懐かしの忠臣蔵映画とトークの夕べ

〜山科東部文化会館 2002年11月29日(金)〜
山科『懐かしの忠臣蔵映画とトークの夕べ』で峰様が講演。 

赤穂浪士討入り300年記念 

『懐かしの忠臣蔵映画とトークの夕べ』
18:30〜20:40 山科東部文化会館にて
   1. 講師 峰様    聞き手(司会) 首藤真沙保さん
   2. 映画 『忠臣蔵(菊花の巻)』

 先回の映画村(9月29日)では峰様のスケジュールと合致せず、お会いできませんでした。撮影ショーもいいんですが出来れば扮装のお姿も拝見したいし…、かと言ってオープン撮影も必ずお会い出来るとは限りません。この機会なら出掛ければ必ずお会いできる!それに講演というのもなかなかない機会だし…と思い出掛けたのであります。

福本さんファンのはてなさんご夫妻もいらっしゃるという事でしたので、17:00頃現地でお会いしましょうと打ち合わせていました。
 この日私は日中に所用もあったので、講演会の時間に合わせて京都に向かいました。何度も京都に行っているのに、何せ太秦方面以外に足を向けた事の殆ど無い私、山科への行き方の心許ない事(汗)!京都駅で新幹線から在来線に乗り換えるときの事です。ホームがやたら多く(当たり前だけど)、どのホームに降りたらいいのやら…。離れた地域なら案内も出ようが、一区間の知ってて当たり前の駅など案内が出るが筈が無いですもんね(泣)。仕方ないので駅員さんに『山科って何番ホームに行けばいいですか?』って聞いちゃいました。恥ずかしい…。

文化会館到着

 右も左もわからないまま何とか会場に辿りつく事が出来ました。よかった、ほっ。17:00少し前でした。催しの気配も何も無い会館(それが普通の姿なんだろうけど)、恐る恐る中に入ってみると、受付が作ってあって幟が立ててありました。『ここであってるんだ良かった。』とほっとしました。でも、誰も来てない!会館の係りらしき人だけです。本当に会場が一杯になるんだろうか?と思ったのですが、平日の18:30からの催しなので時間を考えれば当然の事かもしれません。それに一般の方は峰様を見に来るんじゃなくて映画を見に来るんだろうし…。 程なくはてなさんご夫妻もいらっしゃいました。
 17:30を回るとちらほらと人が集まってきました。 

18:00開場

 先頭で入っていくと、会場は550席ほどあるらしく思ったより広々として綺麗なホールでした。私は端っこの方でこそっと見られればいいかなーなんて思ったんですが、『貴女が真ん中に行かなくてどうするの〜』とのはてなさんのお言葉に、それもそうだと思い最前列中央へ。結構舞台が近いんですよね、ここで私が変なリアクションしたら丸判りじゃないですか、ちょっと恥ずかしい気もしました。私の左隣にはてなさんご夫妻が座られました。 知った顔が最前列中央に座ってたら、峰様やり難くないだろうか…という気もしたんですけどね。ま、いっか、折角遠路遥々来たんですから。ふと会場を振り返ると、大半の人は中ほどの席に腰を下ろしてました。そうですよね、映画を見に来た方なら前の方より中ほどの席がいいでしょうから。座った席の位置で何を目的に来てるのかが判りそうなもんだなと思いました。
 (注:舞台がそんなに高くなかったので、最前列でも映画を見てて首が痛くなる事はありませんでした。)

いよいよ峰様ご登場!

 先ず、司会の首藤さんが簡単に峰様を紹介されました。
 いよいよ峰様のご登場です。出ていらっしゃった峰様は裃姿でした。裃姿を直に拝見するのは初めてだったので感動しちゃいました。なんて凛々しくて素敵なんでしょう!体格がよく姿勢が美しいので本当に良くお似合いです。TV画面で見るのとはまた違った感動がありました。

 現在、東映京都では、子連れ狼、水戸黄門、魔界転生(映画)が撮影・放送されています。これらの作品の事も少しお話されてました。
 子連れ狼では最終回(12月9日放送)、列堂の刺客役でご出演されるそうです。(放送終了)
 峰様は、『よそ見して片目で見てられますと見過ごす恐れがありますので。きちんと注目していただいたらわかると思います』と仰いました。…そんな、峰様。後姿でも一瞬でも大概判りますって!←ってのは、私だけか…。後姿だけじゃ普通の方は難しいかもしれませんね。この作品はちゃんと台詞もあって烈堂との遣り取りもあるようですので、ばっちり判ると思います。皆さん、是非ご覧くださいまし。

首藤さんが『剣会のファンの方は画面の中に峰蘭太郎さんの姿を探すのが楽しみという方もいらっしゃいますからね』と振ると、峰様は『有り難い事ですね〜』と嬉しそうに答えられました。そうなんですよ〜と心の中で叫ぶ私。首藤さんが更に『それが醍醐味と申しますか、主役見てませんからね(笑)。』と仰ったのです。
 も〜、これには思わず大爆笑してしまいました。そういうことも確かにあるかも?!首藤さん、初めて拝見したお方だったんですが、色白でとても綺麗な方なんですよ。私と違って冗談などいいそうにない楚々とした感じ。なのににっこり微笑んでそんなさらっと凄い事を仰るなんて。…いえ、私の場合はちゃんと主役も見てますよ。峰様の演技によってどのように主役が生かされてるか確認しなきゃいけませんから。確かに、峰様に重点を置いて見てますけどね…。

忠臣蔵については、やれるものならば浅野内匠頭をやってみたかったとか。なぜ内匠頭かというと、物語の要の切腹場面を演じたかったそうです。そうですよね、この切腹がないと忠臣蔵の物語が始まらないわけですから。
 この台詞もない切腹場面を如何にして物語の火蓋を切るシーンにするかというところに役者の醍醐味があるんでしょうね。『内匠頭』を間合いと刀の振りだけで表現するという事に魅力を感じられたそうです。うーん、峰様らしいお考えだなあと納得し、また感動しました。
 念じれば通じるのか、松方版忠臣蔵で東山内匠頭の介錯役をやる事が出来た時は非常に嬉しかったと仰ってました。

 他、修行時代のお話や撮影現場の話などをお話されました。中でも『桃太郎侍』は一番の思いで深い作品で、立ち回り場面で何とかして最後まで絡めるようにと努力した日々。先輩の代わりに死体になってる時も、先輩の立ち回りを盗み見てたそうです。高橋秀樹さんとのエピソードなども話されてました。
 また、千恵蔵御大と絡んだ時のお話もされてましたが、『刀で斬らずに顔で斬る』そうで、本番での気迫はそれはそれは凄いとか…。
 実力がないと絡ませてもらえない厳しい世界ですから、きっと表面だけでは判らない苦労や努力もされてきた事でしょうね。

立ち回り披露

 立ち回りの形を披露していただくということになりました。待ってました!折角の正装ですから、峰様の剣さばきを見せていただきたいです。

 先ずは殺陣の基本、戦う前には必ず正座からという事で、正座し姿勢を正します。肩衣を脱ぎ袴の脇から引きます。そして鞘につけてある紐を外し襷がけに。刀に一礼し帯刀します。
 この一連の動作の美しい事!そして凄い緊張感を漂わせてました。会場にぴんと張り詰めた空気が流れました。峰様の説明される声と衣擦れの音しか聞こえませんでした。
 大勢の観客の前でこういう所作が出来るのは当たり前の事だと思うのですが、それと『魅せる』という事は別だと思います。峰様はいつも、如何にして伝え魅せるか、という事を考えていらっしゃるんだと思います。

 そして殺陣の基本となる形を披露してくださいました。お話をされてる時の穏やかな笑顔が、芝居に入る時にすっと表情が変わる、その緊張感がたまりません。そこでこちらもぐっと引き込まれます。
 私は、発せられる気合と形の一つ一つの力強く美しい動きに息を呑み、緊張感で硬直していました。気合と共に上段から真っ直ぐ刀が振り下ろされた時は、自分が斬られるような危機感みたいなものを感じたほどです。
 観客の皆さんが拍手喝采を送ったのはいうまでもありません。少しでしたが峰様の素晴らしい剣さばきが見られてよかったです。

そして今度は斬られ方を教えていただけますか?という事になるんですが、聞かれてもそりゃお困りになられますよね。斬られ方は教えられるものではないでしょうし、また、誰かが斬ってくれないと見せるのも難しいですしね。
 そこで、斬り役登場、きっと文化会館の職員の方だと思います。フツーのスーツ姿にベルト通しに刀を差してました。きっと、相当練習されたような後がうかがえました。
 峰様が簡単な殺陣をつけます。〈峰様〉「命はもらう!」〈職員〉「倒せるもんなら倒してみろ!」〈峰様〉「ふざけるなー!」って設定までして。説明しながら数手の殺陣をつけました。そのあと手合わせ。この辺りの段取りが峰様らしいです。観客にも判りやすいように説明しながら進めてました。二人が納得して、首藤さんの『スタート!』の声で始まりました。
 本当に時代劇のワンシーンを見るような感じでした。余興ながら峰様の迫力は凄かったです。斬りかかるときの表情、気合、呻き声、断末魔の表情。全てが本物でした。目の前で繰り広げられた峰様の斬られ様の凄さに、私は感動大興奮、思い切り拍手しておりました。勿論会場内も拍手喝采の嵐でした。

 峰様の技に感激し時代劇っていいなーと盛り上がった所で、上映会の始まりです。私的には大満足でここで終わってもいい気分。とはいえちゃんと映画も見てきましたよ。

 映画終了後、ロビーに出ると、峰様は剣会のジャージに着替えて皆さんの見送りに出ていらっしゃってました。最後にご挨拶をすると、「遠いところをわざわざ有り難うございました。」と仰ってくださいました。そんな風に言っていただけるなんて感激です〜。それと「楽しんでいただけたようでよかったです。」とも仰って。…大喜びしてる私が丸判りだったんですね…ちょっとこっぱずかしかったです…。

後記

 12月14日には『第28回山科義士まつり』があるようです。案内があったのですがその『見どころ』に『山科駅前通(10:50〜11:20)東映京都撮影所の皆さんと四十七士によるステージ『忠臣蔵』が展開されます。必見』とありました。何方が出演されるのか確認は取ってませんが、興味のおありの方は足を運ばれては如何でしょうか。

 4時間ちょっとという京都滞在、こんなに短い時間だけで帰るのは初めての事でした。それでも峰様のトークも聞けて素晴らしい立ち回りも見る事が出来ました。山科へ行く事が出来て本当に良かったです。 写真©東映

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