東映太秦映画村体験記3

〜3(講演会編)・2001年11月7日(水)〜 
福本清三さんの講演会視聴の前に東映太秦映画村へ。
主なイベントは水戸黄門オープン撮影、映画のヒミツうそほんとう、『斬られ役福本清三氏に聞く』、ロケ地体験です。

今回のきっかけ

 今回急に京都へ行く事になったのは、福本清三さんの同志社大学での講演会に行こうと思い立ったからです。この講演会の情報を得て以来、行きたいとは思っていましたが、先回の京都(9月4日)、東京(10月6〜8日)と立て続けだったので一応家族に引け目を感じていた私です。
 旦那に確認したところ、どうも自分も行きたかったらしく、仕事の都合がわかるまでちょっと待てと、ストップが掛かっておりました。そのままずーっと、保留になっていたので私は諦めていたんです。
 すると前日(6日)の昼過ぎ、旦那が会社から電話してきて「都合がついたからいけるよ、京都。」というではありませんか!これにはびっくりです!それからが大変、準備等ばたばたと慌しい午後になりました。

 行くとなれば、講演会は16:45からですから、朝から映画村に行く事にしました。7日の撮影予定を見ると、「水戸黄門オープン撮影」が10:45〜13:00まで入っていました。これでたまたま峰様がご出演…なんて事があったら夢のようだなあと思ったのですが、先日東京であのような素晴らしい体験をさせていただきましたし、そんな贅沢な事を言ってはいけません!
 色んな皆様にお会いできるのを楽しみに参ります! 

出立

 折角だから開村時間には到着していたいと思い、6時には家を出るつもりでしたがなんやかんやばたばたして、家を出たのは6時半でした。最寄インターから高速道路に乗り、京都南インターへと向かいます。この日、愛車のナビゲーターが壊れ修理に出していたので、ネットで地図を調べ京都南インターから太秦までの地図を印刷して持っていきました。今時ってホント便利、京都の道路地図、買わなくていいんですもん。
 京都南で降りる予定の私達には運悪く、京都東と南の間で工事があり渋滞していました。当日は「何時までに着かないといけない」という急ぎの用事があった訳ではなかったのでよかったんですが、何か時間を決められるような約束事があったら、イライラしてたでしょうね。少々時間は掛かったものの8時30分過ぎには京都南インターを下りていたと思います。
 で、ちょっとカルチャーショックだったのは、京都の朝のラッシュ時の交通事情です。「結構すごいよ」という話は聞いていましたが本当でした。普通の乗用車が被せてくるのは当たり前、バスやタクシーでさえも強引に割り込んでくるんですもん。信じられません。いくら名古屋が酷いっても、あんな頭の突っ込み方はしないと思うんですよねー。原チャリの数は半端じゃないし、本当に危なくてかなり驚きました。…無事に映画村に着きたい!とそれだけを願っておりました。

 そういえば、天気予報ではこの日、降水確率は10%となっておりましたが、朝の時点ではぱらついていました。んー、これで「水戸黄門オープン撮影」が中止にならなければいいのですか…。お願いだから早くあがってちょーだい…。 

東映太秦映画村

 さあ、今日はどんな一日になるのやら…。一分一秒を惜しんで堪能したいと思います!
 九月の頭に行った時よりは観光客で賑わっておりました。年配の小奇麗なご婦人が多いなあと思っておりましたら、この日「ブラウンさん」という深夜番組の収録のため、里見浩太朗さんが来村されるとの情報がありました。なるほど、きっとこのオバ様方は、浩太朗さんに会いにいらっしゃったんだろうなあと思えました。結構、ファン層ってカラーが出るものなんですね。って事は、一体私はどんな風にうつってるんでしょう?ちょっと心配…。

「がまの油売り」(上野秀年さん)

 まずは、9:30から中村座で「がまの油売り」(上野秀年さん)です。
 上野さんといいますと只今オンエア中の「暴れん坊将軍」で、め組の衆・歳松役でレギュラーを務めていらっしゃいます。お会い出来ると思いませんでしたので、大道芸を拝見できて嬉しゅうございました。
 観客はかなり入っており、中学生の修学旅行生も何人かきていました。上野さん、いつもお聞きしてる声とは少し違って(と、私が感じただけですが)、すごく野太い低い声をお出しになって、威厳ありつつのテンポよく面白く快調に進んでいきました。真ん中に座っていた愛媛からの修学旅行生(女子)4人組、上野さんが「がまの油」を取り出すと「ニ○アみたい」「オ○ナインじゃん」と呟いたり、「音もなく切れる名刀」と言って紙を切っていると、「音してる〜」と突っ込んだり。上野さんのそのかわし方がまたお上手で、抱腹絶倒ものでした。ホント、上野さん最高です〜。
 楽しい時間を過ごせてよかったです。終わったあとは勿論一緒に記念撮影させていただきました。快くいいですよと、ポーズもとってくださって嬉しかったです。

「映画の秘密 うそ・ほんとう」(川鶴晃裕さん)

 で、上手に時間は組んであるようで、続いて見られるロケーションスタジオの 「映画の秘密 うそ・ほんとう」(川鶴晃裕さん)に行きました。ここでは、天候の効果や、種々の効果音などを披露、その後で一連のストーリーになる過程を見せてくれます。
 つるさんが監督さんの役をなさって、ショートストーリーを作るんですが、この「監督」が面白いんですよ。真面目なのか遊んでるのか、ちゃーんと客を乗せながら、とんとん拍子に進んでいくからあっという間に引き込まれちゃいます。ホント、京撮の方ってすごいです〜!
 ここでも先ほどの修学旅行生4人組の若さ爆発です。声だけ出演の悲鳴をあげる姫(?)を熱演、楽しませてくれました。

 ロケスタを出ると、偶然にも山根誠示さんにお会いしました。扮装でない私服の山根さん、レザーのジャケットにパンツ、黒のタートルシャツ姿でめっちゃかっこよかったです。思わず「一緒に写真撮ってください!」とお願いしてしまいました。気さくに応じてくださり、感激しちゃいました。ホントに明るくてお優しそうな方でした。
 つるさんもわざわざ出てきてくださって、次の上演までの間お話してくださいました。時代劇の話やらサイトの話やら、パソコンの話やら…。つるさんは風貌どおりの穏やかで優しい方です。貴重な時間を割いていただいてありがとうございました。 

 時間になっても撮影が始まらないので、寺子屋の塾長がどなたか見に行きました。スケジュール的に見られそうになかったのですが、取り敢えず確認だけ…。
 看板を見ると、岩須透さんの写真が入ってました。岩須さんの寺子屋も見てみたかったです。ホントに残念でした。

 *東映太秦映画村「ちょっと」経験者の皆さんへ*
 っても、私も大した経験者じゃないんですが…。
「この間これ見たものー」とイベント等を流さないでくださいまし!イベントは同じでも、演じる人によって内容は全く異なりますし、たとえ同じ方でも内容が変わってるという事もあるかもしれません。ですので、何回でも覗いてみてください、きっと前とは違う感動がまたある筈です!←って、別に私、映画村の回し者じゃないんですけどね。

「水戸黄門のオープン撮影」

 予定より少し遅れて見取り図 「水戸黄門のオープン撮影」 が始まりました。最初、助さん格さんご隠居の三人はいらっしゃったのですが、京撮の方々がいらっしゃらず、すごく不安でした。暫くすると皆さんお揃いで出ていらっしゃいました。笹木俊志さん(人相書参照)・森山陽介さん(人相書参照)・浜田隆広さん(人相書参照)、石井洋充さん、本山力さん(人相書参照)、中川峰男さんがご出演でした。
 曇天で時々晴れ間が出たりという天気で、天気待ちが多くなかなか進みませんでした。皆さん隅のほうで待っていらっしゃるので、見えないし写真撮れないし…。

 近くで拝見する岸本祐二さん、山田純大さんは綺麗な方でした。ええ、かっこいいというよりも「綺麗」という感じでした。石坂浩二さんは流石の貫禄で、オバ様方が「こっち向いてくれないかしら〜」などとカメラを向けていました。修学旅行の小学生などは「どこどこ?黄門チャマ」って、ゲームの影響なのか親しげに呼んでおりました。ま、私も京撮の方々を拝見するとつい懐かしい人に会った気がして、吸い寄せられるように近寄って行っちゃうんですけどね。

 剣会のジャージを着た若そうな方が石坂浩二さんとお話されているのに気がつきました。役者さんの中では心当たりないし、剣会のジャージ着てるって事は殺陣のエキスパートだって事だし…。ひょっとして…と思い、「お静かに」と観客の整理するスタッフの方に「すみません、あの剣会のジャージ着てらっしゃる方って清家さんですか?」とお聞きすると、「そうですよ」という返事が返ってきました。やっぱり殺陣師の清家三彦さんでした。あの福ちゃんの「にんげんドキュメント」の殺陣稽古場面で福ちゃんを斬っていた方です。あの時は、終始後姿だったのでどんな方だか判らなかったのですが、身体の切れがよさそうで凛々しい感じの後姿でした。実際拝見すると、ホントにそんな感じの方でした。

 ふと、笹木さんが中央に出ていらっしゃったので、嬉しくて「おっ!笹木さんだ!」と写真を撮っていると先ほどのスタッフの方(久保田社長さん)が、「よく知ってるねえ。剣会のファンなの?」とお聞きになられました。反射的に「ハイ!」と答えていました。それが余程珍しかったのか、もう一人のスタッフの方(国分さん)に「この人、剣会のファンなんだって。」と仰ったんです。声をかけられた方は私のほうを見て「あ、ああ〜」と頷かれました。その方は先回訪れた時、京撮の方々のほうを向いてしゃがんだ私に「現場こっち」と仰った方でした(東映太秦映画村体験記2参照)。まさか覚えてた訳じゃあ…、ないですよねえ。
 (久保田社長さん・国分さんのお名前はつるさんが教えてくださいました。ありがとうございました。 2001月11月10 追記)

 昼過ぎに撮影が終わったのですが、しまった事に石井さんと浜田さん、中川さんが先にお帰りになられた事に気がついてませんでした。残念な事をしました。
 最後までいらっしゃった笹木さん、森山さん、本山さん三人お揃いの写真を撮らせていただきました所…。
 ファインダー越しに拝見したお三方、こっちを凄いお顔で睨んでいらっしゃってめちゃめちゃ怖いんですもん。特に森山さんは、先回お会いした時と違い、ひげを伸ばしていらっしゃってちょっと(…「だいぶ」…かなァ?)悪者っぽいお顔になられてました。睨まれると迫力満点です(役作りで伸ばしていらっしゃるそうです)。笹木さんもかなりの眼力だったので、つい「笹木さん、睨まないでください」と言ってしまいました。皆さんが笑った拍子に笹木さんもクスっと微笑まれたので「今のうち!」とシャッターを切りました。…出来上がった写真を見たら、笹木さんは微笑んでいらっしゃるんですが、森山さんと本山さんがすんごい恐ろしいお顔で写っていらっしゃいました。
 本山さんは前歯の差し歯をつけたり外したりして、「役」に応じたキャラクター作りをなさっているそうです。凄い役者根性だなあと思いました。にっこり微笑んだ本山さんはとても人懐っこそうで素敵な方でした。
 笹木さんに、「松竹梅のCM拝見しました」とお伝えすると、「あんまり写ってないでしょ。それに盃割るやつ、こっちでは流れてないみたいなんだよね。そっちで流れてる?」と仰いました。ここ(愛知)ではちゃんと流れてますけど…。お膝元で流れてないなんて!宝酒造様、その辺よろしくお願いします!
 ……皆さん、こんな私に付き合ってくださってありがとうございます。本当に皆さんお優しくて、いい方でした。

 この日峰様は午前中「京都迷宮案内」のセット撮影、午後からはロケというスケジュールだったそうです。 峰様、お身体に気をつけてお仕事頑張ってください!

しののめ様合流

 午後、講演会にいらっしゃるというしののめ様(=師匠)と広隆寺門前で待ち合わせていました。突然行くと言い出したのにも拘らず、快く同行してくださるとの事、本当に有難い事です。
 旦那と二人して参りますと、黒いスーツをお召しの師匠が立っておられました。
 師匠ってば、礼儀正しくて仕事が出来そうで頭が切れそうで垢抜けてらして、私とは大違い!いつも時代劇の事や悪役脇役の役者さんの事などご教授いただいてますが、博識ぶりが滲み出ておられました。「やっぱ師匠だ!」と痛感したのです。

期間限定の「キネマ骨董館」

 太秦の「大映通り商店街」でやっているイベント「京都ウエストサイドストーリー」の一環で、期間限定の「キネマ骨董館」という店があり、時代劇のポスターやカレンダー、小道具の陳列販売をやっているんだそうです。で、そこに台本が大量に売られているとの事で、師匠の案内でついていきました。
 このときの状況を同行してくださったしののめ師匠はご自身の掲示板「鬼平犯科帳掲示板 見張り所 http://www.tcup5.com/505/kotaro.html 」に下記のように書いておられました(転載許可、いただいてます)。

『 11月8日(木)◆太秦日記・その2
 食事の後、広隆寺にて「居酒屋蘭蘭」管理人の京都大好き!さん(=女将まる子さん)とそのご主人と合流し、「キネマ骨董館」に三度目の突撃。東映シンパな姐さんは店内の床に座り込んで在庫を猛烈にチェック!(笑)時々姐さんが発する「お゛ぉぉぉぉぉっ゛」とか「ぎゃぁぁぁぁぁっ」な雄たけびを店員さんは「聴かなかったフリ」を装ってましたな。姐さんって「水戸黄門の○部の○話」とか「銭形平次の○話」とかいうだけで、峰蘭太郎御大出演作品かどうか、しかも役名まで大抵判る!という特殊技能をお持ちで。なぜかつられてご主人もワシなんかよりよっぽどよくご存知(爆笑)。教育の賜物やね、ウン。アーンド姐さんの隅々までのチェックのおかげで東映の「○○将軍と二十一人の○○」台本、発見。ハマの御大のために即GETしたことは言うまでもないのであった…』

 ありゃりゃ、やっぱ私って相当変だったみたいですね。でも、本当に楽しい店に案内してくださってありがとうございました。あの店が期間限定だなんて、非常に勿体無いです。
 こじんまりした店でしたが、まさに東映時代劇の宝庫、出るわ出るわ余りに多すぎて一冊一冊チェックするのが大変です。足がしびれてしゃがんでいられなくて、お客さんが他にいなかったのをいい事に、棚の前に正座して床に山積となっていた台本をチェック致しておりました。思い入れのある作品の台本にあたるとつい出てしまう歓声。まさに「お゛ぉぉぉぉぉっ゛」だったかもしれません。体中の血が逆流して汗すらかいておりました。旦那と目を合わさないようにして(?…なんでやねん)、カビの匂いすら漂う台本に見入っていました。余りに欲しいものが多すぎて、厳選するのが大変です。
 結局、東映時代劇等の台本25冊ほど−峰様の出演作品や好きだった作品の台本などを買い漁ってきました。余りの多さに店員さんが紙袋に入れてくださったのですが、それを持って歩いてくれたのは旦那でした。ありがたやありがたや…。

 補足:「○○将軍と二十一人の○○」、実は私も見たんです。まさか峰様ご出演じゃないよねえ…と思いつつ。そりゃもう無茶苦茶な映画で(携わった関係者の皆さんごめんなさい)、ある意味凄かったです。で、その作品の事が以前師匠の掲示板で話題に上がってましたので、台本を発見し嬉しくて師匠にお見せしました。師匠がご購入にならなかったら、私が買おうかと思ったんですけど。


ロケ地・酵素風呂「秋山小兵衛の家」

 その後、酵素講演会まで少々時間があったので、無理にお願いして、ロケ地「酵素風呂」へ案内していただきました。以前、ここの話を誰かから聞いた時に、「酵素風呂」?何それ…と思ったんですが、実際酵素風呂が近くにあるそうで、入りにくる方もいらっしゃるんだとか。凄く判り難い場所ですし聞いてもさっぱり判らないので、案内に従うまま車を走らせておりました。
 暫くして到着、目の前に広がる風景は本当に「剣客商売」に出てくる「秋山小兵衛の家」でした。
 京都の町から余り離れてないところにこんな寂れた場所があるなんて想像できませんでした。
 家の前には、野菜が植えてあったりして、本当にこんな風に準備して撮影されてるんだなあと、現場の皆さんの努力が見えるようでした。

酵素 手前のこげた痕がある辺りでは、小屋を爆破したり燃やしたりするシーンが撮影されるそうです。そういえば、このような地形、目にする気がします。んー、ロケ地巡りって奥深い…、ちょっとはまりそうです。
酵素
先月、明治座の舞台を拝見した時、峰様と一緒にご出演だった細川純一さん(人相書 いのち燃ゆるとき 参照)は「剣客商売」にも時々ご出演されてます。新しい作品ですと、6月26日に放送された「狂乱」で真下半之助役です。細川さんが豊田孫左衛門役の磯辺勉さん、石山甚市役の永澤俊矢さんと対峙するシーンは、まさにこの場所で撮影されたとか…。そう思って見ると、感慨深いものがあります。

同志社大学アッセンブリーアワー

斬られ続けて42年 斬られ役福本清三氏に聞く。

 しののめ様の案内で御所のパーキングに車を入れ、同志社大まで歩いていきました。敷地の中には綺麗な建物が沢山あり、もし師匠がご一緒してくださらなかったら私達夫婦はきっと迷子になってたでしょう。ホント、お供させていただけて良かったです。

 福ちゃんの講演会は会場の教会が満席、立ち見が出るほどの盛況ぶりでした。
 東映に入ったきっかけ、初めて画面に映った時の話や、初めて台詞のある役をもらったときの話など恥ずかしそうに、それでも一生懸命お話されてました。殺陣の事となると、一変して熱っぽく語る福ちゃんはとてもかっこよかったです。

 途中、学生を斬ってくださいという、実演コーナー(?)がありました。許されるなら、私が福ちゃんを斬りたかったです!っても、そんな訳にはいかないので、大人しく見ておりました。
 ド素人を斬るのは大変難しく、悪戦苦闘されてました。学生を斬った後、では僕が斬られますので斬ってくださいという事になり、実際にあの「斬られざま」を生で見る事が出来ました。話している時のはにかんだような表情とは一変、厳しく鋭い目つきになり腹の底から響くような唸り声をあげたかと思うと、あのえびぞりの斬られる姿、音を立てるほど激しくガンっと倒れました。凄い迫力でした。場内は歓声と拍手の嵐です。勿論私もです。こんな所でも、真剣勝負のあの姿を披露してくださる福ちゃんに感動してしまいました。

 映画の事、今の時代劇の事、「徹子の部屋」や「にんげんドキュメント」に出演されたときの感想や反響、福ちゃん独特のメイクのきっかけなど色んな事を真面目に話してくださいました。聞き手の学生さんが大分噛んでいたので残念でした。もっと上手に聞いていたら、もっと色んな話を聞けたんじゃないかと思うんです。それでも、私が思った以上に福ちゃんはお話がお上手でした。

 最後に質問コーナーがあったんですが、そんな事予想もしてなかったので、思いつかず手をあげる事が出来ませんでした。隣に座っていらしたしののめ様、そこは流石の「師匠」です。毅然と挙手をされ「今まで色んなスターさんと殺陣をされてきた中で、この人は上手いと思ったのは何方ですか?」と質問されました。あー、なんてナイスな質問なんでしょう。心の中で「それ、私も聞きたい!」と叫んでおりました。
 数々のスターといわれる役者さんと絡んできた福ちゃんが名前を挙げたその人は、萬屋錦之介さんでした。ヨロキンさんは作品ごと、役ごとに立ち回りを変えてらしたそうです。今まで、そこまで細かく見ていなかったので、これから再放送作品を見る時は注意して見てみたいと思います。
 楽しくあっという間の一時間半でした。本当に行ってよかったです。 

11月10日追記 我が掲示板にカキコくださった師匠の後日談です。

『 投稿者:しののめ 投稿日:11月9日(金)19時20分29秒
 福ちゃんの役者魂というか男の生き様にはグッと来ましたですねー。シャイだったし、はにかんだ表情からはとても日ごろの「キツネ目の先生」は想像できませんでしたね。穏やかなトークと殺陣披露の際の「キリッ」とした役の表情がとても印象に残りましたー。
しかし講演会に「浪人姿」で登場された時ゃびっくりしましたなぁ。しかも講演会の実行委員の出迎えが遅かったので、ひとり太秦からタクシーで同志社大学に到着した福ちゃんはソノ浪人姿にダンビラを手に引っさげてキャンパス内をウロウロされていたそーですが、途中すれ違った学生はさぞ驚いたことでしょうなァ、気の毒というか滑稽というか。
「1st暴将」撮入前の若き日のマツケンさんが二ヶ月も剣会の方に混じって殺陣の稽古をされていたとか、ヨロキンさんに「お前殺陣上手いからきっと芝居も上手くなるぞ」と言われたのが嬉しかったとか、なりたくてなった訳じゃない「役者」を今では体の動く限り続けたいという福ちゃんの発言など、興味深いハナシの数々でホント参加して良かったです。
最後の質問コーナーも、いつもならアタシゃああいう場面では絶対に挙手するよーなタイプじゃないンだけど、気が付いたら勝手に手が挙がっちゃってました(冷汗)。ちゃんばら魂に火が付いたンでしょうか。 』

 師匠、冷汗かいているようには見えませんでしたが…。とても堂々としていらっしゃいました。私なんぞ、聞きたい事も咄嗟に思い浮かばず、「好きです!」な〜んて告白でもしようかと考えてしまった、発想の貧困な奴です。

しののめ様と乾杯!

 興奮冷め遣らぬ三人(…いや、二人…かな?)は、駐車場のある店でないと行けないという事で、近くのファミレスに入りました。
 半日、目一杯動き回ったので生中(ビール)乾杯です。っても、運転手の旦那は飲めないのでお茶でしたが…(旦那、ごめんなさい)。
 呑みつつ食べつつ、師匠と時代劇談義に花を咲かせました。東映、松竹、脇役、悪役、峰様の事など、話し出したら留まる所を知らず、喋る喋る。旦那の入る余地のないほど喋っていたと思います。本当に楽しかったんです。
 ふと気がつけば22時を回っておりました。翌日は師匠も旦那も仕事ですし、名残惜しかったですがお別れです、本当にありがとうございました。

落ち

 師匠と別れたあと、京都南ICに無事たどり着いたら、驚愕でした。「吹田〜栗東間 工事のため通行止め」……が〜〜〜ん!よりによって、こんな時に工事してなくてもよさそうなものなのに…。地図は京都南ICから太秦しか持っていってなかったので、どうやって栗東まで行ったらいいものやら…。一号線を行けば何とか帰れるかと、標識頼りの帰路でした。でも、夜って、標識も見づらいんですよねー。
 不安に苛まれつつも無事、栗東ICにたどり着く事が出来、1時半近くに無事帰宅出来ました。あー、長かった…。

 このようにして、私達の長い長い一日が終わったのでした。
 今回も沢山いい体験が出来ました。お世話になった皆様、本当にありがとうございました。

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