエレンに教えてあげるの!
 いよいよ、エレンはじめての学校の日。でも…緊張してねむれなかったみたいでなんだかグッタリ。響と奏は、そんなエレンをヒヤヒヤしながら見守るわ。
 さっそく、教室のみんなの前で「じこしょうかい」をすることになったけど…。
 休みじかん、クラスのみんながエレンに質問こうげき!! 1つずつ、ていねいに答えていくエレンだけど、急にフラフラ〜・・・とダウン…。ほけん室に運ばれちゃったわ。
 窓の外からしんぱいそうにエレンを見ていたハミィは、ほけん室のくすり箱に音符を発見!それなのに、近くにいたバスドラがくすり箱をネガトーンに変えてしまった!
 響、奏、エレンは急いでプリキュアに変身!ところが、こんどは、次々に、フェアリートーンたちがたおれていく。フェアリートーンに一体なにが…!?
 以上公式のあらすじ。

 お話としてはセイレーンがが学校に通うことになった事と、次回プリキュアの皆さんがメイジャーランドに行くことになった事が分かれば良い、といった感じ。
 今回のお話のメインはサブタイ通りセイレーンが学校へ行くことなのだが、それで特に何もないのはどうなんだ。
 まぁ正確に言えば何事もなかったわけではないのだが、クラスメートとの親睦云々よりも、初めての人間世界の学校にどうしたら良いか分からないセイレーンに、自己紹介の仕方を教える響と奏に随分時間を割いていて、せっかく響と奏以外の友達が出来るセイレーンという所で何もないのだ。
 先述したようにクラスメイトと云々という部分はほとんどなく、響と奏が教える自己紹介の仕方を上手く理解できなかったセイレーンというコメディが大部分を占めており、寝不足で倒れてしまったセイレーンにクラスメイトは心配していました、だけで何をどう思えというのだ。そもそもなんでクラスメイトは保健室じゃなくて外(保健室の外ではなく学校の外)で待っているんだか(笑)。
 初めての学校にどうしたらいいかよく分からない、クラスメイトと仲良くしたいと思っているセイレーンというのがあるのなら、そこをガッツリ見せるべきなんじゃないのだろうか。やっぱりここはクラスメイトとなんやかんやあって、セイレーンはクラスのみんなと打ち解け合いました。めでたしめでたし。が普通であろう。
 そうやってプリキュアが「守る」存在が増えていくからこそ、「だから世界を守るんだ」に繋がってきて、物語の最終的な世界を覆い尽くすような悪に立ち向かっていく原動力となっていくフラグであるべきだろう。
 ひとつひとつの思いが繋がり、やがてそれはプリキュアが守りそして彼女らを大きく支える存在になっていく。そういう積み重ねが大事なんじゃなかろうか。毎回同じような事をする、いわゆるループ的な、悪く言えばワンパターンになってしまうこのアニメの系統としては、毎回同じような事をやっているからこそ、そうして積み上がっていくひとつひとつを、最後に思い返せば「こういう事もあった」「ああいう事もあった」だからプリキュアはどんな状況であれ諦める事無くこの困難に立ち向かっているんだ、と思わせる要因であってほしい。
 戦闘も第1クールに比べれば随分と「戦闘」しているのだが、今回はとてもわざとらしさを感じてしまった。
 今はどうか知らないが、幼少の頃見ていた五人戦隊ものの戦闘みたいな、こう来たらこう返すのような、決まり事をやっているように見えてしまったよ。毎回同じような事をやっているとはいえ、それを感じさせない戦闘内での展開というか、バリエーションが欲しい。

 物語としましては、ちょっと前から響に語りかけていた謎の声が、今ひとつよく分からない「クレッシェンドトーン」である事が判明し、まぁそれはおそらくBパートのアイキャッチに出てるヤツなんだろうが、次回メイジャーランドに行ってそれにあって、プリキュアをパワーアップさせるかなんかの力を与える販促玩具を手に入れるのであろう。でもそれっていまひとつピンと来ないよな。
 いきなり響だけに聞こえる声がするってのはまぁ、それで3話くらい引っぱって前フっているからいいのだが、今回突然その声はクレッシェンドトーンだ!メイジャーランドに行くぜー!は「なんか急だな」と思ってしまう。
 せめてここに辿り着く前に、謎の声は一体なんなんだ?みたいな話があってもよかろうと思う。要するに前フリが弱いような気がするな。
 まぁメインスポンサーさまの戦略もあって、何をどうあっても販促玩具を組み込まなければいけないのは重々承知しているが、どうもここ数年は後発の販促玩具が強引に入り込んでくるような印象があっていかん。まぁ詮無き事なのかもしれんが。

 他、気になった所と言えば、まずは謎の人物「音吉さん」であろうか。
 住民票や本籍なんかは当然無い異世界の人物を普通に学校に通わせる事が出来てしまうんだから謎以外の何者でもないよなぁ。割と最初の方に出てきた割に、この人の素性ってこれっぽっちも分かっていない。この人は物語にちゃんと関わってくるんでしょうかね?なんかスルーされそうで怖いんですけど。
 お次ぎはフェアリートーン。というか音符。ようやくトリオザマイナーに音符とられた事が明るみになりましたな。
 まぁ正直、その辺のどうせ最終的には全部集まる音符なんてどーでもいーんですけど、言いたいのは「音符集め」ってもしかして最後の方までやり続けるのかってことですよ。
 全部そろって伝説の楽譜がないとダメなのもさることながら、その過程で集まっていく事への期待とか途中での達成感とかがないので、物語の核を形成するひとつではあるのに、集めている事にあんまり意義を感じないよな。
 MaxHeartも12のハーティエルを集めなければいけなかったんだけど、物語がアイテム集めに終始しないようにしてあったのだが、このスイートプリキュア♪はモロアイテム集めに終始している感があり、しかも上記したように期待や達成感がない。どうせ終始するのなら集まっていく事でのメリットなりなんなりを提示すべきなんじゃなかろうかねぇ。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「メイジャーランドへ続く道を飛んでいくハミィとセイレーンと響奏」でした。
 まぁ販促玩具回なので、あんまり期待する所ではないかなぁ。


第29話 ハラハラ!メイジャーランドで宝探しニャ♪

予想に違わぬ内容であった。

 そんな今回のお話は…
 なぞの声の主・クレッシェンドトーンにみちびかれ、メイジャーランドへ行くことになった響たち。そこで、女王アフロディテから、クレッシェンドトーンについておしえてもらうの。
 クレッシェンドトーンは、伝説のアイテム・ヒーリングチェストにやどる音のせいれい。ヒーリングチェストはメイジャーランドの宝として大切にされてきたけど、あるとき、ナゾのやみの力でまきょうの森にふういんされてしまったの。
 まきょうの森は決して近づいてはいけない、きけんな森。だけど、弱ってしまったフェアリートーンを助けるためには、ヒーリングチェストをとりもどすしかない…!響たちはプリキュアに変身して、まきょうの森へむかったわ!
 でも気づくと、メロディ、リズム、ビート、みんなはなればなれになってたの!そして、3人の前にあらわれたのは…。
 無事にヒーリングチェストをとりもどし、フェアリートーンを元気にすることができるの…?!
 以上公式のあらすじ。

 お話はメイジャーランドに行って伝国の玉璽もとい伝説のアイテム「ヒーリングチェスト」を手に入れるぜー!という内容。
 まぁ、それはメイジャーランドとマイナーランドの狭間にあるとかいう魔境の森に封印されてあって、そこから帰ってきた者はいないと言われておるわけですが、プリキュアがそんなことになるはずもなく、なんだかわけのわからないモアイ像と戦ってお宝ゲットだぜ!っちゅーかくも見事な販促玩具回であった。
 と、このようの今回のお話だけを見れば、まぁなーんてことのない話なわけですが、物語上としては結構重要であったりする。
 以前から、メフィストの耳には悪のノイズを流す耳当て(耳当てなのか?)が付いているので、こいつもおそらくはまだ出てきていない黒幕に洗脳されている口だろう、と予想しておりましたが、いよいよもってその予想が現実のものとなりそうです。
 今回、その魔境の森だかにメフィストも行ったことがあるとか言っていたし、元々メイジャーランドにあったヒーリングチェストが魔境の森に封印されたのだって、過去にメイジャーランドを闇が襲って奪われたかららしいし、戦闘の際にもプリキュアが悪のノイズの耳当てで洗脳されそうになったりと、分かりやすいフラグを立てていただきましたので、おそらくは間違いないであろう。なんにせよ、ちゃんと今後の展開について前振っているのは感心。
 まぁ今回の見所と言うとそんなもんだったりして、なにせ、上記したように魔境の森にてプリキュアが相手をするのは何故かモアイ像だし、口からトマトジュースを吐くし(笑)、森に行く前にさんざん「恐ろしい所である」と言っていたのに、特にそんな恐ろしくもなければ、プリキュアたちが必死になって乗り越えなければならないような試練があったわけでもなし、だからと言ってアクションがすごかったわけでもないと、結構なないないづくしであり残念だ。
 せっかく、今後プリキュアがパワーアップしたりとか、世界を救うであろう鍵となるアイテムを取得のだから、もうちょっとハラハラするようなことがあっても良かろうと思う。なんかどうも白々しいんだよなー。
 まぁそれはプリキュアたちが打ち勝つことが分かり切っているということもあるんだけど、だからこそ、そういった中で何かを見出せないかと思うだけですよ。
 例えば悪のノイズにしたって、耳当てが飛んできてくっついた所で、見ていて「効果ないんだろうなぁ」などと思っていたら案の定だし、せっかくバラバラになっていたのに、何となく戻ってしまうしで、どうも敵の思い通りにはならないぜ!みたいな高揚感がないよな。
 せっかく森に入ってバラバラになり、ひとりでは何も出来ないみたいな事を言われて、心と心が繋がっているから大丈夫とするんなら、心が繋がっているからひとりでも戦える、きっとみんなも戦っているから自分ひとりだけ諦めるなんて出来ない、みたいなことを強調して、各々自信を持って別々の空間から自力で脱出すればいいのに。
 唯一良かった点としては、悪役モアイ像がハミィを質に取っていかにもワルっぽく「こんなくだらない命のためにその身を犠牲にするとは愚かな奴らだ」となじったことか。それに激昂するプリキュアには共感出来る。
 しかし、その目の前のハミィの命の話をしているのに、随分話を大きく膨らませてしまい、その怒りがちょっと薄ぼんやりと言うか、白けてしまったように思う。先に述べた通り問題はハミィの命を「くだらない命」とされたことであって、命に大きいも小さいもないとかはちょっと論点がズレているだろう。ここはくだらない命だとされたら即座に「ハミィの命はくだらなくなんかない!」くらいの事は言ってほしい所であった。
 モアイがくだらないと称した時、普通に人の心を持ち合わせるのならば「どんな命もくだらないということはないだろう」とイヤな気持ちになるだろう。プリキュアの皆さんがハミィの命を蔑まれたことによって激昂しているわけだから、他のどんな命に対しても同じように思っていることはメインターゲットの皆様にも十分理解出来るだろう。それをわざわざ聖人君子のように口にすることはない。だって彼女らは正義のスーパーヒロイン「プリキュア」である前に、普通の女子中学生なのだから。
 ハミィの命を目の前にして普通の女子中学生が全ての命について語るだろうか。いや、語るまい。そんなふうに思ってしまって正直乗り切れなかった。プリキュアになることイコール神になることではないだろう。
 プリキュアは普通に人の心を持ち合わせた普通の女の子が偶然にも力を授かっただけである。聖人君子や神の気持ちなんざ理解のしようもないが、普通の人の気持ちは分かる。だからこそ彼女らに感情移入出来るんじゃないだろうか。
 どうもこのスイートプリキュア♪はメインターゲットに向けて、どんなことでもとにかく分かりやすく、噛み砕いて伝えようとしている気がしてならない。子供は敏感だからそれなりに感じ取っていると思うんだけどなぁ。まぁ語彙が少ないから感想聞いてもきっとカッコよかったとか可愛かったくらいしか返ってこないと思いますが。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「クレッシェンドトーン」でした。
 なんだかよく分からないそのクレッシェンドトーンは、どうも全ての音を生み出した存在らしいのだけど……それってすごく偉いといいますか、神如きの存在なんじゃないの?
 なんか扱い的にただ単にフェアリートーンの親分くらいにしか見えないんだけど、それでいいんですかねー(笑)。


第30話 ワオーン!ヒーリングチェストの不思議ニャ!

毎回これくらいならいいのに。

 そんな今回のお話は…
 まきょうの森からとりもどした、クレッシェンドトーンが宿るヒーリングチェスト。
 アフロディテさまは、いろいろな力が秘められてるって言ってたけど、いったいどんなことに役立つんだろう?
 そんなある日、クラスメイトの和音がふしぎな話をするの。まるで音楽みたいな犬のなき声を聞いたんだって。
 その後、響も学校の階段がピアノのけんばんみたいに音を立てるふしぎ体験をしたわ。これは誰のしわざなの?
 響、奏、エレンが「音吉さんなら知ってるかも…」としらべの館へ行ってみると、だれもいないのに、パイプオルガンの音がきこえてくる!!
 そこへ、音吉さんが現れて…。
 謎はふかまる中、響が持っていたテストのプリントに音符が浮かんだ!するとファルセットが現れて、プリントをネガトーンに変えてしまう。
 響たちはプリキュアに変身するけど、今日のネガトーンはいつもとちがう!メロディ大ピンチ!!
 そのとき、クレッシェンドトーンの声が…!!

 お話は上記あらすじでは今ひとつ飲み込めませんが、簡単に言うとクレッシェンドトーンの紹介みたいなお話。
 とは言っても、クレッシェンドトーンがずっとなんかやっているわけではなく、響たちの普通の生活をメインで見せながら、ちょいちょいクレッシェンドトーンがなんかやって……という流れで、何かひとつ大きなテーマがあって、それに添った話、というふうな話ではない。
 今回のお話の中では、まず運動以外は苦手な響がテストに困り……という所から始まり、ヒーリングチェストはなにに使うのか、クレッシェンドトーンはどんな精霊なのかとか、メフィストのこと、音吉さんとの関係、分からないことを分かろうと努力する姿勢など、1本の話としてはやっていることが多い。
 しかしながら、基本テストが上手くいかなかった響と謎の音を中心に、見事にまとまっているしいつもよりコメディ多めの展開が見ていて楽しい。さすが成田良美。
 個人的には、前回から本格参入したクレッシェンドトーンがどういう性格なのかをやんわりと見せているのがいい。
 アバンでヒーリングチェストに頼ろうとする響に、「そういうことは自分でがんばるのです」とやんわりとはっきり断ったり、ケンカしていたり泣いている人を音を操って笑顔に変えたり、がんばっている響に対し力を貸そうとしたりと、とにかく優しく、そしてふんわりとしていて、フェアリートーンとは違うもっと大いなる存在というような雰囲気を醸し出している。
 まぁ前回だかにも書きましたが、全ての音を生み出したる存在らしいので、それっぽい雰囲気をまとっているのは当然と言えば当然なのだが、そういった某がないとあんまりありがたみがないのでやっぱりそういうことは大事だろう。
 クレッシェンドトーンについては、謎の人物音吉さんと顔見知りらしいのもちょっと面食らった。まぁ何かある人なんだろうとは思ってはいたが、これでプリキュア関係者であることははっきりした。音吉さんが直しているパイプオルガンも何か秘密があるようで、ここらは第4クール辺りで展開するんですかねぇ。

 さて、お話の方は上記したようにいつもよりコメディ多めで見ていて楽しい。正直、冒頭にも書きましたが、いつもこれくらいのことをやっていただきたい。
 今回のなにが良いかと言えば、三人それぞれの個性がよく出ていたことだろう。まず勉強の方はさっぱりダメな響が今回のメインなのだが、これはスポーツ万能の裏返しであり、またテストがダメでがくんと落ち込んでしまう辺りの気分の浮き沈みが激しく、結構お調子者であることがよく出ている。(しかし、響が勉強全然ダメなのって初めて出てきたよなぁ)
 奏は基本突っ込み役で、優等生らしくアバンでヒーリングチェストに頼ろうとする響に「ダメ!」と言って説教したりする辺りは実にらしさがでているし、それでいて響のことをずっと気にして見ていたりする優しい部分もよく出ている。
 お昼のシーンで玉子焼きを響にあげる所などは、綺麗に百合色に染まった脳を持つ身としては結構たまらないのだが、あのモジャ毛王子さえいなければなぁ。でも奏の王子に対する気持ちって、単なるミーハー心なだけだと思うんだよなぁ。きっといつの日か「私っていつも響のこと考えてる」とか思って本当の自分の気持ちに気付くに違いない。
 セイレーンは奏と一緒に突っ込みを入れつつも、人間世界初心者らしく天然な部分を発揮し、変に生真面目な部分とのズレがおもしろい。もともとハミィ側の異世界の人であることをちゃんと示しているのも良い。
 と、このように、中心となる三人がそれぞれの個性を持って立ち振る舞う様子が生き生きとしていて楽しい話になっている。この辺の個性の発揮はさすがの成田良美である。
 お話で言えばメフィスト。魔境の森で恐ろしい目に遭ったことは憶えているのに、何が遭ったかは憶えていないという、いかにもなシーンがあった。そしてこれまたいかにも的に悪の耳栓(?)を見せていたので、もう操られていることは決定的だな。黒幕はいつ出てくるんだろうなぁ。

 プリキュアといえば戦闘、ということで戦闘なんですが、今回は響のテストがネガトーンになったからかいつもと調子が違ってクイズ形式で対決という、ここでもコメディな感じ。
 まぁここだけ真面目に戦闘というのもおかしな話なのでこれはこれで良い。またプリキュアのみなさんも真面目に付き合っちゃうところも可笑しいよなぁ(笑)。
 そんな戦闘であったのに、上手いこと分からないことを分かろうと努力する姿勢へ持っていって、クレッシェンドトーンが力を貸す、という所へ持っていったなぁと感心する。また力を借りはしたものの、その力に耐えきれず新技を繰り出すことが出来なかったことでちゃんと次回へと興味を引っぱっているのも良い。
 そーいえば、最後の決めの前にリズムが今度はこっちの問題に答えてもらう、じゃないと不公平でしょ!などと可愛くないことをいうのは奏っぽくてステキですよね(笑)。だんだん奏の可愛くない所が好きになってきました。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「カウボーイ姿にギターを持ってノリノリで歌うセイレーン」でした。
 次回はクレッシェンドトーンの力に耐えられるように特訓するらしいのですが、このまたみてねを見る限り、あんまり効果なさそうですね(笑)。
 来週も楽しい話になりそうだ。


第31話 ワンツー!プリキュアキャンプでパワーアップニャ!

いや、これはなかなか見事なお話であった。

 そんな今回のお話は…
 「クレッシェンドトーンのパワーを正しく使うには、プリキュアの力を高めるニャ!」
 ハミィのアドバイスで、響たちは体も心もきたえるため、とっくんキャンプをすることに!ばしょは、森の中にある響のパパの別荘。さぁ、がんばるぞ!
 さっそく、響が奏とエレンに空手を教えるわ。だけど…とてもハードで奏たちはバテバテ。
 今度は奏が先生になって、音楽に合わせてパンチやキックのトレーニング!楽しいけど、響にはちょっと物足りないみたい。
  次はエレンの提案で、岩の上でざぜんすることにしたんだけど…。
 翌朝、3人は山登りをすることに。これがさいごのとっくん!でもけわしい道のりに、奏とエレンが途中で動けなくなっちゃった。その時、響は…。
 そんな中、町ではネガトーンがあらわれた!
 響たちは、プリキュアに変身していそいでむかうわ。はたして、プリキュアたちはとっくんのせいかをみせることができるの?!
 以上公式のあらすじ。

 お話としては特訓を経てハーモニーパワーが高まり新技ゲットしたぜー!という話。簡単に言えば。
 クレッシェンドトーンの力を借り、新たな技を手に入れることが目的なわけだが、メインはそこではなく、三人の気持ちがひとつになることなんだけど、Aパートまでのコメディから見事にそこへ持っていった脚本が素晴らしい。
 Aパートは先述したようにコメディで、山へ登って特訓するのだが、それぞれが個性を出していて見ていて楽しい。響はとにかく体育会系で熱血だし、体力に自信のない奏は楽しく効率欲を考え、セイレーンは知識を音吉さんに頼る。三者三様の特訓が各々マッチしないのが可笑しいのだけど、それはそれぞれの違いがあるからなわけで、そういう彼女らの個性が出ていなくては成り立たない。
 空手を熱血指導する響に今ひとつ付いて行けない奏とセイレーン。奏発案のエアロビは楽しいけれども響とセイレーンには物足りない。音吉さんから借りた本で精神修行の座禅を提案するセイレーンには、また音吉さんかよと突っ込む響と奏と、三者三様の個性をちゃんと見せた後に繋がる本分ってのがよいのだ。
 上記三人の提案する特訓にヒーリングチェストは反応しないが、それらを経て座禅を一緒にギブアップし、翌朝、一緒に山登りして、お互いの力を会わせて頂上へたどり着き、ひとりでがんばることよりも、三人の気持ちがひとつすることが大事だと気付くとチェストは輝き出す。各々全く違う個性であるが、気持ちが繋がっていればそれぞれの個性を生かし、困難に立ち向かうことが出来るというプリキュアの本分へ到達する。
 そしてそれが戦闘へも繋がっていて、まぁアクションは大した事なかったんですけども、みんなで山ごもりして得たことを発揮し、それがクレッシェンドトーンの力の発動を呼ぶ流れが見事だ。
 またこれまでハーモニーパワー云々言ってきたが、それっぽい何かが見えてこなかったのだけど、今回は三人が手を繋ぎ、その身にオーラを纏って、彼女らが気持ちをひとつにし力を得たことが分かるのも良い。
 正直いうと、最初は特訓云々は特に意味を成さず、都合の良い力の発揮でクレッシェンドトーンの力を得るのではないかと思っていたのだが、戦闘で「プリキュアの力は強さじゃなかった」「困難にぶつかった時三人の心をひとつにして」「助け合って乗り越えること」「それがプリキュアの力!」と、正にプリキュア魂と呼ぶに相応しい台詞を熱く吐いてくれるとは思いませんでした。
 また話の流れ的に無駄がなく、それぞれを経ることに意味があって、そこから彼女ら自身が導き出す正解からの一番見せたい大技へ繋げてくる今回の脚本は見事としか言いようがない。……こんなの出来るんなら毎回やってくれよ。
 と、今回のお話はべた褒めである。ホントこんなお話を毎回やっていただきたいものだ。

 さて、個人的に気になった所と言うと、まずはクレッシェンドトーンだろうか。
 前回もそうであったが、今回のアバンでも「どうしたらいい?」という問いにクレッシェンドトーンは「自分達で考えなさい」と言う。私としてはこれが良いと思っている。
 大いなる存在が自分の都合のいい方へ導くのではなく、自分達で進むべき道を探り出せとある意味突き放しているわけだが、それは彼女らの成長を期待している裏返しでもある。また、この物語のテーマなのであろう、使う人によって良くも悪くもなる(音符からのネガトーンがそれ)という部分にも添っていて、響たちが自ら正解を導き出せなければ、クレッシェンドトーンは永遠に彼女らに力を貸すことはないのだ。
 なんだかよく分からない大いなる存在が一方的に力を与えるのではなく、プリキュアたちの心の呼応し、彼女たちだから力を貸すというスタンスが、ただのパワーアップアイテムでないのを示していて良いし、全ての音を生み出したる崇高なる存在という感じがするのも良いな。
 他ちょっと細かい所と言うか、日常パート好きとしてはAパートは色々と興味深い。
 まず、キャンプだと言って行った先には響のパパンが作曲する際に使用する別荘がある。忘れがちではあるが、響は世界的に有名なヴァイオリニストの母を持ち、有名な指揮者の父を持つ生粋のお嬢さまなんですよねー。全くそんな感じがしませんが(笑)。そんな音楽一家に生まれながら、スポーツの道へ行ったのは反動とかもあるんだろうなぁと窺えて、キャラクターの掘り下げという部分で良い。
 それと、今となってはお気に入りの奏ですが、特訓での空手のあとのエアロビをものすごく楽しそうにやっているのが実に「らしい」のだ。
 きっと「楽しくそして効率よく筋肉を鍛えられて完璧だわ!」とか思っていたのだろう。そんな優等生らしい奏が考えそうで、そんな自分が考えたことなんだから楽しくって仕方がないという表情が可愛げがなくてカワイイ(笑)。
 「らしさ」という所では最近、立ち位置的にちゃんと突っ込み役をしているのもらしくて良いですな。響もセイレーンもどちらかと言えば天然な方なので、優等生としてその役をしっかり努めて行ってもらいたい。
 セイレーンは……なんであんなに青春好きなんでしょうね(笑)。
 ともかく、お話が楽しくなってきたのはとても良いです。この調子手最後までいっていただきたいものだ。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「女装したバスドラに固まるハミィ」でした。
 次回はどうやら販促玩具をなくす話らしいのだが、大概の場合はなくした所で大したことにならなかったりするんだけど、どうなんでしょうかねぇ。


 第32話 オロオロ〜!ヒーリングチェストが盗まれたニャ!

ミューズの所以外は結構どうでもいいな。

 そんな今回のお話は… 
 今日は、加音町のフリーマーケット。響、奏、エレンも3人でお店を出すことになったわ!
 でも、ハミィやヒーリングチェストが買われそうになって、響たちは大慌て!!それは売ってないのに〜!!
 そんな中、響たちのお店に、おかしな3人組の女の人たちがやってきたの。3人はヒーリングチェスト見て、響の手からむりやりうばいとってしまうの!
 もしかして…いまの3人組ってトリオ・ザ・マイナー!?気づいた響たちは、いそいで後を追うわ!
 トリオ・ザ・マイナーを見つけた響たち、「ヒーリングチェストを返しなさい!」でも、バスドラたちはなぜかカンカンに怒っていて、響たちに…「本物のヒーリングチェストをわたせ!」
 どういうこと??
 なんと、バスドラが持っていたのは、ニセモノの箱だったの!!いつのまにニセモノになっちゃったの!?
 そして、本物のヒーリングチェストはどこにいってしまったの…!?
 以上公式のあらすじ。

 まぁアレだ、どこかへ行ってしまった販促玩具など、最終的に主役の手に戻るのは自明であるので、サブタイになっている割にヒーリングチェストがなくなった云々はどうでもよく、冒頭に書いたように、なんか含みのあるキュアミューズとクレッシェンドトーンの会話以外は特にどうということはない話ではあった。
 とりあえず、クレッシェンドトーンとの会話から、いずれ仮面を脱ぐ時があるらしいことが分かったのは収穫と言えば収穫。ともすれば、ついぞ謎のプリキュアのままで終わってしまうんじゃないかと危惧していたので、きっといい所でいい役所があるのであろう。
 しかしこのミューズ、響たちプリキュアとはちょっと目的が違うようで、これまでも特の音符を集めるわけでもないし、今ひとつ何がしたいのかよく分かりませんな。この辺の情報は、分からないなりにちょいちょい何かその目的のために何かしているであろう様子を見せておけばいいのにと思わんでもない。
 その時に判明して「な、なんだってーっ!?」というのを狙っているのかもしれないが、それってともすれば唐突に見えなくもなく、やけに突然だなと思うこともしばしばなので、やっぱり何らかの前フリってのは大事なのではなかろうか。
 まぁ、今回がその前フリなのかもしれないが、特にこれまで出番が多くあったわけでもなく、さして響たちプリキュアの幾多のピンチを救ったわけでもなし、忘れた頃に顔を出して「そういえば居たなぁ」くらいの活躍が関の山の彼女なんだから、ちょいちょい響たちに絡んでくるようなことがあっても良いだろうと思う。

 さて、お話の方はと言うと、上記したように響きたちに某があるわけでもなく、正直フリーマーケットやるのは良いとして、ハミィやヒーリングチェスト、果てはフェアリートーンまでも陳列するなよと思わずにはいられなかったよ(笑)。ヒーリングチェストなんて何度も客に売ってくれと言われているんだから、いいかげんどこか違う所に置いておけよ。なんで三回も「売ってくれ」「売り物じゃないんです」の件を見なければいけないんだか。正直、くどいなと思ってしまったですよ。
 日常パートで良かった点としては、チェストをすり替えたミューズという所で、彼女とアコが何ら関係しているのでは?と窺わせるように作ってあるのは良く出来ている。関係あるような気がするし、違ったとしてもミスリードを誘っていたのかと得心できるし、上手いこと微妙なラインをキレイにわたっていると言える。まぁ映画のCMで黄色い子がアコそっくりなんで、アコが変身して成長って線はなさそうなんですが。
 他、日常パートとしては……ないな(笑)。ということで戦闘なんですが、今回は結構意外な展開になって、セイレーン手作りのウサギのぬいぐるみ(意外と器用ですね)を買っていった子のそのぬいぐるみがネガトーンになって、あとはいつものバンクで決着だという時に、そのお子様がそのぬいぐるみをいじめないでとプリキュアの前に立ちふさがる展開はいいアクセントになっていた。
 ともすれば、ネガトーンになったら問答無用でやっつけるぜ!みたいな印象があるので、プリキュアたちはその物に取り憑いたネガトーンを浄化しているんだよ、ということを分かりやすい形で説明することと、メインターゲットの皆様の味方なんだぜ!ということ、そしてプリキュアの皆さんが優しい気持ちをもって戦っていることを示していて良いですな。
 とすれば、大きなお友達としては、だ。むしろ今回はバンク技なしで諭して浄化しても良いのではないかとも思った。一応ネガトーンに対してお子様を幸せにする力があることを思い出してと諭してはいたものの、その直後に技をぶっ放すので汚れた大人としては、なんだかんだで最終的に問答無用な部分あるよなぁなどと思ってしまったですよ。
 どうせだったら、そのぬいぐるみが持つ子供を愛する気持ちとネガトーンとしての悪の心の二律背反に苦しみ、バスドラたちの仕業によって結局ネガトーンに戻ってしまう、とかならプリキュアたちが技をぶっ放す理由にもなったろうと思う。その、お子様が割って入る展開が良かっただけに、もちっと細かい所まで突っ込んでほしかったな。
 まぁなんにせよ、第1クール頃の「いつもと一緒」具合が半端でなかったことを考えると、随分とおもしろくなっていたように思います。最終局面に至る頃にすごく盛り上がっていればいいなぁ。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「キュアメロディ・リズム・ビート」でした。……これって前々回のここでプリキュアクイズの時の「テレビの前のみんなも一緒に考えてね」の時の絵ですよね。次回の作画じゃないのは珍しいな。
 そーいえば、すごくどーでもいーんだけど、ネガトーン浄化後にハミィが「もうすぐ幸せのメロディが完成しそうニャ」とか言い出してから結構経ちますけど……どの辺が「もうすぐ」なんでしょうね。


第33話 ホワワ〜ン!みんなの夢はプリキュアの力ニャ!

日常パートはしっとりと、戦闘は熱く。

 そんな今回のお話は…
 今度の日曜日、響はピアノ、奏はスイーツのコンクールに出ることになったわ!
 2人ともコンクールに向けて、いっしょうけんめい練習中!エレンも2人を応援しているわ。
 そんなとき、響のパパがピアノコンクールのしんさ員に加わることになったの。パパがしんさ員だなんて!!キンチョーして、ちゃんと演奏できない…。
 そう思った響は、「コンクールに出たくない」と言い出すの。
 コンクール当日。まだなやんでいる響のところへ、スイーツコンクールに行っているはずの奏がやってきた。
 そして、奏が響に向かって…。
 そんな中、会場の外ではネガトーンが大暴れしていた!コンクール会場へ向かおうとするネガトーンの前に、エレンが立ちはだかる!
 「2人の夢を守ってみせる!」エレンはキュアビートに変身し、1人で立ち向かう…!!
 以上公式のあらすじ。

 今回もなかなかおもしろいお話でありました。
 Aパートでは、響奏が夢への第一歩として、コンクールに出場することとなるのだが、響はパパンが審査員になったことで出場を辞めると言い出し、そんな彼女を中心に、自分のかなえたい夢とはなんなのか、その本質とは、ということを描いているのだが、まぁその辺は劇中語られるので良しとして、お話としては今回のテーマである夢に対しての三者三様が出ていてとても良い。
 特には中心となる響は、幼い頃に習っていたピアノを辞めるに至った事件があって、それは3話で解決済みではあるものの心のしこりにはなっており、劇中的にはらしくない逃げの姿勢を見せる。
 劇中的には「らしくない」のだが、その響は本当はとても「らしく」て、いつも猪突猛進するようなタイプの彼女であるが、こと音楽に関しては偉大な両親を持つことからのコンプレックスがあるし、なにより彼女は何かイヤなことがあるとすぐ「やーめた」と諦めてしまう傾向がこれまでに見える。
 なので、パパンが審査員になったと知って、どうせ私の演奏なんてダメと言われるに決まっているとし逃げてしまう。本来パパンはそんなような人ではないのだが、幼少の頃の事件や偉大な作曲家であり指揮者の父がどれほどすごい人間かを知っている響としては、そういう思いを抱かずにはいられないのだ。
 そんな逃げの姿勢の響きを奏は許せない。頑固なまでに強い意志をもつ奏としては、そんなことで辞めてしまうことなど自分の考えにはないので叱咤激励する。とはいえ色々と事情を知っている身として、なんとかしようと言葉をかける。奏は自分のことだけを考えていられるほど薄情ではないのだ。
 セイレーンはというと、夢を追いかけがんばってそしてそれ故思い悩むふたりを見て、自分の夢とは一体なんだろうかと思いふける。思えば彼女はプリキュアと言えど普通の人ではない。元メイジャーランドの住人で、今でこそ人のカタチをしているものの、元々はハミィと同じ妖精的な存在であり、また一時はマイナーランドに降って悪行を重ねた身でもある。プリキュアをなって悪行を悔い、人として生活をしはじめたものの、ふたりとは違い今を生きるだけで精一杯、未来への展望などとても持ち合わせない。そんな彼女は今の響に力を貸せないのだ。
 そこで謎の人物音吉さんである。さすがの年の功と言ったアドバイスであった。セイレーンが何かにつけて「音吉さんに」云々と言うのも頷ける。
 それを踏まえてのコンクール当日、なんでその夢を追いかけているんだろう?という問いの答えを出した奏が自分の解答を響きに見せ、響もそこから答えを出していくのだが、セイレーンはそのふたりの前に顔を出さずに立ち去ってしまう。今回自分のお気に入りのシーンはここである。
 奏も同じ日にコンクールだというのに、わざわざ響の所へよっていき、彼女の助けを受けて自分を取り戻す響は、まるで夫婦のようなふたりを見てきた身としてはさもありなといった感じではあるが、ポイントはセイレーンである。
 おそらくセイレーンも、悩んでいた響を元気づけようと控え室に向ったに違いないのだが、先に奏が来ており上記のような様子を見て、「あぁ、このふたりに私の言葉など必要なかった」と敢えて顔を見せず、安心して立ち去ったのだ。
 同じプリキュアといえど、響と奏とのふたりがこれまで紡いだ時間はセイレーンへのそれとはまた違うのだ。そのふたりが積み重ねた時間共に繋がった絆を見たセイレーンは、寂しくもあったろうが自分の決意を固くもした。それが戦闘へと繋がってくる。

 で、その戦闘ですが、トリオザマイナーが引きのコンクール会場を襲おうとするのをビートが一人奮戦して止める構図。
 もちろん、コンクールに出場しているふたりが来られるはずもないので、当然一人で戦わなくてはならないのだが、ここで重要なのは仕方なく一人で戦うのではなく、敢えて一人であるということだ。
 上記ふたりの絆を見届けたビートとしては、こんなことでふたりを煩わせ時間を無駄にしてほしくないし、何よりふたりの夢を応援し守りたい。ひいてはふたりだけでなく全ての人の夢を守る、それがセイレーンの夢である。以前は操られ悪行を重ねた罪滅ぼしという気もあるかもしれないが、今となっては、なにより大切な友ふたりの夢をただ守りたい、それがふたりの周りにいる人達の夢も守ることにもなっていく。正にプリキュア魂である。
 ビートが一人奮戦する理由、メロディリズムがいなくても負けないとする彼女の気持ちが、控え室前で顔を出さずに立ち去るセイレーンによく表れているのが良いのだ。  惜しいのは、案の定展開的にピンチになった際、メロディリズムが颯爽と現れたことか。まぁ仲間のピンチに駆けつけるのは常套ではあるし、なければならないのだが、どうも唐突に見えてしまっていかん。
 というのも、ふたりはビートの危機をどうして知ったかが描かれていないからで、コンクールで自分の出番が終わったあとにフェアリートーンが知らせにいくワンカットでもあればと思わずにはいられない。
 それにその前にビートがこけてしまうのもちょっとどうかと。どうせならネガトーンの一撃を大の字になって自分の身体を盾にして守ろうとするくらいの悲壮感があっても良かったように思う。
 でもまぁしかし、閃光をバックにメロディリズムの背中を見るのは熱い。こういう熱さはやはりあって然るべきだろう。それ故に前段階をすっ飛ばしてしまったのは惜しい。  ま、なんにせよ、何度も言っておりますが、第3クールからはおもしろい話が続いていてお話は随分と良くなってきた。個人的には毎回出るネガトーンも、その辺に都合良くある音符を使うくらいなら、これまで溜めた音符をひとつずつ使っていく方が、メフィストに怒られる理由にもなって良いかと思うが、音符がどれだけあってどれくらい溜まっているか分からないので仕方ない。
 今回の引きもついにメフィストが人間界に降臨しようとする所で引っぱり、物語も佳境に入りつつある感じがあって良いですな。終わりよければ全て良しなんてことも言いますから、最後に向って盛り上がってくれれば尚良しという所でしょうか。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「キュミューズとドドリー」でした。
 どうもそろそろミューズの正体と、これまでこの感想で言ってきた黒幕あたりの事が説明されそうですねー。
 それにしてもミューズは誰なのかはヒントすら出ず、また思い当たる人物もいないし(アコではないだろうし)、今更新キャラってこともないだろうしで、どう上手く落ち着けるか興味を惹きますな。


第34話 ズドド〜ン!メフィストがやって来ちゃったニャ!

この流れだと正体はアコ以外ないんだけどなぁ。

 そんな今回のお話は…
 響たちがすむ加音町(かのんちょう)に、とうとうメフィストがやってきた!
 メフィストが生み出したネガトーンが悲しい音をまきちらし、町の人々は悲しみで泣きくずれてしまったわ…!
 響たちがかけつけると、メフィストが笑いながら響たちに言ったわ。
「待っていたぞ!」プリキュアをおびきよせるために、悲しい音を流していたんだ…!そんなことで、加音町のみんなを悲しませるなんて!ぜったいに許せない!!
 響たちはプリキュアに変身して、あばれるネガトーンに立ち向かう。だけど、メフィストがあやつるネガトーンは、いつもよりつよい!!
 プリキュア大ピンチ…!そこへキュアミューズがあらわれた!ところが…ミューズが…!!
 以上公式のあらすじ。

 お話としては、メフィストが人間界にやってきてプリキュアと決戦するも、ここぞという時にミューズが間に入りメフィストを庇ってしまう。
 その隙にメフィストはフェアリートーンから音符を奪って去ってしまう。メフィストを庇ったミューズを問い質そうとするプリキュアであったが、ミューズは苦悶の表情を浮かべ彼女らの前から去っていってしまった。というのが簡単な流れ。
 今回は前回ミューズ、というかドドリーが代弁した「私にも守りたいものがある」を受けて、響たちがミュースの事を考える中、戦闘でメフィストを庇う彼女に「一体どういう理由があって悪役を守るのか」という謎を含ませ、真相を次回のミューズの正体と共に引っぱっている。
 そのミューズの正体は、次回予告での「あなたがミューズだったの?」からして響たちが知っている人物である事は間違いないし、今更新キャラってこともないだろう事を考えると、正直アコぐらいしか選択肢がない。響の友達和音や、奏の部活の先輩(名前忘れた)は、あまりにこれまで何も無さすぎだものなぁ。
 今回もアコが気にのぼって降りられなくなった子猫を助けるという日常パートでのいい所を持っていった事だし、なにより、ここでアコを使わないのなら、すごくもったいないキャラのような気もします。
 しかしアコがミューズだとしてメフィストを守る理由が今ひとつ思い当たらず、その辺ちゃんとしっくりくるように次回なっているのかしらとちょっと心配になってしまう。そもそもミュースとアコじゃ体型が全然違うものなぁ。まぁ変身すると成長するって手があるにはあるが、それだと他のプリキュアはなんでそれが無い?という話になるし。
 ともかく、戦闘での苦悶の表情を見ると、プリキュアとメフィストの間にあって「どうしたもんか」と随分悩んでいるふうではあるので、そんな何か特別な事情のあるミュースを、どうやってプリキュア側に持っていくかが見物である。

 しかし今回は、お話として「ミューズってどうなの?」に終始しており、それでこれからの進行上の事で何かが分かるわけでもなく、正直、次回の前フリ以外の何物でもないのでお話としては面白味に欠ける。
 意外な点としてミューズは何かメフィストを守らなくてはならない事情があるらしい事が判明したくらいで、それもまぁ彼は悪のヘッドフォン(だったっけ?)で操られているっぽい事を考えると、さもありなんという気はする。
 次回、ミューズの事が色々と分かるであろう前フリ回として、彼女の事を終止気にさせ、その上引っぱっているのはなかなか見事ではあるものの、今回の一本のお話としては「どうなるんだろうねー」だけで終わってしまっていて寂しい。
 これまで熱心に見続けてきた身としては、何か分かる事はあるまいかと見ていて退屈する事はなかったんですが、結局最後まで何の状況も提供されていないからなぁ。ミューズがメフィストを守るのだって、前回の予告でそれとなく分かるので、劇中のプリキュアの皆さんの如く「な、なんだってーっ!!」ということはなかったし。
 割と興味深く見ていたつもりであったが、この感想を書くにあたって見直してみると、あんまり得るものがなかったような気がしないでもないな。

 個人的な事としましては、やっぱりアコであろうか。
 このアニメで一番のお気に入りが彼女であったりするんですが、上記した子猫を助ける件でこれまでにない可愛らしい笑顔を見せておりました。
 冒頭にも書きましたが、なんかもうこの流れだとミューズはアコくらいしかなり手がいないのだけど、だとするならば、初の小学生プリキュアの誕生ですな。しかし前述したように、あまりに体型が違い過ぎて、アコだとするならば、その差異をどう埋めるつもりなんですかねー。物語の展開云々よりも、むしろそっちがきになっていたりして(笑)。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「キュアミューズ、メロディ・リズム・ビート、ハミィ、そしてメフィスト」でした。
 そろそろ第3クールも終わりなんで、黒幕出てきそうですねー。


第35話 ジャキーン!遂にミューズが仮面をとったニャ!

体型違いすぎだろうよ。

 そんな今回のお話は…
 メフィストが、また加音町(かのんちょう)にやってきた!ネガトーンを生み出し、かなしい音楽をえんそうさせるメフィスト。
 響たちは、プリキュアに変身してネガトーンにたちむかうわ。するとメフィストは、ネガトーンに悪のノイズをおくり、さらにネガトーンをパワーアップさせるの…!
 そのとき、響があることに気づくの。そういえば…エレンもセイレーンだった頃、耳につけたヘッドフォンから流れる悪のノイズを聞いて悪のこころにそめられた…。
 メフィストも耳にヘッドフォンをしてる。もしかして…!?
 そんな中、メフィストは自分をネガトーンに変化させて、おそいかかってきた!プリキュア大ピンチ…!
 そこへとつぜんキュアミューズがあらわれ、メフィストにむかっておどろきの言葉をさけんだ!
 そして…ついにミューズの正体があきらかになる!
 以上公式のあらすじ。

 お話はまぁ、サブタイ通りミューズが仮面をとったよ、という話。割とそんだけのような気がしないでもない。
 ミューズがメフィストを庇ったのは何故か、という所から始まり、プリキュアが何のために戦うのかという方へ持っていき、ようやくメフィストが操られている事に気付いて、プリキュアはみんなを守るために戦うんだ!というまぁ、シリーズをずっと見てきた者にとっては至極当然な結論をたたき出し、ミューズがそれに応える。というのが大体の流れ。
 前回ミューズがした事によって、今回加音超の人々がネガティブ音波でネガティブになってしまって、自分のした事によって引き起こされる不幸を演出していたのはよかったのだけど、それが弱いんだよなぁ。
 その辺割りとさらりと流していて、ミューズのメフィストを守りたいという気持ちと、プリキュアの使命との板挟みにあっているんだから、その苦悩はもっと強く印象付けるべきなんじゃないだろうか。そうだからこそ、他のプリキュアの皆さんが戦っている間に手を出せず影から見ている事しか出来ない、どうすればいいのか分からず立ちすくむ彼女が、メロディの決意によって心動かされることに高揚感があると思うのだが。
 ミューズの苦悩が劇中あまりよく分からないし、プリキュアがみんなを守るために戦うってのは、熱心にシリーズを見てきた者としてはもちろん、メインターゲットの皆さんとしても、正義のスーパーヒロインがみんなのために戦わないでどうするという話だし、そういう点も見ても盛り上がりに欠ける。
 盛り上がりに欠けるという点では、プリキュアの皆さんが戦闘中に悠長に路地裏で会議しているのもどうなんだ(笑)。まぁメフィストが操られていると気付く前まではまぁ百歩譲って良いとしても、気付いた後は、並みいる攻撃をよけたち喰らったりしつつ、操られているメフィストを攻撃できないどうしよう、みたいなピンチ感が欲しかった所だ。
 そういった中で結論を出し、果敢に立ち向かっていく響たちを見せてこそ、引っぱりに引っぱったおいしい場面、ミューズが間に入り正体を明かすにインパクトがあるもんではなかろうか。
 第3クールの山場だというのに、ちょっとおとなし過ぎるのは残念だ。もっとピンチに絶対あきらめない、そして大切な人々を救うというプリキュア魂を熱く見せてほしかった。

 さて、今回の目玉はやはりミューズであるが、冒頭にも書きましたが、いやちょっとズルくないか?と見ていて思ってしまった。
 だってさぁ、仮面バージョンの時は響きたちと手足に長さ一緒だし胸もあるしで、どう見てもアコと同じ体型のミューズとの違いが説明つかないではないか。きっとメインターゲットの皆さんも「んんっ?」と思ったのではないだろうか。いくら途中でバレたくなかったとはいえ、ちょっと無理があったんじゃなかろうか。
 展開としてはメフィストの娘という設定で、ああなるほど彼を庇ったのはそういう事かとうなずけるが結構唐突ではある。どうせここ第3クールの終わりまで引っぱるのであれば、それまでにそれっぽい何かは端々に含ませるような興味の引き方をしておいてもよかったのではないだろうか。
 まぁしかし、親子で擬似的に対立しているわけですから、次回、おそらくはメフィストとの事を決着付けるであろうから、上手いこと感動的にしてくれる事を期待したい。

 個人的な所としては、いても立ってもいられなくなりアフロディテが人間界へ降臨しようとする所で、音吉さんがそれを止めた事だろうか。
 つーことはだ。音吉さんはメイジャーランド関係者、ってことになるわけだが、まぁこれまですごく知ったふうな口をきいていたのでさもありなんといった感じではある。
 しかしなんですな。音吉さんはもうなんでも知ってる人だよなー。もうなんでも彼に任せちゃえば良いような気がしてくるよ(笑)。

 なんか今回は文句ばっかりですが……正直、いい所はなかったな(笑)。次回を期待したい。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「フェアリートーンたち。ドドリーもいるよ」でした。
 いやぁしかし、ついにプリキュア史上初の小学生プリキュアの誕生ですなぁ。アコの初登場は6話なのでまぁ引っぱりに引っぱりましたな。
 途中、ミューズの存在を忘れかけるような出番のなさでもあったし、そういった観点から言っても、やっぱり彼女の正体を気にさせる某はいろんな所で見せておくべきだったような気がします。


第36話 キララーン!心に届け、ミューズの想いニャ!

お姫さま!なんてこった!!

 そんな今回のお話は…
 ついにキュアミューズが仮面をとった…。なんとキュアミューズは奏太のともだちのアコだったの!
 どうして今まで黒いマントと仮面ですがたをかくしていたの?!そのうえ、声までださなかったのはナゼ?!
 アコは、そのワケを響たちにはなすの。アコの話は響たちにはおどろくことばかりで…。
 そのとき、加音町の広場にメフィストがまたあらわれた!しかも、体中によろいをまとって巨大になってる!
 響たちはプリキュアに変身して、メフィストに立ち向かう。だけど、巨大なメフィストは強すぎて、プリキュアのハーモニーパワーもかなわない…プリキュア、大ピンチ!!
 そこへ、メイジャーランドからアフロディテが舞い降りてきたわ…!メフィストと向き合うアフロディテ。
 その時…キュアミューズがずっと言えずにいた想いをさけんだ…!!
 以上公式のあらすじ。

 そんなわけで、第3クールの最後にてようやくラスボスが明かされ、メフィストはミューズとの家族愛によって解放されました。という話。
 いやしかし、ミューズ=アコがお姫さまだったとはなぁ。やんごとなき身分フェチとしてはこう、たまらないものがありますな(笑)。
 私のフェチはともかく、お話としてはAパートでこれまでのアコとミューズの経緯を説明し、Bパートでメフィストと決戦し元に戻すという流れ。
 Aパートでアコが話す経緯と、マイナーランドで記憶を取り戻しつつあるメフィストを切り替えつつ、経緯の説明と共にメフィストの苦悩を見せて彼が本当に悪いヤツではないことを印象付けているのが良い。
 第1クールくらいまでなら、アコがずっと経緯を説明し続けて終わりそうだが(笑)、そのメフィストが記憶を取り戻しつつあり、ラスボスの洗脳に苦悩する様子があるだけでだいぶ印象が違ってくるというものだ。
 メフィストが父であるということで戦いたくはないというアコの気持ちと、メフィストはラスボスに操られていて本当は悪いヤツではないんだということをメインターゲットの皆さんに訴えて、勧善懲悪にありがちな、自分達の設定した正義を振りかざし問答無用で悪を滅ぼす、ということのないように誘導しているのはこのアニメの枠として良いだろう。
 まぁなにせ、メフィストはキュアミューズの父であるし、同じような状況であったセイレーンもプリキュアとして仲間に加わっていることもあるしで、何がどう悪いのか、またどうすることが良くてどうあるべきかをメインターゲットの皆さんに考えさせる情操教育にいい感じではあるが、メインターゲットの皆さんがそこまで考えて見ているかは私が知る由もない。
 大きなお友達としては、この枠としてミューズが悪に染まった父を殲滅することはないと分かっているので、まぁなんやかんや都合のいいふうにメフィストを取り込むんだろうなぁとは思っているものの、この大事なキモをどう落ち着かせるかを期待してしまう。

 さて、その大事なBパートだが、作監が稲上晃氏ということもあってか、ミューズの戦闘はレイアウトが抜群だ。毎回こうならいいのに。ちなみに他のプリキュアの皆さんはいつも通りしょんぼり戦闘であったが(笑)。
 それはともかく、上記したように今回のキモはメフィストをどう取り戻すか、ということだが、ラスボスと思わせていたメフィストは実はミューズの父でミューズは彼と戦いたくない、という条件のもと、どうやって正気に戻すかを期待していたが、さして感動的になるわけでもなく、心の叫びをぶつけるんだとか言っときながら殴って都合のいいパワーで元に戻ってしまうのだからもうちょっとなんかないのかと思わずにはおれん。
 あんだけ戦えないとか心に叫ぶとかいうのであれば、むしろ攻撃は一切しないで、傷つきながらもとにもかくにも説得し、メフィストが本来持っている優しい父親としての心と家族愛が悪に打ち勝つ、みたいな展開であった方が盛り上がったかもしれん。まぁ戦闘しないとスポンサー様がうるさそうなので難しいところなのかもしれんが。
 なんにせよ、メフィストが正気に戻ってついにラスボス「ノイズ」の名前がようやく出てきまして最終目標が定まったな、と思ったんだけど、よく考えてみると、最終目標って「幸せのメロディをハミィが歌うこと」だったっけか?そもそも未だに音符も全て集まっていないし、不幸の幸せのメロディとかって結構どーでもいー感じだよなー。ぶっちゃけその「ノイズ」とやらを最終的に亡き者にすれば音符関係ねぇしな(笑)。
 そういうことを踏まえて考えると、やっぱ音符集めはなくても良かったような気がするよなぁ。使い方によって善くも悪くもなる、というのがテーマであるんだけど、それならもう音符じゃなくて直接「歌」で勝敗決めれば、ハミィやセイレーンが歌姫云々の設定も活きると思うんだけどなー。まぁ今更な話ではある。
 ともかく後はラストに向って盛り上がって行けば良いなと思う。

 個人的に気になった所としては、セイレーンがアコをメイジャーランドの姫さまとこれまで気付かず謝るシーンがあるのだけど、アコは髪も短くなっているし、見たのはもっと幼かった頃らしいのでまぁいいのだが、メフィストに関しては知っていたわけですよね。
 それまでそんなそぶりがこれっぽっちもなかったのがちょっと突っかかるなぁ。ビートになる頃に、そんな話がちらっと出ても良いような気がしてしまいました。まぁここでのサプライズとして隠していたことは当然理解しておりますが、なんかこう、唐突な感じがしてしまいますな。
 それと冒頭にも書きましたが、アコが姫さまだってことですよ。無類の姫さま好きとしては反応せざるを得ないのだが、私の姫さま好きは姫さまらしさが遺憾なく発揮されてこそなので、かなりフツーのツンデレ小学生のアコは姫さまとしてはちょいと物足りないですな。そもそもアフロディテも女王という威厳があまりないしなー。そう考えると、光の園のクィーン(MH)やフィーリア王女(S☆S)はそれらしくて良かったなぁ。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「ハロウィンで仮装の響・奏・セイレーン・アコとなんかまたパワーアップするらしいバスドラとバリトン」でした。
 これから2、3週はミューズ賛美な話が続きそうだなぁ。まぁこっちとしてはアコが可愛いのは望む所ですが。


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