スイートプリキュア♪ 37〜48話

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第37話 ワクワク!ハロウィンでみんな変身ニャ!

ハロウィンはほぼ関係無いな。

 そんな今回のお話は…
 今日は加音町のハロウィンパーティー!もちろん、響たちもパーティをたのしむためコスチュームをチェンジ!!
 響はかいぞくに、奏はカボチャのようせいに、エレンは黒ねこに変身!ハミィの変身は、カップケーキ???
 はずかしがっていたアコも、お姫さまのドレスにきがえ、みんなでハロウィンパーティへ!
 ハロウィンパーティでにぎわう町の広場。でもそんな中、トリオ・ザ・マイナーがあらわれた!
 ハロウィンのカボチャをネガトーンに変えてあばれさせてる。せっかくのハロウィンパーティーを台無しにするなんてゆるせない!!
 キュアメロディ、キュアリズム、キュアビート、キュアミューズ、変身した4人のプリキュアが、ネガトーンに立ち向かう!
 以上公式のあらすじ。

 上記あらすじは、さもハロウィンパーティーが話の本筋の様に書いてあるが、実際の所は時期的にハロウィン持ってきただけでほぼ関係がなく、今回としましては、ノイズの事の説明と、両親の心配がなくなって人間界にいる必要がなくなったアコが残ると決めた事、もうミューズが一人で戦わなくてもいいんだと気付いた事で、まぁぶっちゃけハロウィンじゃなくても何ら問題は無い話だ。
 話の展開としては正直良くなくて、音吉さんから語られるノイズの事から始まるのだが、そこからがらりとハロウィンの話に変わってしまった感があり、流れを随分とぶった切った感じが否めない。もうちっと自然に、ハロウィンの方へ話を持っていってほしかった所だ。
 それにどうせ日本でほぼ浸透していないハロウィン云々言うのであらば、そこメインで話を作っても良いだろう。ハロウィンだから特に某というのもないのはちょっともったいないような気がします。どうせだったらもっと楽しい感じでやってもらいたかった。
 今回のメイン所としては、たぶんミューズが一人突っ走ってというのを、もうひとりで戦わなくていいんだよと諭す部分にあると思うのだが、これもどうも弱い。
 戦闘に入ってすぐ、ミューズか突っ込んでやられてしまうのだが、今回の本懐が上記した部分であるならば、他の三人が突っ走るミューズをフォローしまくり、そういう事を通してミューズが「ああ、今までとは違うんだ」と気付くような事があってもいいのではなかろうか。
 そういえば、このスイートプリキュア♪は吹っ飛ばされた仲間をキャッチして助けるとか、踏ん張っている仲間に力を貸すとかの、そういうお互い助け合って強大な敵に挑む、みたいなのが皆無だよなー。誰か吹っ飛ばされても名前を叫んで見ているだけだもの。
 それでハーモニーパワー云々言うんだから笑わせる(笑)。息を合わせて攻撃するだけがハーモニーでもなかろうと思うのだがなぁ。せっかくそのなんだかよく分からない「ハーモニーパワー」がスイートプリキュア♪における力であるならば、繋がっている4人の心や絆を随所に見せていけばいいのにと思う。
 正直、スイートの皆さんが上手く連携している様ってほとんどなかったような気がするし、そんな印象は全く無いよなー。なんかこう、そういう繋がりのある部分が無いと4人がひとつのチームという感じが無く、それでハーモニー云々言うのだから違和感を感じてしまう。
 せっかくこのプリキュアというアニメの本懐のひとつが、一人で出来ない事も仲間と一緒ならきっと出来る!なんだから、敵の攻撃と仲間の助けを借りて避け、誰かが敵の隙を作って他の誰かがそこに攻撃をぶち込むなどの、だからプリキュアは一人じゃないんだ!ってところを見せてほしい。
 このスイートプリキュア♪は個々でなんとかしているって印象なのは、これまでのシリーズを見てきた者として寂しいし、物足りなさを感じてしまう。派手なアクションがなくてもいいけど(無論あった方が良いが)、せめて仲間を思いやり一緒に進んで行くプリキュアらしさは失わないでもらいたい。

 さて、個人的な所としては、これまで割とどーでもいーと思われていたネガトーンの不幸の音波に意味がついた事だろうか。
 さんざこれまで、ちょっとネガティブになって泣くくらいじゃんとこの感想で言ってきたが、さすがにそれだけではなんだなと思ったのか、ようやくそれによって人々の嘆き悲しみがノイズに流れ込み力を蓄えてしまうという設定が出てきた。
 第4クールにしてやっとネガティブ音波を出される事がヤヴァイ事なんだなとなったわけですが、それもあんまり印象に残っていないと言うか、劇中で大変な事だとしていないのでなんだかなーと思ってしまう。どうせだったら音波出されて街の人々が泣いている様子を見て「ノイズの復活が早まってしまう!」みたいな事言えばいいのに。悪役も「ノイズ様の力にするのだーフハハ!」とか言って「やらせちゃいけないんだよ」ということをアピールしてピンチ感出せばいいのになぁ。
 そういった危機的状況をプリキュアがひっくり返すような感じが無いので、今ひとつ高揚感が無いのはもったいない。戦闘は一番の見せ所でもあるんだから、盛り上げどころを作ってほしいなぁ。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「音吉さんへのバースデーケーキと音吉さん、アコ、響奏、セイレーンとハミィ」でした。
 音吉さんのバースデー言う割に、次回から登場のきっとノイズだろう小鳥がメインっぽいのだがいーんだろうかね(笑)。

第38話 パチパチパチ♪不思議な出会いが新たな始まりニャ!

サブタイの不思議な出会いは今回ほとんど関係無い。

 そんな今回のお話は…
 奏のお店、ラッキースプーンへ、アコがおたんじょう日ケーキの注文にやって来たわ。あしたは音吉さんのおたんじょう日なんだって!
 「気合いのレシピ、見せてあげるわ!」とはりきる奏。響とエレンも「みんなでお祝いのうたをうたおうよ!」と大はしゃぎ!
 だけど、アコはみんなといっしょに歌いたくないみたい…。どうしてかしら…?
 お家の庭で、パパとママにもらった大切なオルゴールをきいていたアコ。そこへアコをしんぱいした奏太がやってきたわ。アコはみんなといっしょに歌えないワケを奏太に打ちあけるの。
 そのとき、アコたちのまえにトリオ・ザ・マイナーがあらわれた!ファルセットは、アコのオルゴールをとりあげて、ネガトーンに変えてしまう!
 ぶきみな音で、町の人たちをかなしませるネガトーン。「私のオルゴールで、町の人たちをかなしませるなんて!」
 アコはミューズに変身して、ひとりでネガトーンに向かっていく。ところが、奏太がファルセットたちにつかまってしまった…!
 以上公式のあらすじ。

 サブタイはお話にほとんどかかってこないが脚本は良く出来ています。
 日常パートの「どうしてアコは歌いたくないのか」ということと、アコと同い年であり奏の弟「奏太」を上手く使っているし、何より戦闘での流れも日常パートを踏まえており感心した。
 前半部分では奏太が印象深く、アコは他のプリキュアと違って小学生なので、彼女の「歌いたくない」の理由を響きたちが聞き出すとどうも説教臭くなってしまうというか、上から押さえつけるような印象が出てしまうし、なにより中学生のお姉さんよりも同級生の方が話しやすかろうというものであるし、いつも一緒にいる奏太だからこそという部分が大事だ。
 そういう観点から言って、アコが歌ってパパママを思い出して帰りたくなってしまうからという理由を、割と素直でないアコが自然に話す所に無理が無い。
 またアコの話を聞いての奏太も良い。もちろんの事だが奏太はアコに好意を持っているわけだが、彼女が帰りたくなってしまうという話を聞いて、ちょっとどうしようかというような顔を見せるのだ。両親が遠い国にいると聞いている彼は、いつかアコがそっちへ行ってしまう事を恐れている。しかし彼女が両親の元で暮らした方がよい事も理解していてそのジレンマに困惑している表情が窺えるのが良い。
 そして彼はファルセットの登場にアコの前に出て「逃げろ!」と促す男らしさもあるし、その前の歌わない云々でわざわざプリンを持ってアコを心配し尋ねてくる優しさも持っていて、あぁどーせ将来コイツらくっついちゃうんだろうなぁなどと思いつつも、これまでいつも一緒に居た事だし、先に述べた部分もあるので寂しくもあるが、どうせだったらもうふたりにはくっついていただきたいと思ってしまう。まぁそんな、奏太に嫌味がないってのがいいわけですよ。藤P先輩(MH)とか牛乳(SS)とか大輔(FP)とかモジャ毛王子と比べたらもう全然いい男ですよねー。

 そんな奏太が戦闘にも関わって、なにより今回の戦闘は実にプリキュアらしさのある展開がけっこうたまらない。
 まず一人で戦うミューズに奏太を人質に取られ、優勢だった所が一転ピンチとなる。そこでファルセットがメフィストを取り返した今、ミューズが戦う理由はないだろうとし、この世界の事は放っておけといかにも悪役らしい事を言ってくれるのもさることながら、ミューズが自分が守りたいのはパパママだけでなく、この世界の大切な人達も守りたいのだと、プリキュアの本懐のひとつである所の「守るために戦う」という強い意志を示してくれるのが気持ち良い。しかし一人で戦うミューズでは……という時に満を持してメロディリズムビートが登場。そこからの奏太救出のための連携がたまらない。
 ミューズを先に行かせるために、いわゆる「ここは俺に任せて先に行け!」なのだが、この連携こそプリキュアがひとりでない事の理由であり、劇中でも語られるように「ひとりで出来ない事も、仲間と一緒ならきっと出来る」を体現してくれて見ていてこの上なく気持ちが良い。
 ぐりぐり動くアクションがあったわけではないが、これぞプリキュアという展開を熱く見せてくれてた。毎回これくらいのプリキュアらしさがあるといいですね。

 個人的な所では、戦闘での連携で、リズムがミューズの手を掴んで放り投げ、ビートのビートソニック(だったっけ?)の音符に掴まってすっ飛んでいくミューズの、特に何も言っていないのにそれと分かってしまうプリキュアたちの行動が見ていて壮快。ピンチを一転、完全に相手を出し抜いて人質救出の構図がたまらなく高揚する。
 上記しましたが、こういうひとりひとりの力が合わさって事を成す、プリキュア魂はやっぱり見ていて気持ちが良いですなぁ。
 もひとつ、奏太救出の後、「女の子にだっこされちゃってカッコ悪い子」と冗談で言うリズムに、ミューズが「そんな事ないよ。意外とカッコいい所もあるんだよ」と言うシーン。  奏太は言わずもがなだが、アコは奏太をどう思っているのか。の、答えがこれである。まぁ小学4年生(だったっけ?)の羞恥心の固まりみたいな時期に、いっつも男女で一緒にいるんだからなんとも思っていないわけが無い。
 ああ、なんかこう、アレだ。娘がどうもクラスの誰々くんが好きらしいとわかった父親の気持ちはきっとこんなんなのではないだろうか。ただの糞ガキならば誰がやるかといえるのだが、奏太は特にここがイヤだというのが無いからなぁ。上記しましたけど、もういっそくっついて初々しいちびっ子カップルっぷりを見せてほしいような気がしないでもない。

 そーいえば、今回からEDにミューズが加わりました。ちなみに初出は映画です。
 しかしなんか他の三人とちょっと感じが違うような気がしますな。テクスチャがちょっと違うのかなぁ。よく分かりませんが。
 髪がすごくキレイに動いていて(まぁそれはミュースに限らずですが)CG斑はがんばってます。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「泣き顔のハミィのドアップ」でした。
 次回はまーた音符の話らしいです。もう音符云々の話は飽きたなぁ。他におもしろい点があればいいんだけど。


第39話 フギャー!音符がぜーんぶ消えちゃったニャ!

さすがの上手いまとまり方だが……内容はあんまりないな。

 そんな今回のお話は…
 たいへん!!朝おきたら、音符がぜんぶなくなってる!!フェアリートーンたちが気づかないうちに、きえちゃうなんて…。いったい、どうして…!?シュン…とおちこむフェアリートーンたち。
 「あきためたら、負けだよ!」「勝負はさいごまでわからない!」響、奏、エレン、アコは、フェアリートーンたちをはげまして、また音符さがしをはじめることに!
 マイナーランドよりもはやく音符をあつめて、しあわせのメロディを完成させるんだ!
 たくさんの音符を一気にあつめるために、音吉さんにパイプオルガンをひいてもらう響たち。
 すると、町中の音符がうごきだした!さぁみんなで音符をいっぱいあつめるぞ!
 ところが、おなじように音符さがしをしていたトリオ・ザ・マイナーとバッタリ!ネガトーンで、まわりの人たちをくるしめるの。
 ゆるせない!響たちはプリキュアに変身してたちむかう…!
 以上公式のあらすじ。

 なんかけっこうおざなりなあらすじですが、まぁ簡単に言うと音符なくなったんでパイプオルガンでまた音符祭り、大量ゲットにイヤッホーっ!って所にトリオザマイナーからの出よネガトーン。ピンチを諦めない事で大逆転、音符を守ったぜー!しかしピーちゃんことノイズが音符を盗み取って元の木阿弥。ってな具合。
 そんなわけで内容としては上記の通り、音符を盗られた取った盗られたであんまりなくて、今回言いたい事の「諦めたら試合終了です」と「ピーちゃんはノイズ」だけの話を、いっぱいの音符にはしゃぐプリキュアの皆さんだとか、それを受けての戦闘での連携であったりで、内容は無いなと思いつつも上野ケンの作画と共に割と楽しく見れる。何度も言うが内容は先の書いた2点のみなのだが。
 お話的には、最初になくなった音符というところで、響にサッカーの試合であきらめないでがんばったら最後は大逆転、というフリを振らせておいて、戦闘でピンチをチームワークで大逆転に導く流れは、ちゃんと前振ってあるだけにプリキュアたちの連携に意味が出て良い。
 事後のハイタッチなんかも、新参者であんまり感情を素直に出さないのミューズが他の三人と少しずつ打ち解け合う様子を上手く描いており感心する。
 しかし個人的に一番「さすが成田良美!」と思わせたのは割と冒頭の奏の台詞で、寝ている間に盗まれたのでは?と言うセイレーンに、それはいくらなんでも気付くと答える響に「響は気付かないわ。一度寝たら朝までぐっすりなんだから」と言うのだ。「いや、そんなことは……」と返そうとすると「あーる!」と割と怒ったふうに言うんですよ。
 もうね、キレイに百合色に染まった脳を持つ身としましては、これほど百合妄想できるやりとりはないですよ!さすが成田良美!
 奏がなんで響が一度寝たら起きないか知っているのかというと、そりゃもちろん一緒に寝た事があるってことですよね。そしてなんでそれに対して怒っているのかを考えると、奏が一度何かしらのモーションをかけようとしたら寝てしまっていて起きなかった、ということに他ならないではないか!
 はは〜ん。読めたぜ。奏がモジャ毛王子云々言っているのって、上記のような事があって、こうなったら響の方から何かしらのモーションをしてくるように仕向けようと、まぁいわゆるヤキモチ焼かせてやろうという奏の策略なわけですよ。つまりモジャ毛王子は当て馬ってことさ!
 ああ、なんか俄然響×奏に興味がわいてきた感じ!もっとふたりのイベントあればいいのに!まぁでも今の所その奏の策略は空振りに終わっているようですが(笑)。
 もう今回はこのやりとりがあっただけで十分満足した感じです、オレ的に。

 物語としては、ピーちゃん=ノイズということを、かなりあからさまにメインターゲットの皆さんにアピールしているわけですが、ピーちゃんが悪の大ボスノイズなのはさておいても、今のこの立ち位置はすごく微妙なのではないだろうか。
 おそらくは、ミューズ=アコが可愛がっていた小鳥が悪の大ボスだったなんて!という劇中でのサプライズなわけだけど、アコやその他プリキュアの皆さんのショック度合いを高める為には、ピーちゃんと何かしらないとそこへ持っていけない。しかしピーちゃん登場以来これといってそれらしいイベントなど無いわけで。
 ノイズの行動としては音符をさっさと集めて完全復活を目論んでいるからこそのこの単独行動なんだけど、音符なんざぁどのみち最終的にノイズが復活しプリキュアがそれに立ち向かうという構図になるんだから、ノイズが小鳥を装ってプリキュアたちに近づいて来なくても展開的には変わらんよなぁ。
 だからこそ、プリキュアたちが狡猾なノイズに騙されていたということに多大なショックを受けないといけないような気がするんだけど、これでいーんだろうか?
 そもそもを言えば、全ての音楽を憎むノイズの復活に「不幸の」と冠がつくとはいえ、なんで「メロディ」が必要なんだよってぇ話だよな。世界中の音を消そうとか企んでいるんなら、音符の消滅とかを画策すべきかと思うのだが、そこは突っ込んではいけないような気がするな(笑)。

 まぁなんにしても、今回のような割とドタバタな楽しい感じのお話は、こんなこと出来るなら第1クールでもやってくれよと言いたいです。第1クールの退屈さは異常。
 このスイートプリキュア♪は絶対スタートダッシュで失敗していると思う。こういう話をやるのが遅い、遅すぎるんだよー!まぁ今更の話ですが……。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「寂しそうなアコと音吉さん、そしてメフィスト・アフロディテ・アコの家族写真」でした。
 次回はアコとおじいちゃんである音吉さんのお話みたい。まだしばらくミューズ推しが続きますかねー。わたくしとしましては、上記の通り第1クールで本来は強い繋がりを見せなければならなかった響と奏になんかいいイベント作ってほしいんですけどね。
 ホラ、だってセイレーンにはハミィがいるし、アコには奏太という決まった相手がいるので、未だに友達以上の進展のない響と奏が急接近するようなお話を見たいのだがなぁ。
 このままじゃ響と奏がただの友達で終わっちゃうよ。


第40話 ルルル〜!雨音は女神の調べニャ!

サブタイはあんま関係無い。

 そんな今回のお話は…
 せっかく集めた音符が、フェアリートーンの中からきえてしまった…。
 もしかして、ノイズのしわざ!?響たちは、ほうかご、ノイズさがしをすることに。
 そんなほうかご、小学校ではアコがおうちへかえろうとしていたの。でもカサをもってないみたい…。それを見た奏太が「これ使えよ」とアコにカサをかしてくれた。
 でもアコは「いい。おじいちゃんがむかえにきてくれるから」とそこでまっていることに。だけど…いつまでたってもおじいちゃんの音吉さんがこない。
 おじいちゃんになにかあったのかしら…まさか、ノイズが!?しんぱいになったアコは、雨のなか、飛びだした!
 そのころ響たちは、音吉さんならノイズのかくれていそうなトコロがわかるかもとしらべの館へ向かう。
 しらべの館では、音吉さんがパイプオルガンのしゅうりをしていたの。すると…パイプオルガンのパイプがはずれて、音吉さんめがけておちてきた…!
 音吉さんがあぶない……!!
 以上公式のあらすじ。

 上記したようにサブタイはお話にあまり関係が無く、別に雨音がミューズと云々あることもなく、ピーちゃんがノイズとバレた事さえ分かれば、お話的には問題ない。
 んではサブタイの雨音はなんぞやと言いますと、アコには雨におじいちゃんこと音吉さんとの思い出がある、というだけの話だったりするので、お話的に何かしらは無い。
 まぁ一応、ピーちゃんがノイズとバレた時に来たアコが、目の前のピーちゃんよりも音吉さんを信じるという理由付けとしては使われているのだが、正直な所、そんなん無くってもよかったりする。
と、言うのも、ピーちゃん登場以降にプリキュアの皆さんと何かしらあったわけではないからだ。
 特にみんなでピーちゃんを可愛がっていたわけでもなく、特別アコに懐いていた描写があったわけでもなし、これまで熱心にこのアニメを見てきた者としても、ピーちゃんの存在なんて、ノイズである事は置いておいても、「そーいえば、アコが拾って来た」くらいの印象しかない。
 劇中にあったように、ノイズは人の愛情友情などを狡猾に利用する、というのであらば、ここまでにプリキュアの皆さんになんとなくでも愛されている様子をちょいちょい見せるべきなんだろうが、そういった描写はこれまで全くと言っていい程ない。
 そういうプリキュアの皆さんにそれとなく愛されてきた存在が悪の大ボス「ノイズ」であった、ということに「な、なんだってーっ!」となるのではなかろうか。それを踏まえて、今回アコが目の前のピーちゃんと音吉さんのどちらを信じるのか、という部分で盛り上がるんだと思う。
 しかし、これまでの状況では、今回のアコと音吉さんの思い出がなかったとしても、ピーちゃんと音吉さんを秤にかけたら音吉さんの方が重い。そう最初っから比べるまでもないのだ。数話前にちょっと拾って来た小鳥と第1クールから登場している音吉さんを秤にかけるのが、その孫キュアミューズことアコなんだったら、どっちに重きを置くのかなんて子供でも分かるだろう。
 本来ならばアコの決断にハラハラさせられる所なのだが、正直そんな事は微塵も思わなかったですよ。むしろアコが手に乗るピーちゃんを「コイツがノイズ?えいっ!」と即座に握りつぶしてしまってもいいくらいの関係性の無さだもの、ハラハラも何も無い。
 だからここ数回、ノイズっぽい片鱗を見せるピーちゃんという描写があるのなら、ピーちゃんを可愛がるプリキュアの皆さんを見せるべきと言ってきたのだ。前回だかにも言いましたが、これでは悪の大ボスが小鳥に化けて近づいて来た事に何の意味も無いよ。
 どうせ近づいてくるんなら、プリキュアの皆さんがノイズのその狡猾さに心底悔しがったり裏切られショックを受けるようにしなくてはならないよなー。音符なんてどうせ最初は全て悪の手に落ちる事は分かっていることなので、近づいて音符集め云々も説得力無いし。
 ま、そういう事を考えると、今回のメインは音吉さんとアコの関係性。ひとり人間界にやって来て寂しい思いをしているアコに、音吉さんという存在はとっても重要なのである、ということを見せたかっただけなのかもしれんな。

 今回は戦闘の方もかなりしょんぼりで、変身して一発攻撃されたかと思ったら、ミューズが「シ」の音符のシャイニングメロディーで動きを止め、即座にスイートセッションアンサンブルクレッシェンドをぶちかます凄まじいオマケっぷり。
 調べの館にあるピアノがネガトーンになってしまうのだが、戦闘前の口上が「私たちの大切なピアノをネガトーンにするなんて許せない!」だし。せっかくノイズは人の愛情友情を狡猾に利用する、それに騙されていたという展開なんだから、それに対してなんか言えよと思わずにはいられない。
 そんなわけで戦闘もあって無いが如くでありました。せっかくなんだから「ピーちゃんはノイズ」「な、なんだってーっ!」だけで一本丸っと使ってもよかったんじゃないですかねー。

 個人的な所としては、雨でおじいちゃんの迎えを待つアコと奏太の件はよかった。やっぱり奏太はその優しさに嫌味が無くて良い。
 そんな奏太に対しアコが「奏太って……優しいんだね」と言って彼を慌てさせると「本気にしてるし」とかいうツンデレっぷりを見せるのだが、当然本当に優しいと思っているわけで、ああもうどうせならくっついちゃえよと思わずにいられない。ってゆーか、相合傘して帰るというちびっ子ラブラブカップルっぷりが見れると思ったのになー残念。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「たくさんのファリーとそれに目を回すバリトンとバスドラ」でした。
 せっかく悪の大ボスの面が割れたというのに次回はドタバタ劇っぽいなー。いいのかしらん?


第41話 ファファ〜♪最後の音符はぜったい渡さないニャ!

なんだコレ?(笑)

 そんな今回のお話は…
 響たちにのこっているのは、ファリーがもっている音符1つだけ。あとはぜんぶ、トリオ・ザ・マイナーたちにとられてしまったわ。
 ファリーの音符は、さいごの希望!ぜったいまもらなきゃ!!
 でもフェアリートーンのなかでも、“いちばんのおちょうしもの”のファリー…。
 「ファリーは足もはやいし、こ〜んなに高くとべるファファ〜♪」なんて言って、とびまわるファリーに、ハミィもほかのフェアリーたちもヒヤヒヤ。そこで、響がいいことをおもいついたわ。
 これから映画のさつえいがあることにして、町のみんなに、ファリーをまもるおてつだいをしてもらえばいいんだ!
 「黄色くてかわいいファリーという妖精が、わるもの2人においかけられています。ファリーをみつけたら、たすけてあげてくださ〜い!」響のよびかけで、町のひとたちはザワザワ!
 奏の弟・奏太はもちろん、響たちのクラスメイトも、加音町のひとびとみんなでトリオ・ザ・マイナーからファリーをまもってくれるの。
 ところが、それに怒ったファルセットが…!響たちはファリーをまもりきることができるの…!?
 以上公式のあらすじ。

 お話はファリーが持つ最後の音符をめぐってのドタバタ劇。そう、ノイズの面が割れ、プリキュアの皆さんが持つ音符はたったひとつという状況でドタバタ劇ですよ。
 こういう話はこれまで何回かあった音符集めに終始する話でやってもよかったんじゃないか?
 内容としては「最後の音符も奪われました」ってだけだし、ホント何故このタイミング?と思わずにはおれん。まぁなかなか楽しいドタバタではあったが。
 ってゆーか、こんな楽しい話が作れるなら、第1クールでもっと盛大にやってやれよ。おせーよ!
 と、いうわけで、上記の通り内容はほぼ無いと言っていい話であったため、楽しいお話ではあったものの、正直書くことがないな(笑)。
 どうせだったら戦闘もそのドタバタの流れを汲んで、楽しい戦闘でもよかったような気がします。いつだったかのクイズ対決(お勉強対決だったっけ?)の時みたく。
 でも戦闘は止め絵が多かったものの構図やポーズがカッコいいのでその点は良かった。

 個人的な所では、ここ数回この感想で良いと言っている奏太であろうか。Aパートでの太陽マンの件でしっかりアコと一緒にいることに注目したい。
 一応響の策で、映画の撮影をしているという態なので、奏太としてはアコと一緒に映画に出たかったということなんだろう。手を繋いで逃げたりするしでちびっ子カップルっぷりが初々しく、なんとなくほっこりします。
 それに比べて主役ふたりの影の薄さよ。Aパート冒頭の奏の策略「スキスキ王子先輩で響にヤキモチ焼かせる」は、いつもの如く全く響に通じてないしな。
 もうさ、どうせ「それどころじゃないよねー」となるんなら、響が「もう!それどころじゃないでしょ!」とか言ってむくれてくれたら、こっちは妄想爆発できていーんですけどねぇ。わかってねぇなぁ。

 というわけで、物語もそろそろ佳境なんで、次回辺りからはクライマックスに向けた展開になっていくんじゃないんですかねー。
 あれ?でも次回予告を見る限り、全くそんな感じがしないのだがいーんだろうか?

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「ビックリ顔(?)のファルセット」でした。
 音符は全てそろったが、どうも歌えない模様。予告ではモジューレに秘密があるそうなんだが……それってどうよ?
 せっかくセイレーンとハミィに「歌姫」っていう設定あるんなら、歌えるヤツがいないとかにすればそのふたりの設定が活きていーのに!
 なんかこのスイートプリキュア♪はそーゆー細かいところでアレだよなぁ……。


第42話 ピコンピコン!狙われたキュアモジューレニャ!

もう、Aパートみたいなのは第1クールでやれよなー。

 そんな今回のお話は…
 さいごの音符までうばわれちゃった…。このまま不幸のメロディが完成して、ノイズが復活したら…。世界がかなしみにつつまれてしまうかもしれない…!
 響たちがなやんでいると、「みんな、心配いらないわ」と、アフロディテのやさしい声がきこえてきたわ。どういうこと!?
 そんななか、響たちの学校のともだちの和音があわててやってくるの。
 「聖歌せんぱいが、ヘンなやつらにつれさられたのを見たの!」ええ!?いそいでたすけなくちゃ!!
 和音についていくと、つかまっている聖歌せんぱいをみつけたの。なんとか聖歌せんぱいをたすけられたけど、そこへファルセットがあらわれた!
 響たち4人は、キュアモジューレで変身!……と思ったら、和音と聖歌せんぱいにキュアモジューレをとられちゃった!
 どうして!?2人ともいったい、どうしちゃったの!?
 以上公式のあらすじ。

 ピコンピコン!の擬音がいったい何を表しているのかがさっぱりなのはともかく(笑)、お話は音符を全部奪われちゃってどーしたもんかと思っていたら、モジューレにト音記号が隠されていて、結局そろっていなかったのでトリオザマイナーが奪いにくるという話。
 Aパートはファルセットに取ってこいと命令されたバスドラとバリトンとプリキュアの皆さんのコメディで、上記本筋はBパートからだ。
 冒頭にも書きましたが、Aパートみたいな楽しいコメディは第1クールでやれって話ですよ。遅い、遅すぎる。まぁおもしろくはあったんですけど。
 内容としては、悪い心を持つものは触ることも出来ないキュアモジューレを奪う為、バスドラとバリトンが幼稚な作戦を立てるものの、小学生のアコに簡単に見破られ……というそんだけの話。
 まぁそのドタバタ劇は見ていてけっこう楽しく、先述しましたがもっと早い段階でこんな話をやってってほしかったですな。もういっそ今回はそんな楽しい話で終わらせても良かったような気がしますが、よく考えるとこのAパートでのことはBパートにかかってくるので、脚本は上手くやっていると言える。
 というのも、割とバスドラとバリトンはフツーにプリキュアの皆さんと喋っていたりして、ファルセットと比べると、ノイズによる悪の洗脳は薄いような気もするし、なによりそれなりにプリキュアのみなさんと会話出来ていることが、Bパートで一瞬元の姿に戻ることの布石のひとつになっているからだ。
 これでトリオザマイナーのお三方は元に戻ることが出来るフラグが立ったわけで、プリキュアの皆さんが正義という看板を振りかざし、問答無用で消し去れなくなったのは良いだろう。結局はみんなノイズに操られているわけで、これで最終的に「ノイズ許さない!」に向っていける。
 今回の戦闘でも、ノイズによってより強力に洗脳され、バスドラとバリトンと戦闘になるのだが、プリキュアの皆さんが「このふたりとは闘えない」となるのは、プリティキュアの名の示す通り、ただ悪と設定したものを倒すだけではなく、彼女らの本来の使命が「悪と闘って勝つ」ではなく「悪から誰かを守る」ことであることを示していて良い。
 またドラマとして、最後にせっかく彼らふたりを元に戻せそうだったのにノイズに邪魔されてしまい、ふたりもまた洗脳されてしまってプリキュアがその使命を果たせなかった事と、ラスボスであるノイズの強大さに不安を残す引きになっている点も上手い。
 と、そういう観点から言って、今回のお話はなかなか良く出来ていたと思います。

 ただ個人的なことを言うと、一点気になることはある。
 それはノイズに操られた和音と聖歌先輩にモジューレを奪われた際、アコが突然「こんな事もあろうかとみんなのモジューレを偽物とすり替えておいたのよ!」とか言い出したのは面食らった。
 いやだって、そんな描写は全く無かったし、それっぽい何かしらもなかった上に、ものすごい突然感があって正直「えぇ〜っ!それでいいの?」と思ってしまった。
 まぁおそらくは、Aパートでのト音記号のニセモノを紛れ込ませておいたと言うアフロディテとアコに同じことをさえて、「あぁ親子なんだねー」という所を見せたかったのかなーとは思うのだが、今回はくっきりAパートとBパートで話の印象をわけていたので、Aパートのその一部分の流れをBパートに持ってこられると、上記したように思ってしまうわな。
 そういう事を示したいのであらば、むしろAパートでやっておいた方が流れが自然で良かったように思えるな。だって、そのすり替えで一回難は逃れたものの、結局また奪われてしまうしな(笑)。それだったらやはりBパートでやらなくても良いだろうという話だ。
 もうひとつ。アフロディテってけっこういーかげんと言いますか、あんま女王様らしい威厳が感じられないですよねー。多分ワザとちょっととぼけた感じが見えるようにしているんだと思いますけど、それならそれでその親しみやすい女王様的な所をちょいちょい見せていけばいいと思うんだけどなぁ。
 なんか見ていてエラい人なんだかなんなんだかよく分からない印象がありますよ。最初の方でもっとこういうキャラなのだとはっきりさせておくべきだったんじゃないですかね?
 そういう点でいうと、響というキャラクターも主役として弱い印象があるな。奏は可愛くない性格でミーハーってのがあるし、セイレーンはけっこう真面目でちょっと天然だし、アコはツンデレ小学生という特徴があるんだけど、響ってこれっていう特徴があんまりないのよね。まぁ簡単に言えば、響のここが好きっていうのが見当たらないのだ。
 スポーツ万能という最初の設定の割に夢はピアニストで妙にチグハグな感じがするし、特別打ち込んでいる何かがある描写もないし、性格的に愛らしいかったり人一倍優しかったり熱かったりということもなく、プリキュアの誰かと特別強い絆を毎回見せてくれるでもなしで、正直とても主役っぽくないんですよね。
 やはり主役は特別みんなに愛される人物、やっぱりコイツが主役だと思わせるキャラクターであってほしいな。個人的には物語としてセイレーンかミューズが主役の方がしっくりくるような気がしてしまいます。まぁそんなこと言っても今更な感じであるのが寂しいですが……。
 なんにせよ物語はどうも次回からクライマックスな展開になっていくようで、せめて最後は盛り上がっていただきたいのですが、はてさて。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「プリキュアのみなさんとトリオザマイナーとノイズ」でした。
 上記しましたが、次回からクライマックスへ向っていくっぽい。やっぱこのスイートプリキュア♪はスタートダッシュでつまずいたなー。
 これもナージャの呪いか……。


第43話 シクシク…… 不幸のメロディが完成しちゃったニャ!

オチをサブタイで言うなよ(笑)。

 そんな今回のお話は…
 アフロディテさまが、ファルセットにマイナーランドへつれさられてしまったわ…!
 メフィストはひとりで助けにいくというけれど、響はみんなによびかけるの。「みんなでアフロディテさまを助けに行こう!」
 響、奏、エレン、アコ、ハミィそれにメフィストは、マイナーランドへむかったわ。
 ファルセットのほんとうのねらいは、響たちのキュアモジューレだった!キュアモジューレをわたせば、アフロディテさまをかいほうしてくれるというの。いったいなぜなの…?
 キュアモジューレがなくなれば、響たちはプリキュアに変身できない。でも・・・いまはアフロディテさまを助けなくちゃ!!
 響たちは、ファルセットの前に4つのキュアモジューレをおいたわ…。
 このまま、キュアモジューレはうばわれちゃうの?!そして、アフロディテさまをぶじに助けることができるの…?!
 以上公式のあらすじ。

 というわけで、あらすじで「このまま、キュアモジューレはうばわれちゃうの?!」とか書かれておりますが、サブタイで不幸のメロディが完成って書いてあるんだから、まぁモジューレはともかく、中のト音記号は奪われるってもんですよ。
 そんなオチがすでに分かりきっているお話としましては、前回前々回とは打って変わって完全シリアス路線で、見ていて思わず「今回はすごく真面目だな」などと思ってしまったよ。だからあーゆー話は第1クールでやれというんだ。まぁそれはともかく、ようやく最終決戦に向けての盛り上がりを作っており、お話としてはまぁまぁ良く出来ている。トリオザマイナーにアフロディテが攫われてモジューレとの交換を持ちかけられ……というのが大体の流れで、それをどーするかが見せ所である。
 大概こういう何かと交換的なことは、悪役の言うことを信じてしまって裏切られ「卑怯よ!」とか言い出すのがこれまでのシリーズのパターンで、さんざ悪役の卑怯な振る舞いを目の当たりにしておいてあっさり言う事聞く方がどうかしているとよごれちまった大人としては思っていたのだが、このスイートでは悪役との交渉をキャラクターがしっかり考えて行動して、一旦はモジューレを手元に戻している点は、交渉の緊迫感と出し抜いた高揚感が出ていて良い。
 そこから変身してさぁ格闘だ!と思ったのですが、残念ながらそんなこともなく、戦闘としてはメロディがファルセットに突っ込んで行ってやられる所以外で良い所はなかったのは残念。
 というのも、バリトンとバスドラがノイズの邪悪な力にさらに操られるのを、メフィストが自分の身体にその力を吸収し、自己犠牲によって邪悪な力を消すという展開があって、元に戻ったバリトン・バスドラがファルセットの攻撃からアフロディテとメフィストを守るのだが、それを見てプリキュアは「誰かの犠牲の上の平和は成り立たない」としてモジューレのト音記号を渡してしまうのである。
 どうもその辺の説得力が欠けていて、いやいやト音記号渡す前に助けに行けよと。それで闘っても勝てそうもなく、このままではプリキュアはまだしも他の連中がやられちゃうぜ、くらいの危機感が欲しい。
 というか、私としては、むしろそこまで来たら何あがろうと悪役の思い通りにはさせられないと考えてしまうのだが、やっぱ愛と正義のスーパーヒロインとして仲間が苦しんでいるのを見てられないって言うのは良いだろう。それでバリトンとバスドラも元に戻るであろうきっかけになっていることだし。
 と、お話の展開としてはなかなか良いのですが、なんかどうも盛り上がりとしては今ひとつで、展開的には絶対に渡してはいけない最後のト音記号を渡さざるを得なくなるのなら、プリキュアが自らト音記号を放棄することに見ていて納得できる状況でなくてはならないだろうな。むしろ善戦虚しく奪われる、とかの方が悔しい感じが出ていいかもしれない。
 今ここでの盛り上がりがこれではラストの方の盛り上がりもあんまり期待できそうにないなぁ。大丈夫なんだろうか。

 さて、個人的に気になった所としましては、まぁ毎シリーズ思っているんですけど、プリキュアたちのヤサって悪役に割れてますよねぇ。これがどうも気になって仕方ないのです。
 今回はアフロディテを攫ったトリオザマイナーが調べの館の水に通信(?)してくるし。まぁ何が言いたいのかと言うと、拠点が分かっているなら、ここに至るまでに悪役はそこを攻めれば良いのにと思ってしまうんですよ。そもそも変身前のプリキュアが誰なのかもトリオザマイナーは知っていることだし、それなら悪役として家族を人質に取るとか出来るだろとか思ってしまって随分悠長だなーとか、もしかして悪には悪で美学でもあるんかねーとかちょいとした疑問を持ってしまう。
 世界を滅ぼそうとするほどのヤツならなんでもするような気がしますので、プリキュアが誰なのかというのは悪役に知られない方が良いんじゃないんですかねー。なんでかプリキュアって他の人々に知られないようにすることの方に気を使っているよなー。
 プリキュアは街のみんなをなんか悪いコトするヤツラから守っているんだから、ごく親しい親友とか一部の人には知られてしまっても良いような気がします。そういう人達のちょっとした援助もありつつみたいな話があってもおもしろいんじゃないかなー。
 あれ?スイートの感想じゃなくなっているな(笑)。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「フェアリートーンたち」でした。
 次回はト音記号がなくなって変身できなくなってしまったけど、クリスマスの奇跡で変身するようです。
 え〜っ?別にクリスマスはキリストの誕生日でもなんでもなく(ホントは9月か10月くらいらしいですよ)、もともとただの冬至のお祭(冬至だったっけ?)で、聖なる某は特にないんだけどなー。


第44話 ドレラド〜♪聖なる夜に生まれた奇跡ニャ!

今回初めて気付いた事実。

 そんな今回のお話は…
 とうとう不幸のメロディが完成してしまった。
 ファルセットにハートのト音記号をとられた響たちは、もうプリキュアに変身できない…。
 あしたはたのしいクリスマスのはずなのに、響たちはくらい顔…。そんなとき、音吉さんがうれしいニュースをもってきた!
 ノイズにまけないパイプオルガンが、ついにかんせいしたんだって!しらべの館へきた響たちは、音吉さんとクレッシェンドトーンからパイプオルガンがもつ力をおしえてもらうわ。
 そこへこんどは「おまたせ〜!」と奏太がやってきた。うしろには、王子隊や聖歌せんぱい、和音たち…。がっこうのともだちがたっくさん!!
 みんな、しらべの館でひらくあしたのクリスマスコンサートのじゅんびをおてつだいにきてくれたんだ。みんなとじゅんびするうちに、響たちにもえがおがもどってきたわ。
 いよいよクリスマスとうじつ。「これより加音町クリスマスコンサートをはじめます」王子せんぱいのことばで、おきゃくさんたちから大きなはくしゅ!
 するととつぜん、しらべの館のライトがぜんぶ消えたわ。まっくらな中、まるいスポットライトのひかりがうかぶと、そこには伝説のがくふをもったファルセットが立っていた!
 以上公式のあらすじ。

 何に気付いたかと言うと、不幸のメロディと幸せ(?)のメロディってメロディは一緒なんだねー、という事に気付いたのでした。コードがマイナーかメジャーかという事だったのね。今回交互に聞けて始めて気付きました。
 ま、それはともかく、今回のお話は、前回ハートのト音記号を奪われ変身できなくなってしまった響たちは……という話なのですが、まぁプリキュアになれなかったら話にならないので、どうやって復活するかが最大のポイント。
 その点は私としては上手いこと考えたなと思っていて、音楽は既存の物が全てでなく、新しく作り出すことも出来るとし、響きたちが新たなハートのト音記号を生み出したことで決着させた。
 よごれちまった大人の私は「どーせ都合の良いパワーで復活するんだろう」などと高をくくっていたのだが、取り返すのではなく、音楽というテーマに沿って新しく生み出すという展開に納得させられた上にちょっと感心しました。やっぱやるなぁ、成田良美。
 とはいえ、お話としましてはノイズが完全復活とか町の人達が石にされるとかありはすれど、盛り上がりといいますかピンチ感というのは薄く、どうもクライマックスな感じがないのがいかんともし難い。
 ノイズ完全体はデザインがどうも悪の大ボスという迫力に欠けるといいますか、なんだろう。こう、怖さがないんですよねー。でかさもちょっと中途半端な感がある大きさですし。なんとなく戦隊物の毎回のビックリどっきりモンスターが巨大化した、くらいの印象しかないな。
 ピンチ感という所でも、クリスマスコンサートで響たちの両親や友人たちを見せ、それが後に石にされてしまうことでのピンチ感を演出しているのだけど、これまで大して両親や友人たちと何かあったわけでも、イベントがたくさんあったわけでもなく、見ていて「なんてこった!」という気になれないんですよねぇ。
 ここまでに両親や友人たちが響たちと特別強い繋がりを感じられるようなこともなかったので、彼らが石にされた所で、それは町の人たちであるモブと正直大差ないよなー。響奏の両親はともかくとしても、和音や聖歌先輩、モジャ毛王子らはちょとした知り合いくらいの印象しかないですよ。
 そう考えるとサブキャラってのは意外と重要なポジションであると言え、そういう人達が出てこないと、主役たちしかいないような気になって世界が狭まってしまうし、何かしらのイベントで印象付けないと、何かあった時に主役たちのショックがあんまり伝わらない。
 その点、ハートキャッチは上手くやっていたなぁ。出会いから理解し合って繋がっていく感があったものな。それが学園祭という所で集約されて、より結びつきやこれまでの活動に意味を持たせていたし。
 ああ、なるほど。そういうことか。スイートにはそういう日常パートでの他とのつながりの集大成みたいな物がないから、今こういう事になっているわけだな!そもそもスイートの日常パートって、ケンカして仲直りかトリオザマイナーと音符奪い合ってるかのどちらかだったもの。なるほど初代プリキュアでアイテム集めに終始しないようにしていたわけだ。むしろそこは重要でなかったという事か。
 プリキュアの使命が大切な人を守ることにあるんだから、見せるべきはアイテムを収拾する所ではなく大切な人達との繋がり。その繋がりがあるからこそ、世界のピンチにシリーズの合い言葉である「絶対にあきらめない!」をプリキュアが吐くことに意味が出てくるのだ。
 毎シリーズやっていることは同じ「大切な人達を守る」なのだが、それをどう見せるかでこうも違ってくるのだから、見せ方や物語全体をどう作るかってのは大事なんだなぁ。まぁ当たり前のことではあるのだけど、その当たり前がいかに難しいか。
 なんかスイートプリキュア♪は最終的に良い反面教師になりそうだなぁ……。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「光線出しているハミィとファリーと……オレンジ色はラリー(だったっけ?)」でした。
 どーでもいーけど今回のラスト。調べの館が浮いてましたよ。フロートテンプルかってぇ話ですよ(笑)。いきなり過ぎてビックリしたわ。ちゃんとそのフロートテンプルは劇中的に意味があるんだろうな?
 (フロートテンプルとはファイブスターストーリーズに出てくる主役アマテラスの居城で、ひとつの島をそのまま空に浮かび上がらせた大金持ちの成金趣味です。/笑)


第45話 ブォ〜ン♪ノイズの好きにはさせないニャ!

展開はなかなか良いが。

 そんな今回のお話は…
 響たち4人のむねに、あたらしいハートのト音きごうが生まれたわ!プリキュア、ふっかつ・・・!!
 人々は石にされ、音がなくなってしまった加音町。ノイズをたおして、ぜったいみんなをたすけるわ…!
 メロディたちは、ノイズを追ってメイジャーランドへむかったわ。
 ノイズは世界中からすべての音を消そうとしている…!そんなこと、ゆるさない!!
 ノイズに立ち向かうメロディたち。ところがノイズのつよさに、プリキュアの力がはねかえされてしまう。
 プリキュア、ぜったいぜつめい!おいつめられたプリキュアにノイズがせまる!
 その時、あの人の声がメイジャーランドに響く…!
 以上公式のあらすじ。

 上記引用したあらすじは今ひとつ話が見えないのでざっと説明すると、メイジャーランドでノイズの攻撃を防ぐアフロディテであったが、強大なノイズのパワーの前に打ちのめされてしまう。しかしそこヘプリキュアの皆さんが到着。クレッシェンドトーンとの過去話などを悠長に聞きつつ戦うが歯が立たない。そこへフロートテンプルと共に音吉さんがやってきて、聖なるパイプオルガンの音色で攻撃しプリキュアたちはスイートセッションアンサンブルクレッシェンドで追い討ちをかける。だがノイズは音符を吸収し以前よりも力をもっていた。攻撃を跳ね返し音吉さんを封印してしまう。後を託されたプリキュアはハーモニーパワーを爆発させパッショナートハーモニーを放ちノイズを倒そうとするが、ファルセットの横槍で相打ち状態に。残った力でプリキュアを封印しようとするのイスであったが、クレッシェンドトーンがその身を犠牲にしてプリキュアを助ける。クレッシェンドトーンは後事をプリキュアに託し封印されてしまい、意識を失ったノイズはファルセット共に何処かへ消えてしまった。って感じ。

 冒頭にも書いたように展開としてはノイズの強大な力に踏ん張りつつ倒せそうになりながらも、ノイズがラスボスらしくことごとくそれを跳ね返し、プリキュアたちを助けるカードが一枚づつ減っていくという、ラストバトルに向けプリキュアたち自身がラスボスと相対さなくてはならない状況を作っていて悪くない。
 ノイズが二回ほどやられそうになり、プリキュアの方も、パイプオルガン・音吉さん・クレッシェンドトーンを失っていくギリギリの攻防戦という感じが出ていて、そういう展開的な所では上手く話が作ってあると言える。
 しかしどうも格闘がほとんどなかった所為なのか、ラスボスと第一次決戦だ!という盛り上がりという観点では欠けると言わざるを得ない。べつに格闘云々の話でもないのかもしれないが、せっかくお城の前の広大な土地の前で戦っているというのに、両者突っ立って光線出してばっかりという印象は否めない。どうせなら広大フィールドももっと活かせば良いのに。
 動かさないのならいっそ動かせない状況を作ってしまっても良い。城にアフロディテや一部国民がいるのだから、これ以上城へは近づけさせないとして、城の前に陣取って彼らを守るみたいな事をすれば危機感も出るしプリキュアの皆さんがあきらめずに戦う理由にもなって良かろうと思うのだがなぁ。
 ちょっとノイズとの対決に注力し過ぎたのか、細かい所がおざなりといいますか、もうちょっと工夫すればもっと良くなったのでは?と思い残念だ。

 細かな点といえば、少しというかだいぶ気になった所がある。それは音吉さんのパイプオルガンとフロートテンプル。(フロートテンプルについては前回の感想参照)  せっかく前回仰々しく現れたフロートテンプルは何かしら役所みたいなのがあるのかと思っていたら、単なるパイプオルガンの移動手段かよ。パイプオルガンから光線がピャーと出るんなら、べつに人間界にあっても良かったんじゃないのか?音が届けばいいわけだから。
 そのパイプオルガンも、音吉さん初登場の時からずっとなんだかんだで見せてきて(正確にはOPのタイトルバックになってるから最初っからだけど)、役所は今回ちょっとノイズを苦しめただけで終わりかよ。もうちょっと何かしらパイプオルガンの効力なりなんなりを引っぱっても良かったんじゃないですかねー。見ていて「え?たったこれだけの為にここまで引っぱったの?」と、もうそんなならいっそパイプオルガン云々はなくても特に問題なかったんじゃないかと思ってしまいましたよ。ここまで引っぱったんだから、もっと意味のあるもんだと思うよなぁ。

 話が前後してしまいましたが、上記したようにプリキュアたちを助けていたカードが減っていく様はなかなか良くて、これまで「音はうるさいから消すぜ」くらいの理由しか提示されていないノイズの行動原理ではプリキュアが戦う理由としては弱くて、大切な人達が石にされたり封印されたりして失っていく事で、彼女たちがノイズをどうしても倒さなくてはならないと思わせる事は重要である。まぁプリキュアの大切な人達が死に直面しなければならないというわけではないが、今ひとつよく分からない理由に「絶対許せない!」とか言われてもピンとこない、という話なのだ。
 今回はそういう観点からしても、音吉さんやクレッシェンドトーンが封印される間際に「後は任せた」と後事を託すのは、プリキュアが絶対負けられないとして戦う事に無理がなくて良い。
 とまぁ今回はそんな感じで良くも悪くもあって、ラストに向けた展開は良かったものの、もうちょっとなんかあっても……と思わずにはいられない。
 後3回ですが、最終的に上手く盛り上がってくれればいいなぁ。望みは薄いのか?

今週のまたみてね
 今回のまたみてねはなんと!「キュアメロディと後番のスマイルプリキュアの主役キュアハッピー」でしたよ!
 番宣も始まりまして、どんなんか今から気になるところでですが、いやまさか、この段階でまたみてねに出てくるとは思いもよりませんでした。なんかこういうのを見ると、このスイートプリキュア♪は色々と結果が悪かったのかなーという気になってしまいますねぇ。
 まぁ最終回のまたみてねをプリキュア5にとられたSplash☆Starの不遇さに比べたらまだマシですがね(涙)。
 (Splash☆Starは世間で言われているほど悪くないです。興味のある方は是非ごらんあれ。少なくともこのスイートプリキュア♪よりは断然良い)


第46話 ズゴーン!プリキュア最後の戦いニャ!

おお、熱くていいですよ!さすが成田良美。

 そんな今回のお話は…
 音吉さんとクレッシェンドトーンまで石にされてしまった…。
 でも…泣いてるだけではダメ!こんなときこそ、ニッコリえがおと元気がだいじ!
 そのとき、ズゴーン!!とすごい音が!くうちゅうコンサートホールをノイズがこわそうとしているわ!
 プリキュアとたたかって、ダメージをうけたはずのノイズが、もうもどってきたの?しかも、パワーアップしている!?どうして…?
 さらにパワーアップしたノイズのムネがおおきくひらく!すると、そこにメロディがグングンとすいよせられていく…!
 リズムたちはメロディを助けようとするけど、間に合わない!どうしよう!!
 このままだとメロディが、ノイズにのみこまちゃう!!そのとき、あの人たちがメロディの手をつかんだ!
 「あなたたちは…!!」
 以上公式のあらすじ。

 あんまりピンと来ないあらすじなのでざっと説明すると、前回ダメージを受けたノイズはファルセットを飲み込んで傷を癒し、そしてより力を付けた。今度はプリキュアたちも飲み込んでやろうと舞い戻り彼女らと対決する。より力を付けたノイズにプリキュアの攻撃は効果がない。ノイズが倒れたメロディを飲み込もうとすると、バスドラとバリトンが間に入ってメロディを助けた。彼らはファルセットがノイズに飲み込まれる様を目撃していて、忠実な部下であった彼を何故飲み込んだのかとノイズに詰め寄る。その問いにただ一言「うるさかったからだ」と答えるノイズにバスドラとバリトンは激怒する。そんなふたりを吹き飛ばし、当初の目的であるプリキュアを飲み込もうとするノイズ。バスドラとバリトンは再度プリキュアとの間に入って守るも、替わりに飲み込まれてしまいプリキュアに後を託す。ふたりを吸収しさらに力を得たノイズは巨大な怪鳥の姿から人型へと姿を変えた。目の前でふたりが吸収される様を見たプリキュアたちは一斉に攻撃を仕掛けるも、やはり効果はなく吹き飛ばされ変身も解けてしまった。そんな折、宮殿から音楽が流れてくる。アフロディテと残った国民が演奏しているのだ。不審に思ったノイズがホールに入っても臆せず演奏を続ける国民。苛立つノイズにアフロディテは言い放つ。「ノイズ。あなたがどんなに強くても、私たちから音楽を愛する心は奪えません!」自分に屈しない者たちに怒ったノイズはついにアフロディテたちも石に変えてしまった。演奏が止み、アフロディテたちが石にされてしまったと悟った響たちは自分の非力さを悔やむも、フェアリートーンとハミィにまだ音は完全になくなったわけではなく、白紙になった伝説の楽譜に新しい音楽を作る事だって出来ると励まされ、希望を捨てず「私たちは絶対にあきらめない!」と決意を新たにするのだった。って感じ。久々にしっかりとあらすじってしまったな。

 というわけで、残りも後2回である事だし、ここらで熱い展開にならないとウソだろうと言わんばかりの良い脚本でありました。さすが成田良美。こういった話は強い。
 お話としてのポイントは、まずはノイズが行動原理を語った事だろう。ここへ至るまで「なんで世界の全てから音を消し去ろうとしているのか」が今ひとつよく分からなかったのだが、音楽はその配置によって不幸にも幸せにもなる不安定な物であり、それによって人の感情が左右される。そのような物は無意味であるとし、人々を石に変えるのも、そうすることで苦しみや不幸も感じない理想の世界だとする、彼なりの理想郷を作ろうとしているのが分かった。
 これでノイズの行動が、ただ耳障りな「音」を無くし、その音を発する人間を石に変えている「だけ」でなくなり、プリキュアと敵対している「なんとなく」悪いヤツかられっきとした「悪」となったのは良いだろう。プリキュアたちと相容れないからこそ戦わなくてはならないわけだからな。
 そういうノイズは良かったのだけど、個人的にはそれに対するプリキュアが今ひとつで、理想郷を語るノイズになんて返すのか期待したのだが、「音楽の無い世界なんて寂しいじゃない!」はあまりに抽象的過ぎて反論としては弱いのではないだろうか。
 音楽など無意味とされたのだから、「音楽は無意味でない。私たちに元気をくれる、幸せをもたらす、なくてはならない物だ!」くらいの熱い気持ちをぶちまけてくれても良いだろうと思う。メロディの反論である所の「さびしいじゃない!」は、ノイズの理想郷に対する感想でしかなく、正直いうと論戦になってないので、しっかりとした理念のあるノイズの言葉の方が印象に残ってしまい、力だけでなくその理念でさえもプリキュアが劣っているように感じられてしまったよ。
 ノイズの理想郷がどうして寂しいのか、どうして嫌なのか、今の音楽の溢れるこの世界をなぜ愛しているのか。ここでプリキュアたちの理念がノイズのそれを対等かそれ以上で、その上で共感できることであることを示しておくべきなのではないだろうか。まぁ次回そんなことを言うのかもしれませんが。
 そんなプリキュアたちの事を補足する意味だったのか、アフロディテの方は強い意志が感じられて、最後は石に変えられてしまったものの、しっかりとした意思表示と決意を示してくれたのは見ていて気持ちがよかった。
 ノイズが近くに寄っても、一部の人たちが石に変えられても、音楽を奏でているこの時は幸せであり、自分達の音楽を愛する心は決してノイズの恐怖に屈する事はないとして、彼に対抗する力がないアフロディテが臆することなく毅然として上記台詞を言い放つ様は、力でねじ伏せて理想郷を作ろうとしているノイズに意思の力の上では勝っていると言って良いだろう。またそんな彼女があっさりと石にされてしまう事がショッキングであり、ノイズを打ち負かしたいと思わせてくれる。
 こうしてプリキュアと助ける人達がひとり、またひとりと減っていき、想いを託されたプリキュアたちが次回と最終回にどうノイズと向き合っていくか楽しみである。

 さて、最後に向けてどうノイズを倒すかがラストのキモであるが、前回と今回で「音楽は新たに作り出す事が出来るんだ」という事を強調している印象がある。
 それを踏まえて考えると、最後はなんか都合のいいパワーではなく「歌」なのではなかろうか。せっかく最初の頃のハミィとセイレーンの歌姫云々の事もあるし、最後によく分からない暴力でプリキュアたちが問答無用で敵対するヤツを消し去るよりも、人が生きているからこそある「新たに生み出す力」で対抗した方が、夢と希望のスーパーヒロインらしくて良いだろう。
 また、暴力に暴力で対抗するのではなく、誰かを傷つける事のない力を使うのは、この番組の枠としても、未来の日本を担うメインターゲットのみなさまの情操教育としても良いのではないでしょうか。
 「終わりよければ全て良し」なんて言葉もありますから、せめて最後くらいは感動的であってほしいなぁ。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは「リズム・ビート・ミューズ・ハミィとスマイルプリキュアからサニー・ピース・マーチ・ビューティーと妖精キャンディ」でした。
 前回に引き続きスマイルプリキュアとのコラボ(?)になっています。スマイル、楽しみだなぁ(わくわく)。


第47話 ピカーン!みんなで奏でる希望の組曲ニャ!

まさかのラス前でラスボスを浄化!いやそれにしてもハミィはいい所持っていくなぁ。

 そんな今回のお話は…
 加音町も、メイジャーランドも…世界中からすべての音がなくなってしまった。残ったのは、響たち4人とハミィ、それにフェアリートーンたちだけ…。
 「あきらめちゃダメニャ!もう一度みんなで力をあわせてガンバるニャ!」ハミィのことばに、ふたたびみんながちからをあわせる!
 ノイズをたおさないと世界から音がきえちゃう!でも、ノイズはそんな世界をつくってどうするんだろう…。
 そこへ、またノイズがあらわれた!響たちはもう一度プリキュアに変身!!
 「こんどこそぜったいにたおしてみせる!」ちからいっぱい、たちむかうメロディたち。それでも、ノイズの強さにかなわない…。メロディは、ノイズにといかけるわ。
 「音のない世界にいて、かなしくないの?」
 するとノイズは、こたえるの。どうして自分がうまれたのか、どうしてすべての音を消しさろうとしているのか…。
 ノイズのこたえを聞いた4人はおどろくの!でも、メロディたちは、そのノイズの話から、ノイズをたおすためのヒントをつかむ!
 これがたぶん最後のたたかい!メロディたちは全力でノイズにたちむかう!
 以上公式のあらすじ。

 そんなわけで、とてもいい脚本で見事にプリキュアらしくラスボスを浄化しましたよ。いやぁ良かった。
 上記引用したあらすじでは、ノイズをどうぶっ倒すのかみたいにとれますが、実際の所は、ノイズが自分の生まれ、自らが人間の悲しみの結晶である事を明かし、プリキュアたちはそれならばノイズもその悲しみから救ってみせる!という構図になり上記したように最終的に浄化、悲しみから救い出す事に成功する。という流れ。
 ノイズの行動原理は前回語られたが、その彼の理想とする世界を響は理解できない。音もなく誰もいない世界でノイズは何をしたいのか。確かにそうで、見ていて同じ疑問を持つ。その疑問にノイズは、そうなったらいずれ自分は消えるだろうと答え出自を語る。
 そこでプリキュアがただノイズを武力でぶっ倒すのではダメで、悲しみから解き放つ事こそが彼を倒すという事だとするのが、自分達の設定した正義を振りかざし、ただ敵対する者を消し去るのではない本当の愛と勇気と希望のスーパーヒロインしていて小気味いい。
 個人的にはプリキュアもいいのだがハミィが素敵だ。ノイズが悲しみから生まれた事を知った彼女が、ノイズが悲しんでいるのならと自らノイズに吸収され、彼の中で歌を歌う姿に感動した。なんて優しいんだろうと。
 セイレーンがキュアビートになる時に、彼女に何度騙されても自分とセイレーンとの友情を信じて疑わなかったように、ハミィは歌が持つ力を信じていて、歌を歌えば悲しい事なんかきっと乗り越えられるんだと、真っ暗闇のノイズの中で恐怖ひとつ感じずに彼の心から悲しみを消し去ろうと高らかに歌い上げる姿に涙がこぼれたよ。
 そのハミィの歌を聞いて、プリキュアたちもプリキュアの力は悪を消し去るだけの力ではなく、誰かを救う為の力であると確信し、ノイズを悲しみから解き放とうと変身し向って行く。前回と違ってプリキュアたちに立ち向かって行く確固たる意志ができて、見事な高揚感を出している。
 そこからは戦闘なのだが、悲しみは生まれ続け消せやないというノイズに、確かに悲しい事はあるけれど、悲しみは何度だって乗り越えられる、そうやって人は前進するとお互いの主張をぶつけ合う。
 アクションシーンとして特に目を見張るような事はなかったが、プリキュアたちのノイズを救おうと放つ言葉の数々が良く、これまでの各々の経緯から悲しみを乗り越える事が出来るんだと説得するのに力があり、この枠のアニメの主人公だからそれっぽい大義名分を言っているのではなく、彼女たちが自らの想いをぶつけていてその言葉にウソがない。
 それでも悲しみから生まれた自分はお前たちとは違うんだという自らをも憎むノイズにプリキュアたちは違っていてもいいのだと言い放つ。それぞれが喜んだり悲しんだりして繋がっており、様々な音を奏でてひとつの組曲、世界を作っている。そこから生まれたノイズ=悲しみも世界のひとつであるとし、悲しみを消し去る事は出来ないと結論づけている。
 つらく悲しい事もこの世界の一部であるならば、喜びや幸福は光であり、それらを全てを内包する混沌が世界であるとしている。ノイズが悲しみから生まれたのならば、プリキュアの力は人の喜びや希望から生まれた力であり、けっして世界の一側面を消してしまう力ではなく、一筋の光となって闇を照らし前進する為の力なのだ。
 ただ倒すべき相手であったノイズを暴力で消し去る所から、その悲しみを包んで浄化しようとするのは、相容れない者を受け入れてその悲しみを解き放つという方向に前進したと言える。ノイズが言っていたように、人々から悲しみがある限りまた彼のような存在が生まれてくるのかもしれないが、その時はまたプリキュアが光となって闇を照らし前進して行くだろう。そしていつの日か悲しみがなくなり喜びと笑顔の溢れる世界がくることをプリキュアたちは信じて今は進むのだ。
 最後にスイートセッションアンサンブルクレッシェンドフィナーレ(長いね/笑)を放ち、消え去ろうとするノイズを掴んで引き止め、プリキュアは全ての笑顔を守るのだとし、彼を悲しみから解き放って笑顔にして浄化させたのは、彼を消し去るのではなく世界の一部として受け入れたし、ノイズもまた彼女たちを受け入れたのだろう。プリキュアは全てを内包する世界に戻したのだ。いや、戻したのではなく、ほんの少し前進した世界に変えた、のかもしれない。

 というわけで、もう5の頃から問答無用で悪は滅ぼすぜ!という結末ではなくなってはいて、強大な敵を倒して得る高揚感でなく、守る事で世界を救う気持ち良さを味わう事が出来ました。
 最初の頃はどーにも退屈な話ばっかりでしたが、こうやって最後(まだ後1回ありますが)にこれまでの過程が繋がって事ここに至るのだから、やっぱり終わりよければ全て良し、と言えなくもない。
 後は残った1話を丸っとエピローグに使う(だろう)歴代初の試みで、どう締めくくってくれるのか期待したい。

今週のまたみてね
 今回のまたみてねは前々回、前回の絵を合わせ「スイート、スマイルのプリキュアとハミィとキャンディ」でした。
 そー言えば言い忘れていましたけど、ハミィの歌うシーンは設定的に歌姫という部分でも上手く使われていて、やっぱり脚本は上手く作ってあるなぁと思いましたよ。
 そんなハミィはノイズと一緒に浄化でもされちゃったんですかねぇ(笑)、事後にプリキュアたちが「あれ?ハミィは?」とか思い出してましたけど。
 まぁ次回予告で元気に走っていたんで、なんか都合よく出てくるんでしょうね(笑)。


第48話 ラララ〜♪世界に響け、幸福のメロディニャ!

ああそうか。だから今まではBパートでエピローグだったのか。

 そんな今回のお話は…
 ノイズは光となって、空へとまい上がった・・・。ついに、ノイズとのたたかいがおわったんだ…!
 でも…世界は音がなく、しずかなまま。石になった人たちも、もとにもどらない。いったいどうして…?
 音がきえた世界をもとにもどすほうほうは、たった1つ。幸福(しあわせ)のメロディをうたうこと。
 でも、あのときハミィはどこへいったの・・・?ハミィはぶじに、幸福(しあわせ)のメロディをうたうことができるの?
 そして、ほんとうに、ハミィのうたで世界をもとにもどせるの?
 そして、響たちのみらいは…?!
 以上公式のあらすじ。

 お話は見事に大団円といった感じ。まぁ当然と言えば当然だが。Aパートでハミィの意識を取り戻し、Bパートで幸せのメロディを歌って世界に幸せを取り戻して加音町へ帰還するという内容。
 歌の持つ力を強調したかったのか、歌ってハミィの意識を取り戻し、幸せのメロディで世界を元に戻す。お話として「やったぜ!イエー!」みたいな盛り上がりはなく割としっとりほんわかとした感じで、ああ終わるんだなぁという気になるが、良かった良かったという話なので寂しさはあまり感じない。
 響の最後の台詞でもあったように、みんなで夢に向って歩いて行こう!的な明るい未来を想像させるさわやかなエンディングでありました。

 個人的にはハミィの意識を取り戻す一連のシーンが好きで、夢の中で、ハミィが響きたちを認識できないという時にセイレーンが歌い出し、歌をハミィが認識するのが良い。音楽がテーマの作品なんだからというのもあるが、個人的には一番の親友であるセイレーンが率先するのが綺麗に百合色に染まった脳を持つ身として良く、2クールの終わりくらいにはあったふたりの友情以上が、全体を通して見るとあまり見られなかった所為か、この最終回でそれっぽいのが所々あったのは私としてはたまらない。ってゆーか、もっとこのふたりはイチャイチャしていても良かったような気がします。
 それと良かった点として、前回に決着のついたノイズをこの最終回でなかったように扱わなかった事だ。
 上記したハミィの意識を取り戻すきっかけとなったセイレーンの歌の最中に響がノイズの言葉を思い出したり、最後の最後で白いピーちゃんが現れ受け入れたのは、前回プリキュアたちが語った事がただの大義名分ではなく、本当に幸せと共に悲しみ・苦しみを受け入れて共に歩んで行く、ノイズも世界の一部としてもう決して孤独という悲しみに囚われさせないという彼女らの決意を見せた。
 悲しみ・苦しみが世界の一部である以上、またノイズも成長していくのかもしれない。が、今度は響きたちが一緒に居て一緒に悲しみや苦しみを分かち合い、そして一緒に乗り越えて行き、最後にノイズから笑顔を引き出したように、これまでのような出来事にはきっとならない、彼女たちならその悲しみの結晶である彼と共に明るい未来へ歩いて行くのだろうと、光ある未来を想像させてくれる。

 気になった点としては「幸せのメロディ」であろうか。
 当然の如く最後の最後まで引っぱった「幸せのメロディ」がいったいどんなメロディなのか、とても気になっていたのだけど、いつものヤツじゃねーかよ。
 これで「なんてキレイなメロディ」とか言われても、いや聞いた事あるじゃんとか思って乗り切れねぇ。どうせなんだからここで一発、これが幸せのメロディだ!というこの番組で始めて流れる曲を使った方が良かったんじゃないですかねー。その方が高揚感があって良かったように思います。正直「なーんだ。いつものか」とちょっとがっかりしてしまいました。
 前回前々回で「音楽は新しく生み出す事も出来る」としたならば、どうせだったら響たちが「新しい幸せのメロディ」を作っても良かったんじゃなかろうか。せっかくプリキュアが悲しみ・苦しみをも受け入れて得た世界である。何かを新たに創造する、人にはその力があることを見せても良かったように思います。
 もひとつ気になったというかですが、セイレーンはどうするんでしょうね?色々と。
 なんとなく幸せのメロディでネコに戻るのかなーなんて思っていたのですがそんなこともなく、しっかりヒトのままで、エピローグでストリートミュージシャンやってましたけど。もうヒトとして人間界で生きていくんですかねぇ。まぁ住む所もあるし、なにせハミィが出てくるまでは世界に幸せをもたらす「幸せのメロディ」の歌い手の最有力候補だったわけですから、歌手として将来有望、食いっぱぐれもないですからな(笑)。

 最後なので全体的な感想としましては、何よりまず最初のツカミが弱かったことだろう。第1クールの退屈さはちょっと異常なくらいだ。
 ケンカ状態の響と奏がプリキュアになって……という今までにない所から始まってちょっと期待していたのだが、さして核爆級のイベントもないまま、なんとなく仲良しに戻ってしまうのはどうなんだ。
 戦闘でもハーモニーパワー云々言う割にそれを感じさせないしで、どうせだったらそれほど仲の良い状態でない場合は上手く戦闘をこなせないよ、みたいな描写をこれでもかと入れればいいのに。
 そうやってとにかく苦戦して行く中で、ふたりが響は・奏はやっぱり自分の一番の親友なんだ!ずっとずっと一緒に居たいんだ!と強烈に思わせるイベントで一皮むけて欲しかった所だ。
 というのも、どうもこのふたり、印象が薄いんですよね。なんか主役という気が全くしない。これまでのなぎさや咲、のぞみにラブ、つぼみとえりかのような中心となる個性に欠けているような気がします。
 奏はまぁともかくとしても、響にはここが良いという部分が私には見つけられなかった。ノイズとの戦闘で良いこと言う役目だし実際言うわけだけれど、その台詞を吐く性格をこれまでに見せてはいなかったように思う。主役だからこの台詞を喋っているという印象の方が強い。やはり響だからこその台詞であってほしいし、そうあるべきだろう。  そもそも響は最初スポーツ万能っていう設定なのに、中盤でパパママの事もあって趣旨変えして夢がピアニストになっちゃうとかどうなの?もうスポーツはどーでもよくなっちゃったのかしら?まぁなにかひとつの部活に入らず、助っ人専門であった事から昔のトラウマもあって音楽から逃げていたという事なんだろうけど、パパママと話してみたら誤解が解けたんでスポーツやーめた。みたいな印象があり、自分の夢に向ってひたすらがんばっている筋のある主人公らしさが感じられなかったなぁ。むしろセイレーンの方がこれまでの経緯や立ち位置から考えて、主役やった方がおもしろかったんじゃないかと思ってしまうよ。
 物語としても、伝説の音符関連の話が多すぎる。その上に集まった過程で何もないし、奪われた所でデメリットなしなんだから興味を惹かない。中盤までは話に困ったら「音符発見→出よネガトーン」だしな。さらに言えば、その音符争奪戦がひとつひとつの話のメインになっているわけでもなしで、もうそれならいっそ日常パートで響たちを掘り下げてほしかったよ。
 それというのも、目的が幸せになる・不幸になるメロディという漠然としたモノなのが原因かと。
 以前にも書いたような気もしますが、幸せ不幸というものは概念なので目的がぼんやりしてしまっているんですよねぇ。だってもし誰かに「不幸になるよ」と言われたら、イヤな気はするけれど「絶対なんとかしなければ!」という気にはならないでしょ?でも「死ぬよ?」と言われれば「どうにかしよう」と思うじゃないですか。それくらいのはっきりとした危機感、敵方の野望を止めなければと主役たちに思わせる事は重要だろう。最終的にノイズが現れそういった展開にはなるわけだけど、それまではそのぼんやりとした概念のまま進んで行くんだから、どうなるんだろうという気にさせてくれないのは残念という他ない。
 それともうひとつ言いたいのは「プリキュアだから」という点が所々で見受けられたことだ。ラス前で「みんなの笑顔を守るのがプリキュアの使命」というのだけれど、確かにそうではあるのだが、根本的に違うんじゃないのかと。
 確かにプリキュアの使命は「大切な何かを守る事」ではある。しかしそれは「プリキュア」だからではないし、「プリキュアになったから」でもない。どうもこのアニメではプリキュアになったからには世界を救わなければならない、みたいな事を言っていて気に入らないのだ。じゃなにか?響たちはプリキュアじゃなかったら誰かの笑顔を守らないのか?違うだろう。そう違うのだ。
 響たちは「プリキュア」である以前に他の誰かが自分勝手に誰かを不幸にする事を許せないし、そんな誰かの笑顔を守りたいと強く思っているはずだ。プリキュアの力はその一助をするだけの力。決してなったからにはこうしなければならないという強制力ではない。あくまでその力をどう使うかは、なり手次第なのだ。だからこそ、なり手の成長に合わせてプリキュアは強くなっていくし、なり手の想いに応えて力を発揮するのではないのでしょうか。
 このスイートプリキュア♪はそういった部分でも欠けていて、音符争奪戦に終始する話も多かった事もあり、彼女らを取り巻く周りとの繋がり、だからこそ彼女らがみんなを守りたい気持ちが見えてこず、プリキュアとして戦う理由に乏しかったのも残念である。
 そういったいわゆる「プリキュア魂」が好きでシリーズを見続けている者としては、正直物語として褒めるべき所は少ない。
 まぁなんだ。そういう事を含め「呪い」だね、「ナージャの呪い」。もっと良くなる要素はいろいろあったにも関わらずこれだもの。そうと言わず何とする。いやまさかそんな不安が的中するとは思いもよりませんでした(苦笑)。もうこの枠で主役に小清水が起用される事はないでしょうね。

最終回のまたみてね
 最終回のまたみてねは「響・奏・セイレーン・アコ・ハミィ・ピーちゃん・フェアリートーンでありがとう!」でした
 ラストという事もあって、キャラデザ高橋晃さんの描き下ろしです。ハートキャッチも馬越嘉彦さんの描き下ろしだったし、これから最後はキャラデザの書き下ろしが伝統になってくれるといいなぁ。
 そう考えるとS☆Sの最後のまたみてねを「プリキュア5」に取られたのって不遇すぎる……。

 うぉ、書き忘れ。冒頭の一文はどーいう意味かと言いますと、最終回で丸っとエピローグだと、プリキュアが戦う場面がなくなってしまって(変身してなにかする事がなくなる)、今回のようにものすごく落ち着いた話になってしまうんだ。というのをこうしてみてやっと理解した。という意味。
 Bパートだけでエピローグは短いなぁとこれまで思っていたのだけど、これはこれでちょっと落ち着き過ぎちゃっている感じもあってどちらにしても一長一短ですな。難しいところです。


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